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けもの道 04[2018春]

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狩猟専門誌『けもの道』の2018春号の有料記事をまとめてお得に読めるマガジンです。特集テーマは「猟犬と歩く。その先にある光景」。伝統の宮古の熊ぶち、かわいいのに頼れるミニチュアダ…
『けもの道 2018春』の有料記事を6本以上お読みになりたい場合は本マガジンをご購入いただくとお得…
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記事一覧

【密着取材】ツキノワグマ穴撃ち猟 〜 熊犬と追う宮古の熊ぶち

取材・文・写真|佐茂規彦 宮古の熊ぶち年の瀬迫る平成29年12月末。犬を使ってツキノワグマを獲っていると聞き、やって来たのは岩手県宮古市。本州最東端の町で今も続くツキノワグマの穴撃ち猟に同行した。 そこで見たものは熊猟に懸ける「熊犬」と「熊ぶち」たちとの素晴らしき共存関係だった。 食べるために獲る取材初日は、大阪から宮古への移動で丸1日を費やした。その晩は早速、西村昭二さんの自宅敷地内にあるマタギ小屋での「前夜祭」に呼んでいただき、話を伺った。 西村さんは岩手県猟友

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【密着取材】猪咬み止め谷落とし 〜 猪犬と歩く猪単独猟

山梨県は富士山を臨む山中湖。その湖畔に暮らす猪猟師、羽田健志さんの猪狩り、猪犬を連れた猪単独猟に同行した。近年、各地の狩猟イベントで講演を務める羽田さんの、会場では語られることのない実猟の姿を追った。 取材・文・写真佐茂規彦 犬で猪と勝負する羽田さんは主に本川系四国犬(以下「本川犬」)を好んで使い、それをベースに繁殖させている。本川犬とは、四国犬の一系統であり高知県|本川村を発祥とする。 「本川の犬は訓練所でも山でも同じ動きで、(猟)芸は安定してる。鳴きも咬みもあるし

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【密着取材】実は頼れる小さな狩猟犬! ミニチュアダックスのコジュケイ・ヤマドリ猟

取材・文|佐茂規彦 ミニチュアダックスは猟犬です。「猟犬」と聞くと、体が大きく力強いイメージが先行し、猟犬を使った狩猟に憧れはあるものの「飼育スペースもないし、大きな犬を飼うのは無理」と諦めてしまっている狩猟者は多いだろう。 確かに鹿や猪などの大物猟には紀州犬や四国犬、プロットハウンドなどの中型以上の犬が使われることが多い。 鳥猟にしても、セッターやポインターなども比較的、体の大きな犬種であり、飼育する上でかなりの運動量の確保と、狩猟で使うには専門的な訓練が必要だ。

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写真を撮るより難しい? 課題山積みの初めてエア猟記

写真・文|安藤“アン”誠起 カメラを覗く感じでスコープを覗いてはならないいきなり出遅れてしまった。 当初は11月15日の狩猟解禁日に狩りデビューするつもりだった。 すでに狩猟免許取得と初心者講習は合格していたこともあり、あと2ヶ月半もあれば銃が所持できるだろうと油断したのがマズかった。 8月下旬から各種申請を始めたのだが、思った以上にやり取りに時間がかかってしまい、猟期開始から10日ほど遅れて、もろもろの準備が揃った次第。 銃は甲府にある銃砲店『ヒーローズインク』

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銃砲店に教えてもらう “カモ猟” の安全ポイント 〜 新米ハンターが初猟果をあげるまで

銃砲店主催のカモ猟に参加してきたカモ猟は奥山よりも野池を回ったりして獲物を探すので、本格的なオフロードタイプの猟用車は必ずしも必要ではなく、大物猟と比較して装備も軽装で済む。所持許可取得後、猟期までに一生懸命に練習したクレー射撃の技術も応用が効く。 そんな理由から、新米ハンターが始める狩猟としてカモ猟はうってつけだ。 しかし、野外の猟場で銃を撃つには、まずは確かな経験者からの指南を受けた方が良いことは言うまでもない。 2017年度の初猟日。兵庫県にある銃砲店「都商事」

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銃砲店主直伝! 猟場でカモを解体する方法(おいしく食べるまで)

獲りたてのカモを猟場で食べる都銃砲・橋本勝弘さんの手ほどきでカモ猟で初猟果をあげた「けもの道新米ハンター」一行。続いては再び橋本さんより、カモの簡単な解体方法を紹介いただいた。 ナイフ1本とまな板代わりになるものがあれば猟場でもできるので、獲ってすぐに食べてみたいときなどに参考にしてほしい。 解体したのは新米ハンターの2人が獲ったカルガモ2羽。射獲直後に肛門から腸抜きは済ませてある状態からスタートした。 文・写真|佐茂規彦 写真で見る “猟場でできるカモの解体方法”

