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シャングリラへゆく⑪シャンバラを目指し進路を北へ
理想郷のことを人はシャングリラと呼ぶ
雲南の香りに魅せられて僕は旅をした
冒険家が探し求めたシャングリラに想いをよせ
奥へ奥へ雲南省の秘境を旅した記録
①から読めばより深く楽しめます
シリーズ「チベットへゆく」の第二部
シャングリラへゆく物語
シャンバラを目指し進路を北へ
2020年10月1日朝
僕(日本人)と妻の劉さん(上海人)
友達の上海人夫婦2人
通称呼び名は ブル猫(旦那)と
ブル猫の妻(奥さん)
案内役兼ドライバーの孫君(河南省人)
合計5人で麗江より旅が始まる
![](https://assets.st-note.com/img/1650008054747-byRrjyc6Sw.jpg?width=1200)
ブル猫の呼び名は僕と劉さんが呼ぶ言い方
昔に飼ってた猫の名前が「ブル」だから
劉さんは外人の僕が発音の難しい中国語名を
言っても伝わりにくく面倒だから
よく通称で言ってくる
それが定着してブル猫と呼ぶようになった
中国では、あるある話で外人には
適当な「あだな」で呼び合う事が多い
可愛そうなのは綺麗な顔の奥さん
彼女は僕らにブル猫の妻と呼ばれている
![](https://assets.st-note.com/img/1650008108864-tnCFiA1Kip.jpg?width=1200)
朝早く孫君が車で、僕らの宿まで迎えに来て
ブル猫夫婦が合流するのを待つ
で面白い事に
これからの旅の全貌はまだ誰も知らない
という状況だった
今回の旅の日程は僕は
任せていて詳しく聞いていない
というのも劉さんも細かくは解ってない
上海から出発する時も
僕は転生僧に会う事だけを目的として
来たので他の事は気にしてなかった
詳しく聞いても、劉さんもよく解ってない
孫君に任せて ついて行けばいいのかなと
そんな程度
そして当日の朝、
旅をイメージ出来ているのは孫君のみ
他の4人はよく解ってない状態だった
山奥のチベット寺に行き転生僧に会える
とだけが共通認識だった
本当にその程度
僕も劉さんに昨日何度か
で一体どこ行くの?って聞いたけど
劉さんは地図とか全く見れないので
麗江より北!とだけ教えてくれた。いや~雑(笑)
そんな旅
とは言え何となく孫君の頭の中でルートがあり
麗江に戻る日は決まってる
だから一体どんなルートでどこに行き
どうなるのか?
全く想像できないまま僕は車に乗り込んでいた
少し走った時に
今からどこに向かうの?って聞いてると
寺のある場所は 理塘に近いと初めて知る
僕は
えっ!理塘?そんな遠くへ?
理塘は四川省で今いる雲南省から北上し
四川省に入り山をいくつも越えた
高地にあるチベット村
理塘の手前の山奥に目的の寺があるらしい
ここからだと およそ400km程先である
1日で辿り着かないので途中で1泊するらしく
孫君の頭にイメージがあるようだ
いや~マジ!そんな感じなのか(笑)
ようやく僕も何となく全貌が見えてきて
もう笑いが止まらないというか
ワクワクしかない
こういう無計画な旅は好きだ
![](https://assets.st-note.com/img/1649221174948-SeMCh1UKJM.jpg?width=1200)
で僕は改めて理塘を地図で見ると
いや~ここから かなり遠いな!と
状況によっては理塘で1泊すると
孫君が言うので期待した
というのも
チベット仏教史の中で度々出てくる地名の理塘
ここも有名な寺がある
しかも理塘に行く事はチベット仏教に
興味がない限り行く事がないような
人郷離れた場所
更に理塘は僕の好きな
詩人法王ダライ・ラマ六世とも ゆかりがある地
そんな会話を車内でしてると
8月にも来た香格里拉県へ早くも入った
![](https://assets.st-note.com/img/1650008173044-LvKvpKNKbe.png?width=1200)
そこからしばらく走り香格里拉市へと入り
昼ごはんを食べる為に車で店を探し麺屋に入った
![](https://assets.st-note.com/img/1650008242942-qym5RO3I1q.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1650008274906-5TJEdFOv9i.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1650008303736-dAlfT7dXdu.jpg)
食事を終えて休憩し再び北へ向かう
途中から谷の合間をずっと抜けるような感じで
険しい断崖壁にそった道をひたすら走る
![](https://assets.st-note.com/img/1650008386266-pE9AUIBrmk.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1650008414543-X2vS6q9GrD.png?width=1200)
舗装されてない区間もかなりあり
ガードレールもなく怖い
本当に山の中はまだまだ
こんな状態なのかと都会にいると解らない光景だ
