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最近の記事

劇団四季『ゴースト&レディ』四季の第?幕が始まった

トップ画像でバレてしまっているが、この作品を鑑賞してから2カ月も経ってしまった。特に理由があるわけでもないのだが「これはちゃんと考えて書かないといけないな」と感じて、考えているうちに時間が過ぎてしまったいつものパターン。そして考えがまとまってないのもいつものパターンなので、いつも通りにだらだら書きます(言い訳)。 今後名古屋や大阪で観る人も多いと思うので、一応ネタバレ注意ということだけ先に言っておきます。 観終わったあとの感想をひとことで言えば、ボブのセリフと重なるんだけ

    • 『ふくすけ2024 -歌舞伎町黙示録-』治安が悪いのは舞台か、現実か

      それまで松尾スズキや大人計画の作品を「何となくコワい」と避けていた自分が、意を決して観に行った『キレイー神様と待ち合わせした女ー』。うなされるほどの熱量に打ちのめされ、なんてものを観ちまったんだという衝撃がしばらく収まることがなかった。WOWOWで放送されたものを録画し、繰り返し観るうちにようやく腑に落ちてきたところだったのに、また重そうな宿題がのしかかってきた。『ふくすけ』である。 またあの衝撃を味わうのはちょっと抵抗があるなあ、と一瞬思ったものの、出演者の名前を観て、自

      • 紀伊國屋ホール60周年記念公演『熱海連続殺人事件』

        2月に山本亨の出演した『熱海殺人事件』を観て以来、自分の中で熱海熱が再燃した感じがする。そんなところに紀伊國屋ホール公演のニュース。2バージョンの連続上演、しかもこれまで見たいと思いながらタイミング合わず目撃できなかった新内眞衣、木﨑ゆりあがそれぞれのバージョンに登場するという。これは俺のための公演だな、と思い両バージョンのチケットを確保した。 熱海殺人事件 Standard つかこうへい命日公演木村伝兵衛部長刑事・・・荒井敦史 婦人警官水野朋子・・・新内眞衣 熊田留吉刑事

        • ミュージカル『この世界の片隅に』 水戸公演

          『この世界の片隅に』が舞台化、主演は昆夏美・大原櫻子のダブルキャストというニュースを聞き、それだけも観に行くのが確定だが、これが自分の地元で上演されるという。たまらん。しかも全国ツアーなのに3公演もあり、ダブルキャストが両方参加するという贅沢さ。 というわけで7月13日、水戸市民会館へ。昨年夏に稼働したばかりだが、この大ホールのおかげでさまざまな舞台やコンサートが水戸で観られるようになった。物議をかもした山崎まさよしの「きょうは歌いたくない」発言もこの会場である。 ここが

          『CHICAGO』来日公演 俺がビリーだ!マシュー・モリソン参上

          『CHICAGO』来日公演を観に、渋谷のシアターオーブへ。 この作品だいぶお久しぶりで、いつ以来かと思ったら、2008年の日本人キャストによる公演が最後。米倉涼子が初めてこの作品に出演したときである。河村隆一もナイスなキャスティングだった。ついでに思い出話をしておくと、自分が最初に観たのは1997年のロンドン。1996年にブロードウェイのリバイバル上演が大きな話題を呼び、鳴り物入りでウエストエンドに上陸していた。まだオープン間もないときだったが、市内のダフ屋(当時は常設店舗

          『CHICAGO』来日公演 俺がビリーだ!マシュー・モリソン参上

          『新生!熱血ブラバン少女。』 「博多座オリジナル」の魅力が満載

          3人のクリエーターが結集博多座のオリジナル公演は意欲作が多い。話題を呼んだ『時代劇・101回目のプロポーズ』や、自分も観劇したAKBグループによる『仁義なき戦い』などなど。中でも博多華丸を座長に迎えた公演はおしなべて評判が良く、特に、職人肌の劇作家G2とタッグを組んだ『めんたいぴりり』や『熱血!ブラバン少女』は実際に観た人からもいい舞台と聞いていた。 そのブラバン少女が新作となって上演されるという。これは観なくては、と博多座にやってきた。まあHKT48を結成初日公演から観

          『新生!熱血ブラバン少女。』 「博多座オリジナル」の魅力が満載

          『熱海殺人事件』山本亨の木村伝兵衛

          ゴツプロ!Presents 青春の会 第五回公演『熱海殺人事件』。その福岡公演を観てきた。 今回の注目は、何といっても山本亨という、自分がつかこうへい作品を見始めた頃に表舞台に立ち始めた役者が、『熱海』の主役、木村伝兵衛を演じるという点だ。山本亨はその後もつか作品や劇団☆新感線で何度も観ている大好きな俳優の一人である。 今回は、山本が60歳を超えているのをはじめ、他の出演者もこの作品のキャストとしてはだいぶ年齢が高めだ。水野刑事を演じる酒井晴江は北区つかこうへい劇団の2期

          『熱海殺人事件』山本亨の木村伝兵衛

          『ジョジョ』ミュージカルの公演中止に思うこと

          帝国劇場のミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』で初日を含む複数の公演が中止となった件。思うことがあってメモ代わりに書いておきます。 まず東宝の見解。 要するに、準備に時間がかかったので開幕延期します、ごめんなさいという話。 確かにあってはならないことだが、演劇界ではときどきある話。これに対して、ネット上では「プロにあるまじき行為」「チケット代だけじゃない、交通費や宿泊費も補償しろ」という声が吹き荒れた。まあ、これも当然というか、いつもの反応。 SN