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鳥猟犬に情熱を持ったトライアルマン 〜 英セターに会いに行く

文|八木進 写真|佐茂規彦 取材日|平成29年12月24日 日本のフィールド・トライアルと鳥猟界の盛衰日本における鳥猟犬のフィールド・トライアルは、昭和8(1933)年に開催された「第一回全日本猟野競技会」が本格的なスタートとされ、その機運を受け翌昭和9年に「全日本狩猟倶楽部」(以下「全猟」)が発足した。 トライアルは、平成29(2017)年度で第76回を数え、チャンピオン戦としても第60回を迎えており、現在では西富士で開催される全猟「全日本チャンピオン戦」に優勝するこ

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【猪犬閑話】猪犬の「咬み」を考える

「咬み」の強さの追求による混血私が狩猟を始めた40数年前は、猪が今ほど多くなく猟場は大山が中心であり、猪猟といえば単独猟か多くても3名程度で行うものであった。 猪犬の条件としては、広いレンジを高スピードで狩り、見つけた猪は逃がさない強い「咬み」が必要であった。 幸いにも先代から受け継いだ「紀州系猪犬」がそれなりの猟技を持っていたこともあり、私の猪猟は一応「咬み止め」に近いものであったが、世間では日本犬より強い咬み止め犬を求める風潮が強く、アルゼンチンから来た「ドーゴ」(

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ハンターのためのヤマビル対策講座

気付けば知らないうちに足から血が! マダニに並ぶハンターの天敵、ヤマビル。 春から秋にかけては、非猟期中の有害鳥獣駆除のほか、ハイキングやBBQなどの行楽イベントも目白押しだが、その時期はヤマビルの活動期にも当たっている。 正しい知識を持って、ヤマビルの吸血からハンターの大事なお肌を守ろう! 文一般財団法人環境文化創造研究所 ヤマビル研究会 谷重和 全国的なヤマビル吸血被害地域の拡大この十数年間で全国的にヤマビルの生息域が拡大している。 北は秋田から、南は宮崎・鹿

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[第4話]職業? 猟師です。 - 原案・ちえぞう|協力・吉井あゆみ|作画・里見紀

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鳥獣害対策という仕事 〜 その持続可能性と展望

獣害対策で期待される民間企業の参入鳥獣害問題の深刻化に伴い、この分野に新たに参入する民間企業や起業が増えている。 最近では求人数も増え、私が加入しているMLへは一昔前には考えられなかったくらいの頻度で求人投稿がある。 ただ、仕事内容の多くは「捕獲」にかかわるものが多い。これは当然のことではあるが、「需要」が増加したからだ。 国は、ニホンジカとイノシシの生息数を10年後(平成35年度)までに半減することを当面の捕獲目標とし、平成26年の鳥獣法改正により、都道府県等による

ヤクシカ、屋久島から全国へ 〜 ジビエ・加工品としての利活用現場レポート

写真・文|安藤“アン”誠起 世界自然遺産の島でも起きていたシカの食害九州本土の最南端から南へ約60kmの海上に浮かぶ屋久島は、花崗岩が隆起してできた円形状の島だ。周囲132km、島面積504.89㎢のこの島は、樹齢7200年説もある巨木・縄文杉をはじめ、島内の大部分が深い原生林で覆われている。その類を見ない豊かで多様性のある自然環境が評価され、1993年には世界自然遺産に登録された。 昔から屋久島では「サル二万、シカ二万、ヒト二万」と言われるほど、鹿が多いので有名だ。現

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ニホンジカ、肉と皮まで使い切る 〜 メリケンヘッドクォーターズが目指す社会貢献と事業の両立

洋服屋ができる社会貢献2000年、メリケンヘッドクォーターズ(以下「メリケン社」)は神戸にオープンしたメンズアパレルショップの「Howdy Doody(ハウディードゥーディー)」から始まった。 店では港町らしく釣り人や船乗りをイメージしたオリジナル商品やセレクト品を販売。そして地元客と接する中で兵庫県で発生しているニホンジカによる農林業被害や、捕獲された個体が大量に廃棄されていることを知るようになる。 「廃棄されるニホンジカの皮を事業として活用する。それが獣害問題に対し

モーラナイフ(MORAKNIV) 〜 進化する北欧の伝統。その特徴と実用性

スウェーデン中部ダーラナ地方に位置する森と湖の美しいモーラ市。そしてスウェーデンを代表する生活刃物(生活全般、林業から工芸、狩猟など一般的なものから専門的なものまで)を製造する世界的なメーカー、それがモーラナイフ(MORAKNIV)だ。 この数年日本でも人気を博し、正規代理店の登場で安定的に供給されるようになり、年々ユーザーが増えている。ハンター、アウトドアーズマンはもちろん、キャンプ初心者を含め、子供から大人までの幅広い層に支持されており、旧来のナイフファンではないユー

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