増田 賢作/歴史通の経営コンサルタント

小宮コンサルタンツの歴史通の経営コンサルタント、増田賢作です。こちらでは、コンサルティングからの気づきに加え、歴史や古典から考える経営やリーダーシップについて書いていきます。著書に『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)があります。

増田 賢作/歴史通の経営コンサルタント

小宮コンサルタンツの歴史通の経営コンサルタント、増田賢作です。こちらでは、コンサルティングからの気づきに加え、歴史や古典から考える経営やリーダーシップについて書いていきます。著書に『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)があります。

マガジン

  • Good to Great ― KC B team

    • 2,165本

    小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです

  • 歴史の中の人物達から学ぶ

    歴史好きが高じて40年。歴史番組、歴史ドラマ、歴史書、歴史小説、とにかく歴史に関わることにいつも興味をもって接してきました。そこで感じたことをご紹介させて頂きます。少しでも歴史に興味をもって頂くきっかけになれば嬉しいです。

  • 日本経済新聞レビュー

    1週間で興味深く感じた5つの記事を取り上げていきます。

  • 『リーダーは日本史に学べ』で取りあげた人物達

    2024年6月11日にダイヤモンド社さんより『リーダーは日本史に学べ』を出版します。本書は、組織のリーダーが歴史上の人物の言葉を通して、ビジョンの問題を解決する本です。 このマガジンでは、本書で取り上げた歴史上の人物について、その人物を取り上げた背景、理由をご紹介していきます。もしこちらのマガジンの記事で興味をもって頂けたら、ぜひ『リーダーは日本史に学べ』を読んで頂けると嬉しいです。

  • 仕事に活かせる中国古典

    数千年の風雪に耐え、今なお世界中で評価されている中国古典。現代を生きる私達が「よい仕事」を取組むにあたり、どのような中国古典の教えが活きるのかご紹介できればと思います。

最近の記事

「歴史・古典に学ぶ経営力養成講座」のご案内

当社にて25年1月より「歴史・古典に学ぶ経営力養成講座」として、歴史・古典に学びつつ、その学びを現代の経営、ビジネスにどのように活かすかを考える講座を開設いたします。 本講座では、歴史・古典に学びつつ現代の経営課題解決をご支援させて頂いている弊社コンサルタントや、高収益企業を実現されてきた経営者OB様など、充実した講師陣で提供させて頂きます。 もしご興味がございましたらぜひご参加ください。

    • 血を吐くほどに自分を磨いた中国皇帝

      日本ではそこまで知名度が高くありませんが、中国の長い王朝史のなかで屈指の名君と評価が高いのが清王朝(1644年~1912年)の康熙帝(こうきてい、1654年~1722年)です。中国では近年、長編歴史ドラマの主題となるなど、改めて注目が集まっています。 先週は執筆のなかで康熙帝について調べ、書いてみました。元々、世界史のなかでも尊敬する人物ではあったのですが、改めて偉大さを感じました。   中央集権化を目指した内乱の鎮圧、人材の登用、黄河の治水工事、宮廷経費の大幅縮小、そして大

      • 人の発言に対して、「そうではなくて」ではなく、「そのうえで」と返す

        企業様のミーティングなどでよく聞くお話に次のようなものがあります。 「ミーティングで人の意見に対して否定から入る人がいると、場の空気が悪くなり、自由に発言しにくくなる」 この気持ちはよく分かり、私なんかも人の意見に否定から入る人に直面すると、ややうんざりすることは正直あります。   論語の「おのれの欲せざる所は人にほどこすことなかれ(自分がされて嫌なことは、他人にもしてはいけない)」のように、自分も周囲に同じ気持ちにさせないように、近年になってからですが、次のような心掛けをし

        • 酔っ払いが変えてきた歴史

          先週は『酔っ払いが変えた世界史』(原書房、ブノワ・フランクバルム著)を読みました。訳本としては読みやすく、かつ面白かったので、もしもこの題名で興味をもたれた方はおすすめします。   本書を読むと、酔っ払いやアルコール中毒により世界史が変わったことが想像以上に多いのだな、と気づかされます。 それも、多くの方の予想通りですが、良くない方に変えています。 若死、座礁、転倒、敗北、暗殺、、、、だいたい良くない二文字のオンパレードです。 そして20世紀後半から、アルコール中毒は「核戦争

        マガジン

        • Good to Great ― KC B team
          2,165本
        • 歴史の中の人物達から学ぶ
          246本
        • 日本経済新聞レビュー
          64本
        • 『リーダーは日本史に学べ』で取りあげた人物達
          67本
        • 仕事に活かせる中国古典
          58本
        • 読書からの学び
          108本

        記事

          好事例が活きる時、活きない時

          今年度、ある企業様で経営計画上の取組みの実施チェックをするため、実施状況を写真に撮って頂き、キントーン(サイボウズさん提供の業務システム)にアップしてもらっています。 そして、アップされたものは経営側でチェックするとともに、拠点間でも共有できるようにしていました。   すると、非常によい現象が現れてきました。それは、他拠点の取組みをキントーン上で確認し、自拠点の取組みに取り入れる拠点長さんが現れはじめたのです。 それも、単純に他拠点の取組みを真似するだけでなく、自拠点での工夫

