オタクのためのOKR
はじめに
この記事は以下の記事の翻訳となります。
パンデミック前の連邦準備制度理事会の報告書によると、アメリカ人のほぼ40%が400ドルの緊急事態をカバーするだけの貯蓄を持っていないことが判明しました。
ノースウェスタンミューチュアルの調査によると、56%のアメリカ人が、快適に老後を過ごすのに必要な金額を知らないことが明らかになりました。また、FINRA財団の調査によると、回答者のわずか34%が5つの基本的な金融リテラシーに関する質問のうち4つに正しく答えられています。
COVID-19は、住宅ローンの借り換え、老後資金の引き出し、保険の縮小、追加のクレジットラインの申請など、消費者が取り組んでいるこれらの問題を悪化させるだけです。知識不足に基づく誤った判断は、悪い状況をさらに悪いものに変えてしまう場合もあります。
2009年の設立以来、NerdWalletは金融リテラシーのギャップを埋めるための支援を行ってきました。クレジットカードから住宅ローン、保険に至るまで、あらゆるトピックに関する情報を提供しています。
この種の金融情報を提供しているのは、NerdWalletだけでもありませんし、最初の会社でもないです。しかし、サンフランシスコを拠点とするスタートアップ企業は、1億6000万人のユーザーを抱え、年間1億5000万ドルを超える収益を上げており、最高の結果を出しています。
正しいお金を動かす
"OKRは、会社が成長を続け、正しい優先順位を維持するための最も強力で効果的な方法だと考えています”
と、NerdWalletのCMOであるKelly Gillease氏は説明しています。
会社全体のレベルでは、すべての従業員が会社の目標を理解し、その目標を達成するために働く個人と部門の役割を理解することで、OKRはチームの整合性を確保していると彼女は評価しています。
新しいプロセスを導入する際には、社員が変化に抵抗する傾向があるため、反発を受けるのは当たり前のことです。
しかし、NerdWalletは2009年の設立以来、共同で目標を設定するための主要なツールとしてOKRを使用してきました。"OKRは私たちの文化やプロセスに組み込まれていますと”Gillease氏は述べています。
元々OKRは多くのチームが他の方法よりも実際にこの目標設定フレームワークを好んでいることが判明するまでは、組織全体と部門レベルでのみ導入されていました。
"OKRが非常に好評だったため、必要以上に細かいレベルでの導入を拡大しました。”そして今では、多くのチームや個人の社員までもが四半期ごとに個人のOKRを設定しているとGillease氏は言います。
"NerdWalletでは、各チームがその年のOKRを設定していますが、最大の目標はそれが部門別のOKRへと発展し、それが企業のOKRへと反映されることです。”多くのチームが関与しているため、NerdWalletはGoogleスプレッドシートを共有して、目標に対する進捗状況を把握しています。
"各チームは通常、会社のOKRから独自のシェアを持ち、チームリーダーは 四半期ごとのビジネスレビューで進捗状況や結果を報告しています。”
また、有給休暇は無制限で、100%有給の育児休暇も提供しています。実際、 四半期ごとにNerdWalletのリーダーは、1~2つのOKRを特定し、会社全体の文化的変化を促しています。
Gillease氏は、四半期ごとにダイバーシティ、公平性、インクルージョンに関するOKRSも設定していると言います。"私たちは、完全に偏りのない、平等で多様性のある企業という目標に向かって、継続的に前進していることを確認したいと考えています。”
同社が直面した唯一の課題は、OKRに対する進捗状況を示すための最良の測定方法を特定することでした。"歴史的にこれは課題でしたが、当社の仮説を立て、構築し、測定し、学習する(HBML)プロセスを通じて、特定のOKRに対して最も効果的な測定値を特定することができました。
Gillease氏は、さまざまな段階を経てOKRで測定されるメトリクスには自然な進化があると考えています。"新しいものの立ち上げや概念実証テストでは、即時の収益化よりも最初はOKRのためにエンゲージメントやリテンションを重視することがあります。
”時間が経つにつれて、その機能やキャンペーンの最終的な目標、例えばマネタイズや獲得に焦点を当てて進化させていくことが理にかなうようになると彼女は言います。
OKRを実行に移す
"今期のOKRが決まれば、実行フェーズに入ります。”とGillease氏は言います。“そこから、社員やチーム全員が日々の活動を会社の目標に合わせることができるようになるのです。”
もちろん、金融市場で唯一予測可能なことは、予測不可能であるということです。早期にパターンを特定し、スムーズに調整するためには、会社が同調する必要があります。Gillease氏は、OKRがチーム全体の連携を保ってくれたことを高く評価しています。
