中国行ったらぜひ食べたい現地のガチ中華ラーメンVol.1(南方地方編)
中国で中華を食べるのもいいけど、ぜひ試して欲しいのは現地のラーメン、いわゆるガチラーメンです。
中国は土地が広いため、ラーメンもその地域に沿って様々な形に発展をしています。
豪華な中華料理だけでなく、現地のラーメンを食べておきたい方に中華ラーメンの種類を紹介します。
広東省の云吞面(ワンタン麺)
まず紹介したいのが広東省のワンタン麺です。
広東省のワンタン麺は、私が幼い頃から食べて育った味で、何杯食べても飽きが来ない不思議なラーメンです。
スープ、麺、具材という構成で紹介します。
ワンタン麺で使われている竹昇麺(ちくしょうめん)
小麦粉にアヒルの卵と鹹水(かんすい)を混ぜた特有の麺で、卵を加えることで麺が滑らかになり、食べやすい。
4メートルの長さもある太い竹の棒に人が乗って小麦粉に圧力を加える。
この作業を2時間行う。
この作業を行うことで麺の弾力感が上がり、もちもちした食感になります。
ワンタン麺のワンタンは海老が主役
ワンタンはエビ肉の割合が70%、豚肉が30%。エビのプリッとした味わいと豚肉の肉汁を同時に味わえます。
ワンタンの皮は薄く、スルッと食べれます。
ワンタンに黒酢をつけて食べるのが通の食べ方。
スープは魚出汁、豚骨に海老をプラス
ヒラメの干物をじっくり焼いたあと、豚骨、干し海老と一緒に煮込む。
出来上がったスープ淡い小麦色で透き通っていて、中国国内でも比較的濃厚すぎない風味で、私が食べ飽きない理由もこのスープにほのかの甘味が感じられ、何度も口にしたくなるからです。
本場のワンタン麺が食べれるエリア
広東省内にある広州、珠海、深圳などや香港、マカオでも食べれます。
香港と広東省のワンタン麺は微妙に味付けが異なるので食べ比べもありです。
福建省・廈門(アモイ)の沙茶面
沙茶麺の麺はシンプル
麺は濃厚のスープとバラエティ豊かな具材によく溶け込むシンプルな麺で、小麦粉と鹹水(かんすい)を混ぜた鹹水麺。
スルスルと食べれます。
沙茶麺は海鮮の具材がとにかく豊富
福建省廈門は海の面しているため、漁業が盛んです。
具材は海老、イカ、フィッシュボール、ムール貝などの海の幸に、豚肉、豚レバー、豬紅(固形状の豚の血)、揚げ豆腐を入れた豊富な内容です。
さらに、トッピングに牡蠣、うずらの卵、牛肉、青梗菜や場所よってアワビ、ロブスターも追加できます。
もう具材だけでお腹いっぱいになりそうです(笑)。
東南アジアのスパイスが入った沙茶スープ
特徴的な味付けは「沙茶酱」と呼ばれる東南アジア由来のタレです。
実は香港でも「沙爹酱」と呼ばれる似たタレがあって、どちらもマレーシアの言葉であるSatay(サテー)が訛り、中国発音に言い換えられた言葉です。
日本語で言うとサテーソースとなります。
中国の沿岸部にある福建省は昔から華僑が多く、彼らが東南アジアで食べたタレを持ち帰ったことが「沙茶面」の始まりと言われています。
海老やニンニク、胡麻、唐辛子が入った「沙茶酱」に、さらにピーナッツダレも追加し、ヒラメ、貝柱、豚骨でよく煮込んだスープと混ぜ合わせて、独特な色と香ばしいスープが完成されます。
辛味、酸味、海鮮の甘味などいろんな風味が口の中で広がり、福建省でぜひ食べたい一杯です。
本場の沙茶麺が食べれるエリア
味わうなら福建省の廈門がおすすめですが、香港でも沙爹面として食べれます。主に福建省、広東省、香港、マカオエリアで食べれます。
広東省の「腸粉」(チョーフン)
番外編として、広東省の米粉を使った「腸粉」も紹介します。
「腸粉」は厳密には麺ではないのですが、広東省、香港エリアでポピュラーなライスクレープです。
日本ではあんまり食べれないことが残念ですが、個人的には広東人のソウルフードで、このクレープが嫌いという人には会ったことがないほど美味しくてイチ押しの料理です。
中国で「腸粉」と呼ばれている理由は見た目が内臓の腸に似ていてるからだと言われます。見た目と味に大きなギャップがある料理です。
お米が原料
クレープはお米で溶いた米汁を薄く伸ばして蒸したものが一般的で、お米の種類によって食感も変わってきます。
香りは香ばしく、お米のもちもち感も感じられて食べやすい。
蒸し器で作ったものと布で伸ばして作るもので2種類あって、飲茶によく出てくるのは布で作った形が綺麗なクレープです。
街角で売っている大半なクレープは蒸し器で伸ばして作ったもので、形は崩れていますが、飲茶のクレープよりもツルツル食べれて、口の中で溶けてしまいます。マジでうまい。
腸粉の具材
一番ポピュラーなのは海老と黄ニラを巻いたクレープで、飲茶でもよく見かけるので初めて食べる人に特におすすめ。
それ以外は牛肉、チャーシューも人気です。
場所によっては、卵を溶かしてクレープに混ぜたバージョンやホルモン、レバーなどを巻いたクレープや牛肉とレタスを巻いたもあるので、クレープ好きな人はぜひ試して欲しいです。
スープがない代わりにお粥を
腸粉はスープがなく、甘めの中国醤油をかけたものがメインです。
人によっては味が濃いと感じる人もいるので、その際特に一緒に食べて欲しいのが「艇仔粥」です。
これも広東省発祥のお粥で、具材に海老、白身魚、クラゲ、豚肉、ピーナッツ、油条(中国式揚げパン)、パクチー、生姜、青ネギなど7~8種類の食材がたっぷり入ったお粥です。
名前に船が付いているのは昔、広州の川辺で船の上でお粥を販売していたからだそうです。
広州は海が近く、貿易で水路もよく使われていたので自然と人々は川辺や港に集まります。
そんな人々を満腹にできる一杯がこの「艇仔粥」でした。
クレープと一緒に食べる程よく口の中をまろやかにしてくれて、しかも消化にいいので胃にやさしい。
広東人はクレープとお粥の組み合わせをよく朝ごはんに食べています。
本場の腸粉が食べれるエリア
広東省では広州、潮汕が有名で食べるならこのエリア。そのほかに深圳、香港、マカオでも見かけます。
終わりに
今回は南方地方を中心にガチ中華ラーメンを紹介しました。
歴史が長い中国は国内の味だけでなく、華僑によってもたらされる外国のスパイスも取り入れ、伝統の味を守りながらも常に美味しいラーメンを追求する意気込みを感じさせてくれます。
次回は中国西南部である雲南、四川エリアのガチ中華ラーメンを紹介したいと思います。