タイムラインをにぎわせているAI「ChatGPT」。最初はやや鼻白む思いで眺めていたが、GPT-4の登場以来、次々と報告されるその流麗な文章や的を射たアイデアに、どうもこれはスゴいらしいぞ、と考えを改めた。そこで有料アカウントを取得して試してみることに。
いろいろと楽しい会話ができたが、その中でも気に入ったやりとりをひとつ公開したい。
ややぶっとんだ小説のプロットを考えさせてみようじゃないか、と自分が入力した質問がコレ。
日本の縄文時代を舞台にしたミステリー小説を書こうと思います。あらすじを考えてください。
その回答がこちら。
すげー読みたい。というか書きたくなるあらすじだ。まさかキャラクターまで考えてくれると思わなかったが、「賢者の弟子で、狩人の女の子」が主人公で、その相棒が「土器職人の男の子」。もうそれだけで優勝だ。空想というか妄想が広がっていく。
なので続けてこんな質問を。
その続編として、瑞穂と蓮が現代にタイムスリップし、殺人事件に巻き込まれる話を書きたいと思います。あらすじを考えてください。
この理不尽な要求に、たちどころに回答をはじきだすAI。
期待通り、いやそれを超える続編の誕生だ。サブキャラとして現代の刑事が出てきた。これを読んで起承転結の4部作にしたくなった。
ならば次は「転」だ。
その番外編として、瑞穂がアイドル歌手に、蓮が漫画家になってそれぞれ大成功する物語を書きたいと思います。あらすじを考えてください。
やべえ。なんかもう武道館のコンサートと神保町のサイン会が目に浮かぶようである。
よし、最終章はどかんと派手に行こうじゃないか。和馬も出してくれ。
この物語の完結編として、瑞穂と蓮が、地球を侵略するハニワ型の宇宙人と戦うSF小説を書こうと思います。刑事の和馬もいい場面で登場します。最終的に、地球を守った二人が縄文時代に戻るという結末にしたいです。あらすじを考えてください。
と、ここでネットワークエラーが生じ、最後の最後が途中になってしまった。ひょっとしたらその後にとんでもないどんでん返しが隠されていたかもしれない。それを聞こうじゃないか。
この物語を映画化することにしました。完結編のエンドロールのあとにstingerを追加し、大どんでん返しを見せて観客をびっくりさせようと思います。どのようなオチにするとよいでしょうか。
思ったより真っ当だったけど、これはこれで感動的だ。それに、さらなる続編を期待させるあたり、ビジネス的な色気も出してきた。おそるべきかな人口知能。
AIに小説を書かせるのも面白いが、こうしてAIにプロットを考えてもらい、それを広げたり肉付けしたりして小説を書いたり、映像を創ったりするのもかなり楽しそうだ。確かにその性能の高さは恐怖を感じさせるレベルだが、人間の創造性を引き出す最強の相棒にもなれるような気がする。