虹をつかむ男 (映画059)
「虹をつかむ男」
「虹をつかむ男」は1996年に公開された山田洋次監督作品です。渥美清さんの旅立ちに伴い男はつらいよシリーズは終了、その代わりが「虹をつかむ男」、西田敏行が主演、吉岡秀隆が共演、しかも、田中邦衛も出演しているので嬉しいような寂しいようなそれらが交わる作品です。西田敏行は車寅次郎をなぞるような役どころでダイレクトにオマージュ、また、男はつらいよシリーズの場面が使用されていて嬉しいですし、画期的でもあります。よくよく考えてみると「男はつらいよ お帰り 寅さん」も同じことをしていて検めて「虹をつかむ男」の重要性を確認しました。吉岡秀隆は就職活動が上手くいかない青年、これもまた、男はつらいよシリーズの諏訪満男と重なり好感触と親近感、同世代で同じことを悩んでいた立場からすると吉岡秀隆の役どころは孤独を和らげます。「男はつらいよ 寅次郎紅の花」でも取り入れていたCGでの寅次郎は涙を誘導、本作はこのCGと過去作の使用が斬新で山田洋次監督の意欲も伝わってきます。本来であればシリーズの49作目、シリーズの常連の役者も出演していました。佐藤蛾次郎も出演していましたが、印象に残っているのは渥美清さんが亡くなられた際のテレビの特別番組での佐藤蛾次郎のコメントです。自ら幕を下ろしたのは渥美清さんらしいとのことでした。
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