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猟犬と猟師のはなし 〜 第2集

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猟犬・猪犬や猟師の世界に興味がある方におすすめ! 狩猟専門誌『けもの道』2018春・秋の2号に掲載された、猟犬・猟師にまつわるコラムや狩猟、競技会レポートなど計19本(+狩猟マン…
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#猟犬

【密着取材】猪咬み止め谷落とし 〜 猪犬と歩く猪単独猟

山梨県は富士山を臨む山中湖。その湖畔に暮らす猪猟師、羽田健志さんの猪狩り、猪犬を連れた猪単独猟に同行した。近年、各地の狩猟イベントで講演を務める羽田さんの、会場では語られることのない実猟の姿を追った。 取材・文・写真佐茂規彦 犬で猪と勝負する羽田さんは主に本川系四国犬(以下「本川犬」)を好んで使い、それをベースに繁殖させている。本川犬とは、四国犬の一系統であり高知県|本川村を発祥とする。 「本川の犬は訓練所でも山でも同じ動きで、(猟)芸は安定してる。鳴きも咬みもあるし

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【密着取材】ツキノワグマ穴撃ち猟 〜 熊犬と追う宮古の熊ぶち

取材・文・写真|佐茂規彦 宮古の熊ぶち年の瀬迫る平成29年12月末。犬を使ってツキノワグマを獲っていると聞き、やって来たのは岩手県宮古市。本州最東端の町で今も続くツキノワグマの穴撃ち猟に同行した。 そこで見たものは熊猟に懸ける「熊犬」と「熊ぶち」たちとの素晴らしき共存関係だった。 食べるために獲る取材初日は、大阪から宮古への移動で丸1日を費やした。その晩は早速、西村昭二さんの自宅敷地内にあるマタギ小屋での「前夜祭」に呼んでいただき、話を伺った。 西村さんは岩手県猟友

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【密着取材】実は頼れる小さな狩猟犬! ミニチュアダックスのコジュケイ・ヤマドリ猟

取材・文|佐茂規彦 ミニチュアダックスは猟犬です。「猟犬」と聞くと、体が大きく力強いイメージが先行し、猟犬を使った狩猟に憧れはあるものの「飼育スペースもないし、大きな犬を飼うのは無理」と諦めてしまっている狩猟者は多いだろう。 確かに鹿や猪などの大物猟には紀州犬や四国犬、プロットハウンドなどの中型以上の犬が使われることが多い。 鳥猟にしても、セッターやポインターなども比較的、体の大きな犬種であり、飼育する上でかなりの運動量の確保と、狩猟で使うには専門的な訓練が必要だ。

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鳥猟犬に情熱を持ったトライアルマン 〜 英セターに会いに行く

文|八木進 写真|佐茂規彦 取材日|平成29年12月24日 日本のフィールド・トライアルと鳥猟界の盛衰日本における鳥猟犬のフィールド・トライアルは、昭和8(1933)年に開催された「第一回全日本猟野競技会」が本格的なスタートとされ、その機運を受け翌昭和9年に「全日本狩猟倶楽部」(以下「全猟」)が発足した。 トライアルは、平成29(2017)年度で第76回を数え、チャンピオン戦としても第60回を迎えており、現在では西富士で開催される全猟「全日本チャンピオン戦」に優勝するこ

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幻の屋久島犬が魅せる残すべき姿芸

文|佐藤未歩 写真|いなたまきこ 屋久島のヤクシカ猟朝から雨だ。 猟期終了間際の3月4日、屋久島の南部、世界遺産登録地域を横目に山へ入る。勢子の屋久島犬保存会会長、若松さんが犬を入れ、しばらくすると甲高い声が響く。剣(雄4歳)と妹のビビ、甥っ子のバルが鹿の匂いをとり、追い出した。 犬の声が近づく。待ちの江口さんにとっては狩り慣れた山で、鹿が逃げてくるルートを全て予測していた。 犬の声が止まった。どうやら鹿は畑の網の破れたところから逃げたようだと、江口さんが迎えにきて

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猪猟における止め場の対処 〜 鳴き止め編

はじめに犬を引いて山に入り始めたころ、大雨の直後には普段見ることができない滝や流れが出現することがあるので、犬たちを連れ目的の山々へ分け入ったものです。 あるとき、上流から濁流とともに子猪が流されて来たことがありました。その光景を目の当たりにしたとき、山を根城とし我々人間より山の生活に適応しているはずの猪でさえもこのような目に遭うことがあるのかと、自然に対しあらためて畏怖や畏敬の念を抱いたことは、その光景とともに今でもはっきりと記憶しています。 今年も様々な自然災害が発

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【当世猪犬見聞録】日保登録四国犬で猪を獲る猟人

文・写真八木進 取材日|平成30年7月19日 猪犬がルーツとなった四国犬犬の起源は1.5万年前から3万年前ごろに狼から進化したという説が有力であった。最新の研究では年代は特定されていないが、「かなり以前」に狼から「野生犬」の祖先が発生、その中から人に馴れやすい個体が飼い犬となったという説も注目されている。 狼説も野生犬説も発生地は「東アジア」が定説になっており、ミトコンドリアDNA解析からさらに最新のマイクロサテライト解析でも東アジアの現生犬が犬のルーツに近い種とされ、