          『ジョジョ』ミュージカルの公演中止に思うこと

          映画『野球どアホウ未亡人』 観れば勇気が湧いてくる

          昨年からちょっと大変な時期が続いており、自分の主食であるエンターテイメントに触れる機会もぐっと減った。そんな中、自宅から徒歩2分でシネコンがあることもあり、映画だけは例年以上に観ている。 ただ、最近どうも映画を観たときの感動が薄れてきた。どれも面白いのだけれど、昔のようにその余韻がしばらく続くということがない。自分ももう歳だということか。 そんな中、昨年夏にヤバそうな映画のタイトルを聞いた。 『野球どアホウ未亡人』 これが野球漫画の金字塔『男どアホウ甲子園』のパロディ

          映画『野球どアホウ未亡人』 観れば勇気が湧いてくる

          四季「ウィキッド」東京公演 真瀬グリンダの破壊力

          日本では10年ぶりのウィキッドである。最後に東京で観たのが2013年。 その後2016年にブロードウェイで観ており、最初に観たのも2006年のニューヨークだった。 この7年ほどの間に数えきれないほど味わった作品。こんな若気のイタリーな写真が残っているほど。 そういえば2012年の年末にはバックステージツアーにも参加した。楽しかったなア。 そこまで大好きなウィキッドを長いことオアズケにされていたわけで、今回の東京公演に胸が躍らないわけがない。なのにわずか3カ月ほどの公演

          四季「ウィキッド」東京公演 真瀬グリンダの破壊力

          浅利演出事務所『夢から醒めた夢』 MVPは究斗部長?

          2017年、2021年に続く「浅利演出事務所」による『夢から醒めた夢』。前回も前々回もチケットを確保しながら足を運べなかったので、ようやく観ることができた。 多くの人がそうだと思うが「一番好きなミュージカルは何か」という質問は「好きな食べ物は何か」同様答えにくい。そういうとき、自分は『夢から醒めた夢』と答えることにしている。そのぐらい好きな作品で、回数もかなり観ている。この作品を観た回数は日本じゃあ二番目だ、と怪傑ズバット口調で言いたいぐらいだ(日本一は浅利慶太)。 浅利

          浅利演出事務所『夢から醒めた夢』 MVPは究斗部長?

          気象予報士試験 体験記の・ようなもの

          令和4年度第1回試験(2022年8月実施)に、バリバリ文系の自分が53歳で合格し、気象予報士として登録された。 予報士試験について、いずれnoteに書いておこうと思いながら怠けていたところ、ドンドン記憶が消去されていくのを感じたので、慌ててここに記録しておく。 1.受験ヒストリー 受験履歴は下記の通り。 第41回(2014年1月)一般× 専門× 第42回(2014年8月)一般× 専門× 第43回(2015年1月)一般× 専門× 第52回(2019年8月)一般× 専門×

          気象予報士試験 体験記の・ようなもの

          四季『ジーザス・クライスト=スーパースター』[ジャポネスク・バージョン]

          なんてったってジーザス。 「ジーザス」を観るのは2018年2月以来。四季はこの作品を2つの演出で上演しているが、「ジャポネスク・バージョン」と呼ばれる初演版を観るのは2012年11月以来だ。そして自分が愛してやまないのはこの初演版のほうである。 再開発に取り残されたような自由劇場に足を踏み入れるのもお久しぶり。 ミュージカルに限らず、舞台というものは観た人を元気にさせる力がある。たとえそれが悲劇的な内容であっても、だ。生身の人間による全力のパフォーマンスから伝わる熱量が

          四季『ジーザス・クライスト=スーパースター』[ジャポネスク・バージョン]

          実写『リトル・マーメイド』フランダーはあれで良かったのか?

          実写『リトル・マーメイド』観てきた。ディズニーが復活の狼煙を上げた90年代前半の『リトル・マーメイド』『美女と野獣』『アラジン』3連作は自分も大好きで、公開時に劇場で観たし、VTR、DVD、ブルーレイ、そして配信で数限りなく観ている。 他の2作はすでに実写化されているので、本作も心待ちにしていた一本だ。しかし、公開前から作品の内容ではないところで話題になってしまった。黒人であるハリー・ベイリーのアリエル役起用についてである。 先にその話をしておくと、自分は「アリエル役は白

          実写『リトル・マーメイド』フランダーはあれで良かったのか?

          縄文から現代、そして宇宙へ――AIが紡ぐ壮大な叙事詩が爆誕

          タイムラインをにぎわせているAI「ChatGPT」。最初はやや鼻白む思いで眺めていたが、GPT-4の登場以来、次々と報告されるその流麗な文章や的を射たアイデアに、どうもこれはスゴいらしいぞ、と考えを改めた。そこで有料アカウントを取得して試してみることに。 いろいろと楽しい会話ができたが、その中でも気に入ったやりとりをひとつ公開したい。 ややぶっとんだ小説のプロットを考えさせてみようじゃないか、と自分が入力した質問がコレ。 日本の縄文時代を舞台にしたミステリー小説を書こう

          縄文から現代、そして宇宙へ――AIが紡ぐ壮大な叙事詩が爆誕

          坊っちゃん劇場『ジョンマイラブ』 絶賛漂流中の日本に希望をもたらす快作

          コロナ禍に開幕し、実に1年半に及ぶロングランを達成した、坊っちゃん劇場の『ジョンマイラブ』。昨年2月に観に行ったが、千秋楽を前にもう一度観ておきたいと考え、1年ぶりに愛媛に向かった。 作品の概要と坊っちゃん劇場については昨年のエントリーで。 実は前回、ちょっと心残りがあった。それは『マンマ・ミーア!』はじめいくつかの舞台でヘビーに観ていた五十嵐可絵の出演を見逃したことだ。このまま俺の中でのジョンマイラブは終われない、と捲土重来を期していたが、千秋楽を前に五十嵐可絵が三度目

          坊っちゃん劇場『ジョンマイラブ』 絶賛漂流中の日本に希望をもたらす快作