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【MBTI】怒りの構造化③ Ne / Ni編

2025/02/11 事例を追加


(16Personalitiesは実際のMBTIの定義とは異なるという見解があるが、本記事では便宜上MBTIと呼称する。)

この記事では、目的論的アプローチを用いて、心理機能ごとの怒りの背後にある目的を明らかにし、その構造の整理を試みる。
どうすれば怒りを回避できるか、相手との今後の関係性をどうしたいか等、客観的に判断できるようになることが目的である。
心理機能に優劣をつける事が目的ではないため、ご留意頂きたい。

①より

前回の続き。


今回はNe(外向的直感)、Ni(内向的直感)の怒りがテーマである。


Ne(外向的直感)の怒り

怒りの目的

将来的なリスクのコントロール


Ne主機能(ENFP、ENTP)
Ne補助機能(INFP、INTP)

Neユーザーは、新しい可能性の探求に価値を求める事が多い。
彼らは状況の変化に対する適応力を持つが、一方で他者によって選択肢が一方的に決められたり一貫性のないルールの押し付けによって意思決定権を奪われ、「自分がコントロールできないリスク」が存在する事に対して強いストレスや怒りを感じることがある。
その目的は、「リスクをコントロール下に置く」事にあると考える。

知人(ENFP)が職場でミスを犯し、チームの意思決定の会議から外されてしまった。
彼はチームの決定に盲目的に従う事に不満を抱いており、理由はチームの判断が慣例的で現実を見ていない事にあった。

事例9

彼らとの関係を重視する場合、自由を奪うような関係を作らないことが重要である。
また、彼らが危険な行動をとる場合は、十分な説明をする事で、最適な選択をする手助けができるだろう。


Ne劣勢(ISTJ、ISFJ)

自分の組織中における立場が脅かされる等、予測がつかない様な状況に置かれる事で、ISTJ、ISFJはNeグリップ状態となり、陰謀論的に他者の視線や会話等、周囲のすべての物が自分に対する攻撃であるかの様に感じる事がある。
その過程で怒りを覚えたり、感情的に物事を操作しようとするだろう。
その目的は「潜在的なリスクへの対抗」であると考える。

知人の上司(ISXJ)は長らく勤めていたポストを経営上の都合で辞めさせられてしまった。
彼は自分のポジションに誇りを持っていた。
しかし、今回の人事を受けてから、チームの人間から軽蔑の眼差しを向けられていると周囲に愚痴を漏らしていた。

事例10

彼らとの関係を重視する場合、「実際に起こっていること」や「これから出来ること」に焦点を当てて会話する事が重要である。
会話を通して意識を現実に戻し、不安を和らげることで想像上の恐怖から抜け出し自信を取り戻す事に繋がるだろう。



Ni(内向的直感)の怒り

怒りの目的

理想を実現するための手段


Ni主機能(INTJ、INFJ)
Ni補助機能(ENTJ、ENFJ)

Niユーザーは内的にビジョン(自分が目指すべき方向性)を設定している事が多い。
そして、彼らはしばしば選択的に怒りを用いる。その目的は、「理想を実現するための手段」であると考える。
怒りの用途は人によって異なり、主機能な補助機能に起因する場合や、個人のこだわりに基づく可能性がある。
そして、Niユーザーによっては無意識の内に
原因論的な怒り(〜によって自分は怒った)
ではなく、
目的論的な怒り(〜を達成する為に怒った)
を抱く事も多いと考える。

筆者(INTJ)は他者を搾取する人間に対して強い忌避感があり、そのような人とは意識的に距離を置くようにしている。
言動そのものではなく、相手の背後にある害意が気になってしまう。

事例11

Niユーザーは、自身のビジョンに共感できる相手とそうでない相手で対応が分かれる事が多い。
逆説的に、今、彼らと良好な関係を築けているという事は、自分は彼らのビジョンにおいて大切な存在であるという事だろう。


Ni劣勢(ESTP、ESFP)

SeユーザーであるESTP、ESFPは、身体能力や行動力といったハイコンテクストな力関係(優位・劣位)の指標を持つことが多い。
しかし、自分の実力が上手く発揮できない状況で優位性の追求を諦めてしまうことがある。
その場合、現実から目を背けるためにNiグリップに陥り、極端な思考に囚われ、未来を悲観的に予測しやすくなる。
その結果、周囲に対して不信感を抱いたり、攻撃的な言動に出ることもがる。
場合によっては、無関係の他者に対して怒りや暴力で競争原理を持ち込み、自分が上だと誇示する場合もあるだろう。
この目的は、「自分を理想化し、強い人間であると自己暗示」することだと考える。

知人の同級生(ESXP)は部活の大会で敗退し、それ以降周囲に対して高圧的に接するようになった。
彼はその後道を踏み外し、逮捕されてしまった。

事例12

彼らとの関係を重視する場合、他者との比較ではなく、彼らの本質的な魅力に焦点を当てて会話することが重要である。
競争に依存せずとも自己価値を認識できる様になる事が自信を取り戻す事に繋がる。

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