2018年映画ランキング
2018年に足下研が観た映画をランキングで発表いたします。
観た映画なので、今年公開じゃないものも含まれます。
※順位は好み。点数は映画自体の出来。
★超良い>☆良い>○まあまあ>△ふーん>×OTZ
(個人的にオススメしたい作品は予告編のリンクを貼りました)
★★★★★★
1.フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 / The Florida Project(92)
2.万引き家族 / Shoplifters(95)
3.スリー・ビルボード / Three Billboards Outside Ebbing, Missouri(93)
★★★★★
4.シェイプ・オブ・ウォーター / The Shape of Water(92)
5.アベンジャーズ インフィニティ・ウォー / Avengers: Infinity War(92)
6.リメンバー・ミー / Coco(91)
7.パディントン2 / Paddington2(90)
8.君の名前で僕を呼んで / Call Me by Your Name(90)
9.タクシー運転手 約束は海を越えて(91)
10.バーフバリ 王の凱旋 / Baahubali 2: The Conclusion(90)
11.クレイジー・リッチ! / Crazy Rich Asians(90)
12.ダンガル きっと、つよくなる / Dangal(91)
13.アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル / I,Tonya(90)
★★★★
14.ワンダー 君は太陽 / Wonder(89)
15.ブリグズビー・ベア / Brigsby Bear(89)
16.ブラックパンサー / Black Panther(88)
17.ウインド・リバー / Wind River(88)
18.ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ / Sicario: Day of the Soldado(88)
19.バトル・オブ・ザ・セクシーズ / Battle of the Sexes(88)
20.デッドプール2 / Deadpool2(88)
21.カメラを止めるな! / ONE CUT OF THE DEAD(87)
22.ファントム・スレッド / Phantom Thread(87)
23.ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 / The Post (86)
24.バーフバリ 伝説誕生 / Baahubali: The Beginning(87)
25.犬ヶ島 / Isle of dogs(87)
26.アナイアレイション -全滅領域- / Annihilation(87)
27.モリーズ・ゲーム / Molly's Game(86)
28.レディ・バード / Lady Bird(86)
29.パディントン / Paddington(86)
30.search/サーチ / Searching(85)
★★★
31.デトロイト / Detroit(85)
32.アントマン&ワスプ / Ant-Man and the Wasp(84)
33.アリー/ スター誕生 / A Star Is Born(83)
34.スウィート17モンスター / The Edge of Seventeen(83)
35.ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル / Jumanji: Welcome to the Jungle(82)
36.シュガー・ラッシュ:オンライン Ralph Breaks the Internet(82)
37.ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー Solo: A Star Wars Story(84)
38.ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 / Darkest Hour(82)
39.レディ・プレイヤー1 / Ready Player One(82)
40.ヴェノム / Venom(79)
41.アンダー・ザ・シルバーレイク / Under the Silver Lake(82)
42.タリーと私の秘密の時間 / Tully(82)
43.ビッグシック ぼくたちの大いなる目ざめ / TheBigSick(82)
44.聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア / The Killing of a Sacred Deer(81)
45.ボヘミアン・ラプソディ / Bohemian Rhapsody(81)
46.ゲティ家の身代金 / All the Money in the World(80)
47.イコライザー2 / The Equalizer 2(80)
48.A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー / A Ghost Story(80)
49.タイニー・ファニチャー / Tiny Furniture(80)
50.The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(80)
51.キングスマン: ゴールデン・サークル / Kingsman: The Golden Circle(80)
52.ナチュラルウーマン / Una mujer fantástica(80)
★★
53.セントラル・インテリジェンス / Central Intelligence(79)
