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重要度を分解し、優先度を決める


業務の優先度をどのように判断すべきでしょうか。重要な業務は多いですが、その「重要」とは何を指標として定義すべきでしょうか。




重要度と緊急度の関係性

重要度×緊急度

優先度を決めるには、重要度×緊急度のマトリクスが有名です。しかし一つ疑問があります。図解の右下にあたる「重要ではないが緊急である」は遂行すべきなのでしょうか。

本来、緊急な業務は全て重要であるべきです。重要ではないと定義している時点で、他の誰かに任せて遂行することすら不要だと考えます。つまり、「重要か否か」だけを突き詰める必要があります。(後半に説明します)

緊急度を決めるのは納期です。これは、自身で先導している案件か or 他者からの依頼案件か、によってコントロールの可否が異なります。依頼案件の場合、緊急度の手綱は依頼者が握っているでしょう。しかしながら必ずしもその期限であるべきなのかは要確認/要交渉です。


全て重要な活動である

前提として、我々デザイナーの業務範囲は広い。マーケティング・広報PR・コーポレート・採用・セールス・プロダクト・新規事業・社内施策など様々です。横断組織として、事業状況に応じた実行優先度策定が求められます。

これら複数領域に渡る他部署との連携事案に対し「どれが重要なのか」を議論する必要があります。つまり「全て重要だが、その中でも優先度を付けるための指標が必要だ」ということです。(例外として、議論不要で重要/緊急の案件もある)

また「デザイン活動は直接的に利益を上げる」という因果関係が立証できていれば容易に意思決定可能かもしれません。しかし、立証には変数が多く高難度であるため、現在進行中の論点となっています。


重要度を事業貢献度で分解する

時間×距離

この重要案件群を分解するにあたって「時間×距離」の指標を通すことで、優先度の策定を試みました。

時間:短期 - 長期(利益に寄与するまでの時間)
距離:直接 - 間接(顧客へ価値提供する場所)

これは、事業状況や人的リソースを考慮した上で「短期且つ長期的に成果を創出するため、顧客に近い場所で価値提供する」という意思決定です。顧客が嬉しいことを早く提供する。顧客起点の思考です。

事業貢献とは何か。事業に貢献し成果を最大化するためには、今何を優先し遂行すべきなのか。時間は有限であるため、多くの重要案件に対し「やらないものを決める」必要があるのです。


顧客の目にふれる頻度

優先度の高い業務は何か

利益(事業指標)に寄与する場所で、デザイン活動を推進していくなか、「長期的な事業貢献だが、顧客が目にする頻度が高い」案件が新たに動き出しました。

顧客の目にふれる回数が多い。サービス体験上ユーザーの目の前に登場する回数が多く且つ長期的であること。それは、自社ブランドイメージを顧客の頭の中に蓄積していく印象形成に大きく寄与する接点であり「優先度が高い」と定義するべきだと考えました。

時間:短期 - 長期(利益に寄与するまでの時間)
距離:直接 - 間接(顧客へ価値提供する場所)
頻度:高い - 低い(顧客が目にする回数や年数)

最後に「不確実性×工数」の指標を通して、自分の手で実行するか/委任するかを決めます。


まとめ

この指標はあくまで、“自組織の”業務優先度を策定するためのものです。現在の事業状況/事業フェーズ/各種リソースを鑑みた意思決定であり、他社や他職種であれば全く異なる指標が必要になるでしょう。

またこの記事も、現時点における思考を書き留めただけであり、引き続きアップデートしていく必要があります。変化に適応していくため、常に思考し続けることが大切です。

そして何より、私がいつも大切にしているのは「自社/自組織/自分であればどうするか」この考え方が最も重要だと思います。万能なフレームは存在しません。自分で考え、自分なりの答えを出していきましょう。




現在は短期視点の意思決定をしていますが、近い将来は「両立」が理想であると考えています。事業状況によって「どちらに軸足を置くのか」という優先度と分配比率、そのバランスに向き合っていきたいと思います。



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