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高い生産性のカギは「付加価値を生み出していない時間」

日本の生産性が低いことが問題となっています。OECD諸国38か国中31位と後ろから数えた方が早いほどです。労働生産性とは一人あたりの付加価値(≒粗利)になります。
一人あたり付加価値が低いことは、時間あたり付加価値が低いことにもつながり、「時間あたり付加価値を高めないといけない」、とよく言われます。
 
それはそうなのですが、私は時間あたり付加価値を高めるかぎは、「付加価値を生み出している時間」以上に、「付加価値を生み出していない時間」をどれだけ確保し、有効に使うか、がカギだと思うのです。
 
高付加価値な製品・サービスを考え、開発する時間は、全て「付加価値を生み出していない時間」です。例えば、Google自体を開発する時間は、「付加価値を生み出していない時間」です。
しかし、この時間のなかで高い付加価値につながるイノベーションを生み出したからこそ、製品・サービスを提供する段階(「付加価値を生み出している時間」)で高付加価値を実現できるのです。
 
大企業はともかく、多くの中堅・中小企業では全ての時間を「付加価値を生み出している時間」にするしかありません。しかし、そのなかでも定時外等に新規の商品・サービスを考え、それが高付加価値につながる企業もあります。大企業に成長した企業の歴史を読むとそのようなストーリーが多くありましたし、現代のベンチャーでもそうした企業もたくさんあります。
 
しかし、現代の「働き方改革」や働き方の意識の変化のなかで、そのような時間の確保が難しくなっているのもまた事実です。

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