54.寝ても覚めても / ASAKOI&II(79)
55.ワンダーストラック / Wonderstruck(79)
56.15時17分、パリ行き / The 15:17 to Paris(80)
57.ブライト / Bright(79)
58.ぼくの名前はズッキーニ / Ma vie de Courgette(78)
59.オーシャンズ8 / Ocean's Eight(78)
60.ミッション:インポッシブル/フォールアウト / Mission: Impossible – Fallout(77)
61.セラヴィ! / C'est la Vie!(76)
62.THE PROMISE/君への誓い(75)
63.エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方 / Trainwreck(75)
64.30年後の同窓会 / Last Flag Flying(75)
★
65.ジュラシック・ワールド/炎の王国 / Jurassic World: Fallen Kingdom(74)
66.告白小説、その結末 / D'après une histoire vraie(73)
67.メゾン・ド・ヒミコ / House of Himiko(72)
68.パシフィック・リム: アップライジング / Pacific Rim: Uprising(71)
69.ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男 / Dries(70)
☆
70.エリック・クラプトン~12小節の人生~ / Eric Clapton: Life in 12 Bars(65)
○
71.めがね(60)
×
72.After 10 years(55)
---
男優
ジョシュ・ブローリン / Josh Brolin
(アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー / Avengers: Infinity War, デッドプール2 / Deadpool 2, ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ / Sicario: Day of the SoldadoSicario: Day of the Soldado)
昨年はAge of Ultronならぬ、Age of Thanosな年でしたね。 名実共に2018年を代表する作品となったアベンジャーズ/インフィニティ・ウォーのこんなにも大きなお話を、こんなにも味わい深くさせたのは間違い無くJosh Brolin、このひとの力だとおもいます。
並行して、そのThanos役を徹底的にいじられまくるというメタ構造全開だったデッドプール2でのCableという役も、結局このひと以外にこんなバランスで出来たひとがいたのだろうか?とおもうくらいの出来栄え。
そういう意味で最強の存在感を放ったボーダーライン: ソルジャーズ・デイでのあの役回り、あの複雑味。 もしかしたら誰よりも人間らしいのかもしれないと思わせられるベニチオ・デル・トロ演じるアレハンドロとの関係性。
今年もひきつづきアベンジャーズ/エンドゲームでThanosを演じるJosh Brolin、まだまだThanosの年は終わらない。。。
女優
サリー・ホーキンス / Sally Hawkins
(シェイプ・オブ・ウォーター / The Shape of Water, パディントン2 / Paddington 2)
とっても不思議な設定で且つ、実に映画的リアリティでもって複雑な感情に持っていかれるシェイプ・オブ・ウォーター。 このリアリティの担い手というか、お話の説得力を引き出しているのは間違い無くSally Hawkinsであり、そしてそのまわりのひとたちの力だとおもいます。
一方で1にひきつづき、パディントン2ではパディントンの一番の理解者であるブラウンさんを演じるという、本当、いろんな役をそれぞれのリアリティで演じ分けわれる役者さんなんだなぁ、と。
パディントン2ではシェイプ・オブ・ウォーターでの役を作り手たちが意識したような場面が一瞬あって、あれがちょっと後からジワっとくる。。。
脚本
テイラー・シェリダン / Taylor Sheridan
(ウインド・リバー / Wind River, ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ / Sicario: Day of the Soldado)
Taylor Sheridanを知ったのはボーダーラインからでした。 当時、Denis Villeneuve監督作ということで観に行ったのですが、その脚本の秀逸さに驚き、昨年公開された2本は絶対に観にいく、とその時点で決めていたとおもいます。
彼の脚本がすごいのは、予定調和ではない偶発性による(でもコントロールされた)展開と、映画的リアリティのある心情変化とそれによって発生する行動が有機的に絡まり合う複雑味が、登場人物たちのバックグラウンドでフィルターがかると悲しみ、苦しみ、痛みといった負の感情がスパイスとなって、とんでもなくネガティブなのにすごく人間くさいお話にしあがっていくことだとおもっています。
それに舞台設定が掛け算となり、とんでもない極限状態で、尋常じゃない緊張感のなかで発生する駆け引きが、それぞれ個人的な想いを載せて動きだすものだから、もう、お腹いっぱい。 結果的にこの味にハマってしまったらもう次が観たくてしょうがない、という状態に。
ボーダーラインは次作があるようなので、本当にたのしみです。
監督
マーティン・マクドナー / Martin McDonagh
(スリー・ビルボード / Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)
