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SaaSスタートアップ創業者向けガイド 読書メモ

これは何か

SaaSスタートアップ創業者向けガイドの読書メモです。カスタマーサクセスに取り組む中で大変参考になった一冊です。

市場開拓

ポジショニングを明確にせよ
ほとんどのスタートアップが直面する課題がポジショニングを明確にできていない事である。会社のポジショニング戦略は市場開拓戦略のコンテキストの中で明確にしていく必要がある。

スケール、収益拡大

PMF確認後の拡大フェーズでは、営業チームをいかに早く軌道に乗せるかという問題に直面する
いかに短期間で営業チームを始動させ、短期間でノルマを達成させられるようになるか。100名の営業を採用した時、いかにスケールさせるための仕組みを構築するかがカギとなる。salesforceが急成長できた成功要因にスケールを見越した営業組織づくりが挙げられる。

効果的な営業研修のアプローチ
限られた資金で機動的にチーム内にオンボーディングしてもらうためには、消化しやすいサイズのコンテンツにする必要があった。パワーポイントやマニュアルを読んでもらおうとする行為はNGである。 InsideSales.comを立ち上げたJim Steel氏はベストプラクティスの共有を推奨する文化づくりを行った。CEOを筆頭にすべての役員陣がエレベーターピッチを録画し、すべての社員が動画を見れる環境を整備した。それにより新入社員全員が会社の文化、サービスの特徴などを学び、すぐに売り込みができる状態になった。 エレベーターピッチも複数のタイプのものを用意した。90秒のもの、10分バージョン、ヒアリングピッチ、反論対抗ピッチなど。 新たにジョインした営業メンバーはそのコンテンツを見て、自身のエレベーターピッチを録画することで改善をしていった。 すでに分かっているサービスの強み、競合との差別化要素、反論対処法を早期に学習し、自信をつけることが重要である。

ポイント
1.消化しやすいサイズのコンテンツ
2.社内からのベストプラクティスを集める
3.素早いフィードバックで改善していく


営業チームのオンボーディング

第一週目:文化、ベストプラクティス、ビジョンを学ぶ
CEOや役員メンバーの作成したビデオコンテンツを視聴し、ビジョンや目標を共有する。優秀な営業担当者が作成した案件獲得に関するビデオを視聴し、その体験談を学習する

第二週目:製品とサービス
プロダクトマネージャーが作成した製品のプレイブックビデオを視聴する。製品やサービスについて理解を深めつつ、2分間のエレベーターピッチを営業メンバーに実施してもらい、そのアウトプットを評価する。

第三週目:見込み客の獲得とテリトリの計画
見込み客をどのように開拓するのか、そのパイプライン戦略を考えてもらい、その内容を動画としてアウトプットを出してもらった。

第四週目:取引先戦略と案件実行
最終週では様々な戦略に焦点を当てた。効果的なイベント戦略、クロージングに関する戦略。その戦略計画をアウトプットとして録画してもらった。

このようなオンボーディングを実施した結果、営業メンバーから「これほど短い30日という期間で戦力になるためには、オンボーディングが必要不可欠だった」と評価を受けた。 実際このようなオンボーディングはどうしても優先度が下がりがちである。しかしながらこのようなオンボーディングという収益エンジンを、将来を見据え導入することでスケールの速度は大きく変わる。これは革新的なプロダクト開発に注力することと同じくらい重要なことである。

カスタマーサクセス

すべては企業文化からはじまる
カスタマーエクスペリエンスは企業文化から始まる。顧客重視の文化を根付かせる必要がある。スタートアップは時にこれを見誤る。自社の急成長による苦痛の結果、顧客の悩みやニーズをおろそかにしてしまうことは避けなければならない。

ベストプラクティスをチーム内で共有せよ
大きな成功は小さな個々の成功の山から生まれる。ベストプラクティスを積極的に共有した。日常業務の顧客とのやり取りの中で新しい戦略を定義し、ベストプラクティスを考案し、社内で業務とプロセスを文書化することを行った。

顧客のエンゲージメントを高めるためには速やかな問題解消が有効である
顧客のニーズに非常に早く対応し、問題を解消することによって、顧客のニーズを尊重してくれる支援者がいると感じてもらうことができる。このような「ダイビングキャッチ」は初期段階のオンボーディングで重要となる

企業が成熟するとCSMの再定義が求められる
企業規模が小さいフェーズでは個々の顧客の課題を解消していくことは重要であるが、企業が成熟すると同じようにはいかなくなる。それだけのリソースを割く事はできなくなる。したがってフェーズに応じてCSMという組織やチームのミッションやコアバリューを再定義していく必要がでてくる

急拡大フェーズでは意思統一が重要である
明確な方向性を持ち、集団のエネルギーを望ましい方向へ向けることで、急変化によるチーム内の不安を解消することができる。セールスフォースではV2MOMというツールを使用して意思統一を行った。会社のビジョンを明確に伝え、会社のあらゆるメンバーにそのビジョンに沿った行動をするように促進させた。

顧客のカスタマージャーニーを理解することに時間を注げ
顧客とのタッチポイントをリストアップできるだろうか。webサイト、営業からのメッセージ、イベント等、無数のタッチポイントがある。顧客と会社を結びつけ関係を築くためのタッチポイントが無数にあることに気づくだろう。それらをシームレスに設計する必要がある。よくあるスタートアップの落とし穴にCSMを雇えば顧客とのやり取りが改善されると思い込みをしてしまうケースがある。CSMを雇うだけでは顧客にとって利用方法の分からないタッチポイントを1つ増やしてしまっただけとなる。 客観的視点に立ってカスタマージャーニーを見つめ、うまく機能しているタッチポイント、問題のあるタッチポイント、CSMが介入すべきタッチポイントを見つけていくことが重要となる

定量的に測定しよう
早い段階で定量測定をすることのメリット
・1.従業員のデータに基づくものの見方が強化され、データドリブンな文化が根付く
・2.主観的な判断ミスを減らし、業務管理の話し合いに役立つ強固な基盤ができる
・3.測定履歴のデータベースができるため、時間経過に伴う指標が手に入る

定量指標の2つの観点
・1.プロダクトの定着に重点を置くこと。オンボーディング指標
・2.顧客の健全性を評価するための指標。カスタマーヘルススコア

健全な顧客とはどのような顧客なのか説明できるか
「健全な顧客とはどのような顧客なのか」この質問は私が徹底的にスタートアップ企業に質問することである。これが社内で統一されていなければ、どんな顧客を獲得すればいいか分からなくなる。解約リスクのサインはなんなのか等の意思統一が必要だ。理想的な顧客を獲得し継続してもらうためには、理想的な顧客を理解して各チームの専門知識を集中させる必要がある

CSMはカスタマーエクスペリエンスの一部にすぎない
顧客価値(コアバリュー)とカルチャーを早い段階で確立すること
カスタマージャーニーを理解すること
測定の枠組みを確立すること


書籍PDF

書籍のPDFは無償公開されています。salesforceさんに感謝!


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