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テクニックの時代は終わった!

 今日は「テクニックの時代は終わった!」というテーマでお話させていただきます。
 先日、スペインでアカデミーを経営している知人とお話することがありました。そんな中、話の中心になったことがあります。その話は、僕が最近ヨーロッパの試合を見ていて思っていたことと同じでした。その話というのは、「テクニックの時代は終わったのではないか」ということです。結論、「テクニックが重要だ!」と言っている人は「いつの時代の話してるのだ」という話になりました。

 最近、リーガエスパニョーラの選手の走行距離が長くなっています。特に、キックオフ後の20分、走行距離の伸び率が高いです。
 テレビで見ていると俯瞰で見れるのでわかりますが、どのチームも1つの生き物のように連動して動きます。気持ち悪いほど、止まることなく、流動的にポジション修正し続けているのです。例えば、守備時にサイドで人数をかけてプレスをするとします。対戦相手は、当然そこを掻い潜ろうとします。ボール保持しているチームが逆サイドに上手く展開したとき、守備側のチームは一方のサイドに人数をかけていたので、数的不利になることが多いです。ですが、サイドチェンジされた側でも人数をかけて守備ができているのです。サイドチェンジの間に、走っているのです。相当なスピードで走らなければ間に合いません。

 ここ数年、特にプレッシングのときの「圧縮」が尋常ではありません。狭いスペースに人数をかけます。その分、一人の選手がカバーしなければならない距離は長くなります。守備範囲も広くなります。そこを、スタミナとスピードでカバーしてるのです。
 ポジション修正するときの移動スピードも上がっています。これまで、攻撃側は守備陣形を崩すのにスピードが必要ありませんでした。ポゼッションして守備組織をズラしていけば、ほころびが生まれて攻撃が成功していました。ですが、現代は組織的な守備や戦術に綻びがありません。こうなってくると、守備組織が修正されるまでの数秒がゴールを決めるチャンスです。守備側の準備ができていない状態を狙い、「速さ」で相手の守備陣形崩します。だからこそ、正しいポジショニングをとるのに時間をかけられないのです。守備側は、攻撃側がゴールに向かい始めるまでに、一刻も早く守備陣形を作り、ボールに対してプレスをかけなければならなくなっているということです。つまり、それだけ「速さ」が重要になってるということです。これまでは「高いボールテクニック」があれば攻撃は成立していたのですが、それだけでは守備を崩すのが難しくなってるということなのです。
 
 「速さ」に加えて「強さ」も、これまでより高いレベルで必要になるのだと思います。これまでも、激しいプレーが見られた時代はありました。ですが、間違いなく激しさのレベルは高くなっています。体の使い方が洗練されています。ボールを扱うのが上手い選手を「ボールテクニックがある選手」とするならば、体を使うのが上手い選手は「フィジカルテクニックがある選手」です。ここ数年ですべてのレベルが上がっています。「フィジカルテクニックがある選手」が増えました。
 
 10年前ほど前から言われてきた「テクニックの時代」が進化したことで、今は「速さ」や「強さ」が重要になってきているという話です。それは、「守備組織が洗練されて綻びが見えなくなったこと」「どのポジションの選手も高いテクニックを持っている時代になったこと」が原因です。ゴールキーパーやセンターバックが、数10年前のボランチや司令塔の役割を担っていることも少なくありません。それくらい、テクニックは選手全員が当然のように持っている時代なのです。
その上で、「速さ」と「強さ」を身に付けることの重要性を感じていますというお話でした。
 今日は「テクニックの時代は終わった!」というテーマでお話させていただきました。 

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※「いつでも」「どこでも」聞ける『音声配信』です。
「サッカーが上手くなりたい人」におすすめの情報を発信しています。スペインバルセロナにあるアカデミーやアルゼンチンのクラブでプレーして学んだことを、海外サッカー経験者から直接お届け致します。
音声配信:『VORAZ FUTBOL CLUB』 Anchor/Spotify
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