見出し画像

【分析してみた】”良い”教育に必要なコトとは? part3


分析してみた


”良い”教育に必要なコトとは何か?をまたまたデータの観点から分析してみましたのでシェアしてみます。

どの立場からモノ言ってんの?というのを示すのは大切な気がするので自己紹介すると、、、日々仕事ではBtoBマーケティングに携わっていて、データ分析のチカラを使っています。日本にある何十万以上の企業の情報を分析して自社商材に興味を持っているお客様を探したり、webサイトやメルマガを分析してお客様に役立つコンテンツを作ったりしています。

ゴリゴリの文系出身なので分析が好きなわけじゃないんですが、事実を正しく知ることは目的地に最短で到達するために必要なコトの1つなんだろうなという想いのもと、渋々長年向き合っています。

プライベートでは子供が通う幼稚園で役員をやっていたり、小中高でスポット的に授業やそのサポート(金融経済教育、ITサポーターなどなど)をやっていたり、教育の現場になるべく足を運ぶようにしています。事実を知るには自分の目で見て肌で感じるのが重要という想いのもと、現場感を大切にしています。

子供が産まれたときは1ヶ月ですが育休を取って妻の実家にお世話になり育児修行をするなど、それなりに教育に興味を持って行動している人間だと思っています。

そんなデータ分析+教育現場の感覚を交えて”良い”教育に必要なコトって何だろうという課題に向き合ってみたのでシェアしてみます。

結論=母親の"働く"にも向き合っていると教育施策の成果を得やすい


まずは結論をシンプルに言うと・・・

問い ▶ ”良い”教育に必要なコトとは?
答え ▶ 子供の教育だけでなく、母親の"働く"に関する施策も実施している自治体である

です。あくまでデータ分析による結論であり、また後述しますが良し悪しの基準は自治体担当者の主観です。


”良し悪し”とはそもそも個人の価値観に基づくものであり、かつ他との相対的な比較です。なので主語を「自分の家族や子供にとって」としたときと、客観的・俯瞰的なものとしたときとは必ずしも合致しません。合致しないそのギャップこそ意志であり個性・多様性とも言えます。

なので”良し悪し”を決めつけるものでは無いですが、あくまで1つのデータから見えた傾向として分析結果をシェアします。

データ分析結果によると、ベビーシッターや家事費用の助成など働く母親の育児に関する特別な助成を行っている自治体ほど教育施策の成果が得やすいという結論になります。

 横軸:働く母親の育児に関する特別な助成している自治体の割合
 縦軸:自治体担当者が教育の成果を実感しているか

緑の点1つ1つはある基準でひとくくりにした数十の自治体のカタマリを示しています。

例えば一番右の緑点の横軸は、そのカタマリの中で働く母親の育児に関する特別な助成をしている自治体は約30%ということを示しています。

縦軸はその自治体のカタマリがどれだけ教育施策の成果を感じているか自己評価の大きさを示しています。

理由=子供向けだけでなく母親まで地域として支える視野の広さが必要?


自治体の子育て支援策は、結婚・出産・乳幼児・小学生・全時期に関わるもの・・・様々なカテゴリに分けられます。

”子供への良い教育”という言葉から対象者は子供が主と捉えがちですが、親、特に出産に伴って仕事との向き合い方を変えざるを得ない母親に対する施策も大きな相関があります。

例えば働く母親の育児に関する特別な助成だけでなく、母親の再就職のための支援事業を行っている自治体も教育の成果を実感している傾向があります。

子供向けだけでなく母親まで地域として支えようという広い視野を持って実行に移している自治体ほど、結果として子供の教育で成果を感じやすいといえるのかもしれません。

一方で子供が産まれる前に対する施策については、子育ての成果と関係性が内容にデータからは見えます。以下の軸で関係性をグラフにすると↓のようになります。

 横軸:妊娠・出産に関する特別な助成(出産祝い金、不妊治療への助成など)をしている自治体の割合
 縦軸:自治体担当者が教育の成果を実感しているか

妊娠・出産に関する特別な助成と子育てで成果を感じるかは全く関係が無いと言えます。2つの関係性を示す統計的な数値、相関係数は-0.40。ほとんど関係性が無いと統計的にいえる水準です。

妊娠出産に関わることと子供の教育に関わることでは、自治体の施策の観点では大きく性質が違うことが推測できます。人口増加に課題があって子供人口増加に力を入れているのか、子育てや子供の教育に力を入れているのか、その自治体がどこに力を注いでいるか注意してみる必要があると言えます。

分析に使っているのは「ベネッセ教育総合研究所」のデータ


今回の分析に使っているデータはベネッセ教育総合研究所の「明日の子育て・教育を考える」です。日本を代表する教育関連企業であるベネッセコーポレーションが運営する研究所の調査なので、一定の信頼性があるデータだと考えられます。

「明日の子育て・教育を考える」調査2023~全国の市区町村長を対象に~
調査の目的
地域の子育て・教育に関する施策や、首長の方々の想い・願いなどを調査し、今と未来を生きる子どもたちのよりよい成長のあり方とその環境づくりを考える基礎資料とする
■調査概要
・調査テーマ:全国の地方自治体における子育て・教育の実態と首長の意識
・調査対象:全国の自治体455
・調査時期:2023年3月

出典:ベネッセ教育総合研究所「明日の子育て・教育を考える」調査2023

このデータの注意点は、あくまで自治体担当者向けのアンケートである点です。以下のような点に留意が必要です。

  • 自治体担当者向けである ➡ 親や生徒の意見はデータに直接的に反映されていない

  • アンケートである ➡ 客観的・定量的なものではなく、主観的・定性的な回答を数値化したものである

  • 特定のタイミング(2023年)の瞬間的な情報である ➡ 長期的な成果や影響がどこまで含まれているか不明

教育の良し悪しを測るために使えそうな客観的かつ定量的なデータを日本のさまざまなwebサイトを巡って探してみましたが、論理的な分析に使えそうなものはありませんでした。

例えば総務省 統計局に教育関連のデータはありますが、中身は都道府県別の学校・教師の数などであり教育の結果どんな成果や影響が産まれたかを推測できるようなデータは見当たりませんでした。

こんなデータがあるから分析してみたら教育に関する理解が深まるかも!?というものがあればコメントもらえると嬉しいです。分析して深掘ってみるかもしれません。

まとめ

”良い”教育に必要なコトとは何か、マーケティングで得たノウハウをもとに分析してみました。
マーケティングや事業経営など仕事はもちろん、人生においても事実を正しく知り、それをもとに適切な行動の量を増やし、未来を自分の手で変えることは大切です。
自分なりの子供の教育との向き合い方を発信してみましたが、どこかの誰かにとっても役立つ情報であれば嬉しいです。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?