【東洋哲学】老荘もいいが、陰陽五行も面白い
吉野裕子著「陰陽五行と日本の文化―宇宙の法則で秘められた謎を解く」を読んだ。これがめちゃくちゃ面白かった。
Amazonでは中古で7000円越えの価格...。ブックオフで1500円くらいで購入できたのは奇跡だったのか。
日本の文化や芸能が、陰陽五行学説や易学にどのような影響を受けてきたのかを考察する一冊。
特に、国宝「瓢鮎図」に関する部分に衝撃を受けた。
(画像出典:ウィキペディア)
描かれている人物、その人物が持っている瓢箪、人物の立つ地面、池にいる鯰、しなって描かれた竹、それらが意味するものを、当時の政治的背景、陰陽学説や易の八卦を絡めて考察されている。
アートの見方として、ひたすら目から鱗だった。
実は、以前は鍼灸マッサージ師の仕事をしていた。専門学校で東洋医学の授業があったため、陰陽やら五行やらの話はすんなりと理解できた。
この本を読んで、東洋哲学への興味が再燃した。
あらゆる物事を陰陽の2属性に分類したり、木火土金水の5属性に振り分けたり、数字に呪術的な意味があると考えたり、現代では「オカルト」「迷信」だと一蹴される部分が多くあるのは事実。
しかし、ものの見方の一つというか、それを見出した「視点」や「精神」を知ることで得るもの、学べることは大きいと、今回改めて思った。
以前、岡倉天心の「茶の本」を読んで、道教にも興味を引かれていた。
東洋哲学の沼が、ここにある。