昨年、頭ひとつ抜けていた3作のうちの1本です。 視点の交錯、から生まれる様々な理解(誤解)、から生まれる行動によってそれぞれがなにかおおきな流れのなかに巻き込まれていくような感覚に陥る、最高なストーリーテリングでした。
脚本もご本人がさせていて、更に監督もされることでの、この徹底的に統御されたひとつの作品として、もうそれだけですばらしいのひとこと。 それにFrances McDormand、Woody Harrelson、Sam Rockwellがそれに拍車をかけているものだから、もう2018年を代表する一本といっても過言ではない一作になっているのではないかとおもいます。
作品
フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 / The Florida Project
昨年、最もわたしの心を掴んで離さなかったのは、フロリダ・プロジェクトでした。 お話的にはなにか大きなことが起こるというわけでもなく、いろいろなことがすごいスピードで起こるということでもない。 でもわたしはいまでも予告編を観るだけで鼻の奥がツンとしてしまうほど、この作品に心を奪われてしまったのです。
明るくたのしい前半から、すこしづつゆっくり、しかし確実に状況が変わっていく後半、そして最後に起こる結末。 その語り口のすべてが美しく、そしてだからこそそこに含まれた皮肉に目を向けざる負えなくなる。 こんなことが起こり得つづけていられていいのだろうか?と自問せざる負えなくなる。
こどもの扱い方が上手いのが名作の条件だと言います。 わたしの好きな是枝裕和さんの作品にも(もちろん万引き家族にも)共通して感じることは、この作品からも強く伝わってきました。 ただ上手く、というよりずっと自然な形であったことが、この作品がひとつ頭抜けている所以だとおもいます。
その子たちを近すぎず、遠すぎず、守ってあげたい、けどなにもできないというとても複雑な状態で見守りつづけるWillem Dafoeの役柄。 彼の演技の素晴らしさはもちろんのこと、その姿勢、我々観客にもどうしたらよかったのかと考えさせられざる負えない複雑味を含んだ表情が忘れられません。
絵のなかの光を強調したいとき、影を濃くする必要があります。 この作品の光や色彩は、彼女らの状況と反比例して明るくなっていきます。 そのなかにいるあの子たちは、そのときは確かに楽しく幸せに過ごしていたのかもしれない。 でももちろんそんなアンバランスな状態を保っていられるわけではありません。 最後、ある臨界点を超えた後に彼女らが向かう先。 夢のような世界へと向かう彼女らの想いはどんな状態だったのか。 その後に流れる音楽の、まあ皮肉なこと。
そんな複雑な美しさを纏ったこの作品は、わたしにとって、とても特別な一本になってしまったようです。
まとめ
昨年も本当に豊作の年でした。 とりあえず★以上はひとにオススメできるので、見逃していたらぜひ観ていただきたいです。 そのなかでも上記で触れられなかった作品たちに触れていきたいとおもいます。
まず、今年はフロリダ・プロジェクト、万引き家族、スリー・ビルボードが他のどの作品よりも頭ひとつ抜けておもしろかったです。 上記で触れられなかった万引き家族ですが、もう、本当になにも言えないくらいにすばらしかったです。 なにが家族を家族たらしめるのか?という本質的な問いに、思わず深く考えざる負えませんでした。
昨年はアニメーション映画も素晴らしかった。 特にリメンバー・ミーとパディントン2はもう本当に全員観た方がいい。 わたしはいろんなひとに観て欲しくて、いろんなところでオススメしまくっておりました笑
また、シュガー・ラッシュ:オンライン、レディ・プレイヤー1、ぼくの名前はズッキーニなんかもよかった。
国際色も豊かになった一年でもありました。 韓国からはタクシー運転手 約束は海を越えて、インドからはバーフバリとダンガル、チリからはナチュラルウーマン 。 またアメリア映画ではあるもののアジア人スタッフ&キャストのクレイジー・リッチ!や、黒人キャストのブラックパンサーなど、もうこれまでの白人至上主義なんか全部嘘じゃん、とおもえるほどの大ヒットでしたね。 これによってこれまで語られることのなかったお話たちが、これからは素晴らしい作品となって世に出てきてくれることをねがいます。
また予告編や設定からは予想もつかないほどおもしろかった映画も多くありました。 特に、ワンダー 君は太陽、ブリグズビー・ベア、カメラを止めるな!、ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル、タリーと私の秘密の時間、ビッグシック ぼくたちの大いなる目ざめ、あたりは予告編などから受ける印象とは全然違う作品で(良い方に)、これはうれしい驚きでしたね。 この辺りを見逃していたひとは、ぜひ観ていただきたい。 おもしろいです。 本当に。
あと、個人的には、ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書、モリーズ・ゲーム、search/サーチ、スウィート17モンスター、聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア、ゲティ家の身代金、イコライザー2、なんかもオススメなんだけど、もう書ききれないよ。。。
マッコールさんに叱られるかな。。。
おまけ
音楽
昨年は映画音楽の年でもありました。 映画をすばらしいものにした音楽をここにシェアします。
Alexandre Desalt / アレクサンドル・デスプラ
Kristen Anderson-Lopez / クリステン・アンダーソン=ロペス
Sufjan Stevens / スフィアン・スティーヴンス
Kendrick Lamar / ケンドリック・ラマー
Lady Gaga / レディ・ガガ
Eminem / エミネム
Queen / クイーン
tofubeats
今年の映画もたのしみですな。