そして、オタク(彼らはNerdWalletの従業員をそう呼んでいます)が連携していればいるほど、会社は成功を収める可能性が高くなります。
そのようなチームの連携の一例が、2019年の"Money Questions"キャンペーンの開始でした。
"Money Questions"は、"私は投資をするべきなのか?"や"どうやって家を買うのか?"といった感情的なお金の質問に答えるためにデザインされた、同社初のナショナルブランドキャンペーンでした。
"OKRを設定することで、私たちは全体的なブランド認知度を向上させ、ウェブサイトを訪れる人数を増加させたいと考えていたことがわかりました”とGillease氏は言います。
このキャンペーンは、ビジネスの急増につながり、また、NerdWalletのクレジットカード事業を再加速させることにもつながり
ました。"最終的に成功したのは、社内の全員が目標を認識し、各チームが目標達成のためにどのように支援できるかと一致団結していたからです。”
目標に対する進捗状況を追跡できることも利点の一つです。オタクは全員参加型のミーティングで毎月と四半期ごとに最新情報を受け取ることができます。
"目標を達成していても、超えていても、足りなくても、目標を達成した理由や達成できなかった理由、そしてそのプロセスから何を学んだかを共同で判断できるように、社員とできる限り透明性を保つようにしています。" 一部の企業では、このような情報を内に秘めておくことを好む傾向があります。
しかし、Gillease氏は、このように透明性を保つことで、すべての人が輪の中に入って連携し、会社の目標達成に向けて全員が協力して取り組むことができると考えています。
パンデミックピボットをOKRで簡単に
世界的な大流行は、あらゆる業界で変化を強いていますが、NerdWalletも例外ではありません。
同社はOKRを再評価し、それがまだ達成可能なものであることを確認した上で、新たな通常状態に対応できるものであることを確認しました。"我々 は、ベイエリアで最初のロックダウンが始まった直後に、展開の早い状況において早く変化したいと思い、非常に早い段階で再評価を行いました。
”その後も、状況がさらに意味のある形で発展していくのに合わせて、会社は適応し、動きを変えていきました。いくつかの修正を加えても、ほとんどのOKRはまだ達成可能でした。
"失業、景気刺激策のチェック、債務救済、旅行方針の変更、財務管理に関するパンデミック関連の財務上の疑問についてのリソースを提供するためのコンテンツを調整することができました。
"また、COVID経済における個人の財務上の意思決定を導くために必要なリソースを消費者に提供するために、専用のコンテンツハブを作成しました。"また、マーケティングチームは、この重要な新しいコンテンツを強調するために、ソーシャルCRM戦略を調整しました。”
そして、新しい戦略は非常に効果的に機能し、同社は歴史的に高い視聴者エンゲージメントレベルに到達したとGillease氏は述べています。
COVID-19のもう一つの変化は、リモートワークです。多くの企業は、対面で仕事をするのと同じようなリモート環境を作ろうとしているという過ちを犯しています。
しかし、この戦略は、パンデミックが家庭をどのように揺るがしたかを考慮していません。"チーム全体が自宅で仕事をするようになったので、会議に費やす時間を最小限に抑え、子供の保育園や学校がなくなるなどの新たな課題に直面している従業員のワークライフバランスを改善するために、具体的なOKRを設定しました。”
従業員のニーズと顧客のニーズを両立させることは、必ずしも容易ではありません。しかし、このようなwin-winのシナリオを作ることで、さらに大きな成功につながる可能性があります。従業員は、会社が個人を大切にしてくれていることを知れば、組織の目標に向かって積極的に取り組んでくれる可能性が高くなります。
"OKRを消費者に求める成果に結びつけることで、消費者が私たちの仕事の最前線にいることを確認することができますと”Gillease氏は言います。
"コンテンツをより発見しやすくする、ショッピング体験をより簡単にする、より関連性の高いタイムリーなコミュニケーションを提供するなどの業務に結びついたOKRは、すべて消費者にとってより良い体験となり、最終的には人生のすべての金銭的な意思決定をより明確にすることにつながり、これがNerdWalletの使命です。”
(Publisher:Terri Williams)
(翻訳者:Mari Akiyama)
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