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ディフェンスが上手くなる方法!それは「すべての○○を予測する」こと!

 今日は「ディフェンスが上手くなる方法」というテーマでお話させていただきます。
 サッカーにおけるディフェンスは「数」が重要だと思っている人が多いです。「人数足りていない」という言葉にもあるように、相手のオフェンスに対して「数」の優位性は重要だと思われています。ですが、よく考えてみてください。オフェンスが3人ゴール前にいて、サイドからセンタリングをあげてきたとします。この状況でディフェンスが5人いても、ゴールを決められることは普通にあります。ということは、どれだけ「数」が多くても守備が成功するわけではありません。

 逆に、オフェンス1人に対して、ディフェンスが3人いれば大丈夫だと考えている人もいます。要するに「数は足りているから守ってね!」という考えです。これも、能力的に相手が上だと守り切れません。「数」で考えている人は、こういうときの対策として「2人マークをつける」「チャレンジとカバーをつける」という「数を増やす」考えになります。この「ディフェンスは数だ!」という考え方から抜け出さなければ、絶対にディフェンスが上手くいくことはありません。

 では、何が正解なのでしょうか。例えば、あなたがディフェンスで、自分の近くに相手チームのオフェンスが2人パスを受けようとしているとします。この時に、あなたがどちらか1人のオフェンスをマークすると、フリーになったもう1人のオフェンスはパスを受けてシュートすることができます。これでは「ゴールを守る」というディフェンスの最重要役割を果たすことはできません。結果的に、ディフェンスの失敗ということになります。

 ディフェンスの目的は、「ゴールを守り、ボールを奪う」「攻撃につなげる」ということです。ここを中心に考えていく必要があります。先程の話では、2人いるオフェンスのどちらかをマークしてしまうと、どちらかがフリーになりました。パスが出されてからプレッシングに行っても、間に合わずにシュートを打たれてしまうかもしれません。相手のボールを奪わないと「守備成功」とは言えません。
 ディフェンスがやるべきなのは、パスがどちらに出てきてもプレッシングに行ける距離をオフェンス2人と保ち、パスが出る方向を予測して素早くプレッシングをすることです。パスが出てきたときに素早く動いて、パスが通る前にカットすることができれば最高です。これが正解です。

 つまり「ディフェンスは常に選択できる状態」を作っておかなければいけないということです。オフェンスが2人いるのに、どちらか1人に決めてしまってはいけません。選択できる状態を作るのです。そして、ディフェンスはその選択を間違ってはいけません。過酷ですが、これがディフェンスというポジションです。自分の選択が正しくなるように、自分でもっていかなければいけないのです。強引にでも「ゴールを守り、ボールを奪う」「攻撃につなげる」という目的を達成しなければいけないのです。先程の話では、よりリスクの高い可能性を消しつつ、そのどちらにも対処しなければなりません。オフェンスが2人いても、ゴールに遠い方の選手にパスを出したくなるような立ち位置をとるのです。罠をしかけて、選択が正しくなるようにするのです。間違っても、罠をしかけたほうに100%賭けてしまってはいけません。何度も言っていますが、選択できる状態を作っておくのです。

 話をまとめると、ディフェンスの仕事は「ゴールを守り、ボールを奪う」「攻撃につなげる」です。この2つを達成するために、徹底的な危機管理をします。ありとあらゆる可能性を危惧しておかなければいけません。オフェンスが目の前にいるからといって、目の前にいるオフェンスだけに決めつけてはいけないのです。目の前のオフェンスがおとりで、他の選手がシュートを打ってゴールを決めたら守備失敗です。ディフェンスは全ての可能性を危惧し、そのすべて対応できるように動かなければならないのです。全てに対応するには、すべての可能性を見つけなければなりません。それだけ、認知の力も必要なのです。
 もちろん、1人ですべての範囲に対応することは不可能ですが、状況を確認したうえで、今の状況なら、自分はどのようにディフェンスをするべきなのか考えなければいけないのです。このように考えていくと、当然「選択ミス」「判断ミス」が致命的になります。周りを見て、正しい情報を集められているかも重要です。認知できていないことすら「致命的なミス」につながりかねないのです。ディフェンスというポジションは、フィジカルやテクニックやスピードと同じように、認知能力や思考能力も高くななければいけないのです。

 ディフェンスは、どれだけ対応できる状態を作ることができるかで価値が決まると言っても過言ではありません。あとは、自分の能力によって、自分の選択が正しくなるようにするのです。罠をしかけることで、自分の選択が正しくなるようにしていくのです。常に幅広い視野で情報を集め、よく考えて正しい判断をしていくことが、ディフェンスとして大切だよねというお話でした。

 今日は、「ディフェンスが上手くなる方法」というテーマでお話させていただきました。
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