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キプロスの金貨

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星を巡る二人のの物語。 輪廻のその先で、二人はまた巡り会う。
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約束の地にて〜その1〜

『重ねまして日本航空よりご案内致します』

出発ロビーにアナウンスが響き渡る。
初めての海外旅行でしかも一人旅という事もあり、母は出発寸前まで心配をしていた。

大学生になり学生生活も初めてのバイトもそれなりに慣れてきて時間に余裕が出来た為、父が出張で行ったというキプロス共和国へと旅行をする事にしたのだ。

日本からの直行便は無く、ヨーロッパ経由で乗り継ぎをしながらの旅となる。

『何、大した事は

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キプロスの金貨

目覚めると白いカーテンが揺れている。
静かにそよぐ風に春を感じながら、僕は夢から覚めた。

とても長い夢を見ていた様な気がする...。

星を眺め、月の光に満たされる夢。

自分が居る場所が不意に分からなくなる。

心は懐かしさで満たされているはずなのに、涙が止めどなく溢れてくる。

僕は、3年間付き合った恋人に言われた言葉を思い出す。

『貴方はもっと他のものを見ようとしてる。いつも視線の先に私

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星渡りの夜

桟橋から次々と舟が出て行く。
私はその様子を眺めながら願うのだった。
行き着く先にどうかまた、君が居ますようにと。

月の宴の祝いを終えて、夜空の海は静けさを取り戻していた。
それはそれは静かな夜。

程なくして、瞬く星々が一斉に歌い出す。

さぁ星渡りの夜の始まりだ。
さぁ舟を漕ぎ出せ。
新しい場所に祝福を。
新しいあなたに祝福を。

男はポケットの中から一枚の金貨を取り出した。

キプロスの金

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月の宴

夜空を泳ぎ雲の波を越えて、月の島に辿り着く。
今夜は月の宴を祝う晩だ。

大小さまざまな皿がテーブルに並べられている。
星を浮かべた冷製スープに、三日月を添えたフォアグラのソテー。
カクテルグラスは宇宙を彩っている。

私は銀河を散りばめたスーツを纏い、一人の女性を待っている。

遠くで歓声が聞こえる。

「おぉ、星の子だ」
「なんと美しい」
「彼女の奏でる音は世界一だ!」
「いや、銀河一だね!!

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