ken_gravity
星を巡る二人のの物語。 輪廻のその先で、二人はまた巡り会う。
もっと上手く踊れたはずなのに、どこで躓いてしまったのだろう。
次こそはうんと大切に出来るかな? まるでガラスに触れるかのように繊細に、決して割ってしまわないように。
星の声はもう聞こえない。 星に願いは届かない。 曖昧だった距離感はいつしか深い溝によって分断されてしまった。 目指すべき場所を見失った旅人は、どこに根を下ろして良いのか分からず途方に暮れる。
想像すると苦しくなる。 貴女がパートナーと一緒に歩いている所を想像するだけで胸が引き裂かれそうになる。 貴女の家にパートナーの影を感じる度に、胸が締め付けられる。
この寂しさが、この悲しみが、切なさが貴女に分かるでしょうか。 この愛しさすらも、胸を刺す刃となるのです。
僕達は身体の代わりに言葉を重ね合う。 他人からしてみれば幼稚な事のようでも、僕達にとってはそれが精一杯の恋なんだ。 そうやって言葉の中に温もりを探し合っては温め合う。
貴女はまるで悪魔だ。 いつだって、ありもしない「いつか」を期待させては、私の心を掻き乱す。 それでも、夢を見ずにはいられない。 もし貴女が悪魔なら、僕は喜んで魂を捧げよう。
消化不良を起こした想いが沢山あるのです。 それを上手くオブラートに包みながら、言の葉に示していくのです。
『重ねまして日本航空よりご案内致します』 出発ロビーにアナウンスが響き渡る。 初めての海外旅行でしかも一人旅という事もあり、母は出発寸前まで心配をしていた。 大学生になり学生生活も初めてのバイトもそれなりに慣れてきて時間に余裕が出来た為、父が出張で行ったというキプロス共和国へと旅行をする事にしたのだ。 日本からの直行便は無く、ヨーロッパ経由で乗り継ぎをしながらの旅となる。 『何、大した事はないさ。人生に冒険はつきものだ』と父は笑っていたが、一度も日本から出たことの無い
僕はSNSで知り合った女性と恋に落ちた。 最初は僕の片想いだと思っていた。 そもそも彼女は海外在住だったので、半ば諦めるつもりで片想いを始めようと思っていた。 しかし最初に扉を叩いたのは、驚くべき事に彼女の方だった。 「メッセージを送るくらいならば」 彼女はそう思いながら、僕にダイレクトメールを送ってくれたのだ。 それから暫くして、僕も彼女にメッセージを送ってみようと決心をした。 「何か悩んでいるみたいだけど、大丈夫?」 最初のメッセージは確かそんな感じだった。 返信
結局一番にはなれないのです。 私がしているのは、そういう恋。
互いが互いの夢を見る。 会いたいという気持ちが、身体を飛び出してお互いの住む街まで飛んでいく。 例え5,535マイルも離れていようとも。 側にいる事を感じ合える。
まるで初めて恋を知った少年の様。 目に映るもの全てが輝いて、溜息の中に微かな温もりを感じる。 脈打つ鼓動は、まるで噴き出す寸前の溶岩の様に熱せられている。
星と星を線で結びながら、人は夜空に神話を紡ぐ。
僕たちは誰も知らない場所で恋をする。
貴女に触れたい。 貴女の隣を歩きたい。 貴女の声が聞きたい。 貴女の笑顔に会いたい。 願いは宙を舞う。 貴女の為なら命すら惜しくない。 貴女が罪を背負うと言うのなら、僕も同じ罪を背負おう。 同じ罪を背負い同じ罰を受け、最期の時まで想い合う心があったのなら、きっとまた巡り会える。