人気のないメンバーは負け組なのか?【アイドル、やめました。①】
みなさんの周りにアイドルになった人、
または、アイドルを目指したことがある人はいるだろうか?
ちなみに、ぼくの周りには一人もいない。
世の中には様々な職業があるにもかかわらずだ。
つまり、
アイドルになった人、なりたいと思った人は数少なく、稀有な存在であるといえるだろう。
そんな稀有な存在であるアイドルの人が
どのような経緯でアイドルになり、
どのような経緯でやめていったのか。
そして、
その後の人生はどのようなものなのか。
本書はそれを教えてくれる教科書的なものだ。
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本日紹介する本は、元SDN48の大木亜希子さんが書かれた「アイドル、やめました。」です。
SDN48(エスディーエヌ フォーティーエイト)は、2009年から2012年まで活動していた日本の女性アイドルグループである。
秋元康の完全プロデュースにより2009年に誕生した。
AKB48グループのひとつで、グループ名のSDNはAKB48が公演を行っている東京都千代田区秋葉原(外神田)のAKB48劇場で、原則毎週土曜日の夜に(SaturDay Night)公演を行うことに由来している。
2012年3月31日をもってメンバー全員が卒業し、解散した。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
著者の大木亜紀子さんは”SDN48からライター”として、セカンドキャリアを歩み始めた方です。
大木さんは、自分がアイドルから次のステップにいく際、たくさんの”紆余曲折”があったため、
「アイドルを終えた人のその後の人生はどのようなものなのか」
ということに興味を持ちました。
いかにして一般社会に戻り、
どんなことを考えながらアイドルを辞め、別の職業についたのか。
これを”伝えることが自分の使命”だと感じ、本書を出版したという流れです。
中でもぼくが気になった三人の方を、三回にわたって紹介して行きたいと思います。
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① 元NMB48 河野早紀 ラジオ局社員
河野早紀さんは広島県出身で、パン屋さんを経営する父親と、パート勤めの母親の間に生まれた子どもでした。
小さい頃から「モーニング娘。」が好きで、自分もいつかステージに立ちたいと思い、アイドルを目指しました。
タイミングよく「NMB48」のオーディションがあったため、
それを受けて、合格したという流れです。
このままアイドル生活が順調にいくかと思いきや、
河野さんは「握手会」という壁にぶち当たります。
「握手会」とはファンの方がCDを購入することによって、”好きなメンバーと握手することができる”ものです。
この「握手会」が意味することは、
”人気が数値化されてしまう”ということです。
人気のあるメンバーには何時間待ちとかありますが、人気のないメンバーには人が集まらず、ガラガラとなってしまいます。
河野さんのところには人数にして”20人から30人”しか来なく、とても苦労し、辛い日々を過ごしていました。
そんな時、河野さんを救ってくれたのが、”ラジオ”でした。
ラジオから聞こえてくる声は”寂しさを埋めてくれる”し、こちらからわざわざ語りかける必要もないため、ちょうどいい距離感でした。
そこから「ラジオ番組を作る仕事に就く」という夢を持ち、
「NMB48」を卒業しました。
その後、ラジオ関連の会社である”エフエム大阪”に入社が決まり、
今は、スポンサーへの広告枠を販売する営業の仕事に就いています。
そんな彼女に
「アイドルの経験は生きていますか?」
と聞いてみました。
一つだけ言えるとしたら、握手会の経験は、すごく役に立っています。
レーンに並んでくれる人と話していくうちにその人について知って、どうしたら楽しく会話が弾むか考えています。
営業する際の「この企業はどういうことがしたいのか」という新規プロモートに生かされています。
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アイドルというと”人気のあるメンバーが勝ち組”で、
”人気のないメンバーは負け組”みたいなイメージがあると思います。
しかし、本当にそうだろうか?
アイドルとして苦労し、壁に当たり、もがき悩んでいたことも、今となっては、”何にも代え難い貴重な経験”となっているのではないでしょうか。
#客観的にしか言えていなくてごめんなさい
#きっと想像できないくらい辛いんだろうな
なので、ぼくからしたら、そんな経験をした彼女は”勝ち組”です。
なぜなら、ぼくみたいな一般人には”絶対に味わうことができない”からです。
握手会で人があまり来なかった経験
音楽番組に出演できなかった経験
公演が満席に埋まらなかった経験
ぼくの人生が100回あったとしても経験できないでしょう。
#101回目でアイドルになれるのかな?
#101匹わんちゃんみたいだな!
そんな貴重な経験をした河野さんの人生が今後どのように進んでいくのか、とても興味深いです。
2021年7月20日 けんぼーい
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