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優れた猟犬の血を次世代につなぐ 猟能研究会の重要性と意義

文網地貫 写真提供|中島猪犬訓練所 日本犬保存会とは平成30年5月27日、三重県にある中島猪犬訓練所にて公益社団法人日本犬保存会(以下、日保)主催の猟能研究会が催された。 日保とは、明治から大正にかけて大量に輸入された洋犬種との交雑によって絶滅の危機に瀕した日本犬の純血を守るべく、昭和3年に発足された日本最古の畜犬団体である。 以降約90年間の地道な努力が実を結び、今では不動の人気を誇る柴犬を始めとして、大型の秋田犬、中型の北海道犬、紀州犬、甲斐犬、四国犬の計6犬種が

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【猪犬閑話】姿芸両全を考える

文・写真八木進 猟師が追求する姿芸両全とは|猪犬を使っての猪猟師にとって「姿芸両全」は魅力ある言葉である。日本犬の愛好家にとっては特に「姿」に固執する猟人が多く、「姿芸両全」は究極の目標とも言える。 日本犬を例にとると「姿」が良い犬とは一般的には日本犬保存会(以下、日保)の日本犬標準が基になっているようである。日本各地の地犬を日本土着の「日本犬」として保存が開始されたころ、当然として体型の基準が必要となり、当時の状況を詳細に調査した理想の体型を標準とし、昔も今も不変とな

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【猪犬閑話】猪犬の「咬み」を考える

「咬み」の強さの追求による混血私が狩猟を始めた40数年前は、猪が今ほど多くなく猟場は大山が中心であり、猪猟といえば単独猟か多くても3名程度で行うものであった。 猪犬の条件としては、広いレンジを高スピードで狩り、見つけた猪は逃がさない強い「咬み」が必要であった。 幸いにも先代から受け継いだ「紀州系猪犬」がそれなりの猟技を持っていたこともあり、私の猪猟は一応「咬み止め」に近いものであったが、世間では日本犬より強い咬み止め犬を求める風潮が強く、アルゼンチンから来た「ドーゴ」(

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全国から猪犬猟師が集まる「熊野山本猪犬訓練所」の1日に密着してきた|2018年

全国から猪犬猟師たちが集まった平成30年度が始まって間もない4月15日、和歌山県・熊野山本猪犬訓練所には地元関西からだけでなく遠く北関東からも猪犬猟師たちが集まった。 春の恒例、猪犬猟師たちにとってはいわば新年度の風物詩のようなもの。「けもの道」の取材でも毎年のようにお世話になっていて、各地の猟師と顔を合わせるのが楽しみでもあり、1年ぶりに会って元気な姿を見るとこちらが安心する参加者もいる(高齢化が進む猟師の世界では冗談抜きのけっこう真面目な話だったりする)。 この訓練

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深いブッシュに若犬も恐怖!? 中島猪犬訓練所所長に “初心者限定” 訓練会の狙いを聞いた

文・写真|網地貫 3条件を掲げた訓練会平成30年4月22日、数日前までの涼しさから一転、初夏を思わせる強い日差しが照りつける中、三重県・中島猪犬訓練所で訓練会が催された。 中島猪犬訓練所で公的な競技会や訓練会の開催は多くはない。依頼があれば場所の提供はするが、主催することはない。もちろん方針に口出しすることもなかった。 ところが今回の訓練会は珍しく中島猪犬訓練所代表の中島毅所長の意向で3つの条件がつけられた。 初心者であること 少数制・参加犬数10頭未満 単犬単

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【狩猟界の職人を訪ねる】加納金属製作所 〜 ドッグケージを作り続けて半世紀

狩猟界の縁の下の力持ち「加納金属ドッグケージ」狩猟の世界は狩猟者だけで成り立ってはいない。ガンスミス、ナイフ職人など、狩猟の道具を作り続ける職人たちがいるからこそ、私たちは狩猟を楽しむことができる。 そして狩猟の世界、特に猟犬を持つ狩猟者にとって、無くてはならない道具にドッグケージがある。 猟犬、猟師、そして狩猟の現場のことを考え抜き機能的に、かつ美しく作られたドッグケージはもはや職人技の品と言えるのではないだろうか。 「加納金属製作所」は、半世紀に渡る親子の技術とア

危険すぎるイノシシの牙! 猪犬を守るための防牙ベストの世界

猪の牙から猪犬を守れ!国内外を問わず猪猟において猪犬を使うとき、しばしば猪の牙にかかり、犬が受傷することがある。 せっかく猪が獲れても犬が怪我を負えば喜び半分、怪我の程度によっては全く笑えない状況で帰路に着くことになる。 そこでいつの頃からか、対猪用の狩猟犬のため「防牙ベスト」なるものが登場し始めた。現在(2018年)、日本で市販され、比較的容易に手に入る3種類(編集部調べ)をご紹介しよう。 犬は決して使い捨ての道具ではない。犬の成長や猟芸に合わせ最適な防牙ベストを選