どうやら今日の宿泊先を決めたらしく
車内では、妻やブル猫達が宿の予約を始めた
今日目指すのは香巴拉という町
シャンバラとは仏教に出てくる理想郷の事
シャングリラと同じく2005年に
村が改名し香巴拉と名乗ってる
一同を乗せた車は進路を香巴拉へ向けた
ずっと山というより崖道、それを抜けると
田舎道をひたすら走る
途中で何個かの村というより集落も抜ける
![](https://assets.st-note.com/img/1650008871766-GR4Q4eGSJ1.png?width=1200)
こんな場所にも人住んでるんだねと
電気は通ってる感じだけど
都市からかなり遠い山の中
集落では煙突から煙がみえ料理の支度
ガスなんてないから
まだ窯で火をおこし炒めもや料理を作っている
あちこちで
チベット信仰の仏塔やらタルチョが目に付く
山の中に寺が見え僕らは立ち寄った
![](https://assets.st-note.com/img/1650008934218-IglvhJDNpW.jpg?width=1200)
こんな場所でも信仰している事に驚く
自然と共に農作物を育て自給自足に近い暮らし
そして彼らはみなチベット仏教を信仰し
祈りを捧げている
![](https://assets.st-note.com/img/1650009016649-PhCcDPNZiP.jpg?width=1200)
21世紀に入り情報が飛び交う世界
NETが普及し今では世界と普通につながる時代
しかし、そんな情報とはかけ離れた暮らし
そこに宗教により生きる糧を得て
彼らは暮らしている
素朴で穢れがない
僕らのような欲もきっと少ないのだろう
![](https://assets.st-note.com/img/1650009900368-x2RV5V8haF.jpg)
チベット仏教の信仰とは
本来こんな素朴な暮らしの中にこそ生きている
拉薩で権力争いを繰り広げる傍ら
来世への信仰は静かに 静かに
素朴に暮らす人々の心の中で輪廻してきたのだ
僕らを乗せた車は更に北を目指し走る
窓の外に見える景色がどこか懐かしく感じ
日本の田舎道を走るような錯覚を受けつつ
夕刻6時頃に
香巴拉鎮という町についた
1日車で運転してくれた孫君にお礼をいい
ホテルへ行く
そして想像以上に この場所だけ都市化して
こんな山奥に こんな町がある事に驚く
![](https://assets.st-note.com/img/1650009003058-aJb4aDZRpH.jpg?width=1200)
今回の旅で運転費と旅費として
他の4人で孫君にある額のお金を渡している
個人ツアー依頼みたいな状態
彼は一人もあり僕らと違い安宿をとり
宿泊先は別々だった
そして、少し村を散策
こんな山奥にしては店もあり
メイン通りの1本だけは綺麗で人も多く
賑わっていた
![](https://assets.st-note.com/img/1650009188610-ZJ2Veaa1QV.png?width=1200)
この通りだけが都会化していた
コンビニもスーパーもあった
町から外にでたら
ほんと山の中だから不思議だ
夜ごはんを食べる店を決め鍋料理屋に入る
豪快な鍋で味も美味しくとても安い
![](https://assets.st-note.com/img/1650009324511-ADXWNoudia.png?width=1200)
この鍋が美味しく
疲れていた僕らを元気にしてくれる
![](https://assets.st-note.com/img/1650009537582-vkcPAdX9hJ.jpg)
今回の旅の無事を祈り5人は食事をした
少し海抜が上がってるので
ちょっとずつ高山病の気配を感じ
坂を歩くも息が切れていた
僕は1年前の拉薩でヒドイ高山病に
悩まされたから
なんか嫌な感じだな~と思っていた
宴会は続き香巴拉の夜は月に照らされていた
シャンバラを目指し進路を北へ
食後、他のメンバーはホテルに戻ったけど
僕は一人散策にでかけた
少し町から外れると もう外は暗い闇の世界
闇夜の田んぼに山の間から入る風が稲を揺らし
月光がまぶしいく不気味に照らす
![](https://assets.st-note.com/img/1650009658532-KDcwLb2eSq.jpg)
全く想像のつかない旅
こんな闇の中で一人 稲の揺れる音を聞き
月を眺めると どこか遠い日本を思い出す
ここに来る道も日本の田舎を連想し
どこか日本的な風景を感じていた
しかし、ここは日本から遠く遠く離れ
四川省の都市からも雲南省の都市からさえも
遠く遠く離れ 観光で外人が来ることもない
山の中の中にある
理想郷の名をもつ香巴拉鎮
もう引き返せない程
奥に奥に山奥に
もう引き返せない程
再び僕は仏の世界へ近づいている
理想郷だと言われるシャンバラ
その先に見えてきた
シャングリラの転生僧の住む寺に
明日は無事に
たどり着けるのだろうか?
![](https://assets.st-note.com/img/1650009827307-UPDmBhb5u3.jpg)
⑫転生僧に会いに奥へ奥へ秘境の寺へ続く
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