#27 骨盤の解剖学
皆さんこんにちは、パーソナルトレーナーの古寺健吾です。
北海道札幌市で
「フィットネスで人生を豊かに」をモットーに、多くの方の健康に寄り添うお仕事をさせて頂いております。
このnoteマガジンでは、主に「健康」や「身体」に関する内容の記事を毎週アップしていきます。
第27回目となる今回のテーマは
「骨盤の解剖学」
について。
▼骨盤とは
骨盤とは、大腿骨と脊柱の間で身体を支える、強固に一体化した一群の骨の解剖学的名称です。
その構造は、寛骨、仙骨、尾骨により構成され、これらの骨は成長とともに癒合する為個数が変わります。
寛骨は腸骨、坐骨、恥骨が一体化して形成されます。
生後から子供のころにかけてはそれぞれ独立しているが、17歳頃に1つの寛骨となります。
仙骨は5個の仙椎が癒合して1つの仙骨となります。
尾骨は3～6個の尾椎が部分的或いは全面的に癒合して尾骨となります。
寛骨の臼蓋(寛骨臼)は、大腿骨の骨頭と股関節を形成します。
骨盤で囲まれる空間(骨盤腔)には、膀胱、子宮、直腸などがあり、それらを固定する後腹膜が腹腔の下端をカップ状に密閉していて、ダグラス窩と呼ばれます。
腹腔内出血や腹水貯留時などには著明に液体貯留をきたす部位で、超音波エコー検査などの対象となります。
骨盤は法医学において、頭蓋骨と並んで最も男女差の著名な骨です。
骨盤の中央の孔は男性では三角形に近く、女性では丸いのが特徴です。
これは出産の際に胎児が通る為とされています。
また、仙骨と腸骨の間は仙腸関節と言い、強固な靱帯により結合されていますが、女性が妊娠をするとホルモンの影響で緩みやすく、腰痛に起因する事も多く見受けられます。
▼仙骨
仙骨は脊柱から続く骨で、その上部は腰椎の最下部と結合しており下部は尾骨と結合しています。
通常、16～18歳頃に5個の仙椎の癒合が開始し、多くの場合34歳までに完全に癒合し1つの仙骨になります。
仙骨の両側には左右両寛骨が位置しており、寛骨から大腿骨頭へ重力を分散させています。
一方で、床反力による負荷が大腿骨頭を介し寛骨へと加わる為、仙骨は上からの重力と下からの床反力という双方からくる負荷を上手く伝達しています。
仙骨が前傾する動きをニューテーション、後傾する動きをカウンターニューテーションといいます。
仙骨が前傾すると腰椎が前弯、後傾すると腰椎が後弯する腰椎仙骨リズムというものが存在します。
仙骨自体の可動性が無い(低い)場合、寛骨(骨盤)の可動性も低くなり、さらに股関節の可動性にも影響を与えます。
つまり、重要度が非常に高い場所であるという事が分かります。
ちなみに、股関節が内旋気味の方は仙骨の可動性が低い傾向があるので、外旋可動域を出すトレーニングを取り入れる事で改善が見込める可能性があります。
また、一般的には女性の方がカウンターニューテーションの傾向が強く、月経や産前産後にかけてホルモンの影響の受けやすく、周囲の靱帯が緩み寛骨との剪断力を強める為、腰部及び骨盤痛を訴えるケースも少なくありません。
妊娠をするとリラキシンというホルモンが分泌され、恥骨結合と仙腸関節が徐々に緩み、出産時に最大に開きます。
そして産後、骨盤が締まらないままでいると、体形が元に戻らない、下っ腹が出る、尿漏れしやすくなるなどの現象に悩まされる事もあります。
▼骨盤の筋肉
骨盤に付着する主な筋肉
【骨盤を起始にする筋肉】
・腹直筋
・内腹斜筋
・腹横筋
・腰方形筋
・腸骨筋
・大臀筋
・中殿筋
・小殿筋
・大腿筋膜張筋
・梨状筋
・内閉鎖筋
・外閉鎖筋
・上双子筋
・下双子筋
・大腿方形筋
・縫工筋
・大腿直筋
・恥骨筋
・薄筋
・大内転筋
・長内転筋
・短内転筋
・大腿二頭筋(長頭)
・半腱様筋
・半膜様筋
・多裂筋
・胸最長筋
・腰腸肋筋
【骨盤に停止する筋肉】
・外腹斜筋
【骨盤から起始し骨盤へ停止】
・骨盤底筋群
最後までお読みいただきありがとうございました。
また、ご愛読のほどよろしくお願いいたします！
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