          好事例が活きる時、活きない時

          偉業を成し遂げることと、人としての幸せ

          最近、ガンディーの本を読むことが多いのですが、そのなかで衝撃的だったのは、ガンディーの長男は最後乞食のようになり、ガンディー暗殺後の数か月後にアルコール中毒で亡くなっていたことです。   なぜ「インド独立の父」であるガンディーの子供がそうなってしまったのか。もし興味があれば『ガンディーの真実-非暴力思想とは何か』(間永次郎著、ちくま新書)をお読み頂ければと思いますが、   一言で言えば、ガンディーが高い理想を目指し、追求すればするほど、犠牲になった家族や周囲がいたのかな、と感

          偉業を成し遂げることと、人としての幸せ

          あるべき学校教育は時代に応じて

          明治時代、産業を興し、軍隊を強くするため、学校教育を設けました。全国民に教育の機会を提供することは、江戸時代までの日本には考えられないイノベーションだったはずです。 そして、優秀な学生は役所や軍部にて、そして時代を経ると企業にて出世の機会が得られました。   戦後も学校教育は見直しされながらも継続します。学校教育から更に幅広く人材が企業に提供されるようになり、経済界から人材の優秀さを図る共通尺度が求められました。それが共通一次試験であり、偏差値だったのです。そして、学校教育か

          あるべき学校教育は時代に応じて

          ちょっと不真面目すぎませんか。おカネのことではありませんが。

          投票行ってきました。結果は今晩よくみます。   ふと思いました。自称「歴史・政治オタク」数十年ですが、「昔はこんなに首相就任直後に即解散していたっけ?」と思い、平成以降の内閣の首相就任時と総選挙時を確認してみました。歴代内閣の首相就任時-総選挙実施時です(昭和までやりませんでしたが、記憶の限りではそんなに傾向は変わりません)。   宇野内閣 1989年6月-総選挙なし 海部内閣 1989年8月-1990年2月(6か月) 宮沢内閣 1991年11月-1993年7月(1年8か月)

          ちょっと不真面目すぎませんか。おカネのことではありませんが。

          創業者後の後継者のリーダーシップ

          本日の日経新聞で報道された船井電機さんの破産手続きは驚きでした。薄型テレビでは一定のブランドがある企業だっただけに、破産手続きは衝撃です。   記事ではこれまでの歴史を振り返っていましたが、2000年代前半にウォルマートでのテレビ販売などで急速に売り上げ規模が増え、2007年には3,967億円まで売上が伸びました。しかし、その後は海外メーカーとの競争に負け、急速に売り上げは減少したのです。 また、2008年に創業者が退任したのちは、社長が何度も交代しています。   恐らく、通

          創業者後の後継者のリーダーシップ

          新規事業はリーダー自身が入り込み、学んでこそ

          ロシア皇帝だったピョートル1世(1672年~1725年)はロシアをヨーロッパの大国とした人物として現代でも評価が高い人物です。 このピョートル1世が若い時、イギリス、フランス、オランダなどの「先進国」に訪問し、「先進文化」を直接学んだことがあります。それも形ばかりではなく、海軍力増強のために自分自身が「船大工」となり、軍艦の進水まで働くなど、造船技術を直接理解しようとしたのです(冒頭の絵は「船大工」をしていたピョートル1世の絵です)。 この後、ピョートル1世の指導のもとにロシ

          新規事業はリーダー自身が入り込み、学んでこそ

          高い生産性のカギは「付加価値を生み出していない時間」

          日本の生産性が低いことが問題となっています。OECD諸国38か国中31位と後ろから数えた方が早いほどです。労働生産性とは一人あたりの付加価値(≒粗利)になります。 一人あたり付加価値が低いことは、時間あたり付加価値が低いことにもつながり、「時間あたり付加価値を高めないといけない」、とよく言われます。   それはそうなのですが、私は時間あたり付加価値を高めるかぎは、「付加価値を生み出している時間」以上に、「付加価値を生み出していない時間」をどれだけ確保し、有効に使うか、がカギだ

          高い生産性のカギは「付加価値を生み出していない時間」

          批判に耐える図太さももって頂きたい

          極めて想像にすぎないのですが、もしかしたら、石破総理というのは社会や人からの批判に過敏な人なのでは、という気がしてきました。そう考えると、総理になるまでの軌跡も、そして総理になってからの言動も、一貫して理解できるのです。 ただ、総理になった以上、謙虚ではないといけませんが、批判に耐えて信条を貫く図太さももってほしいのです。ご本人としては社会や人からの批判に応えられているのかもしれませんが、外形としてコロコロ主張が変わっているようで、このままでは信を失ってしまいます。まさに

          批判に耐える図太さももって頂きたい

          人材活用に私的な感情が強すぎると

          先日、「最後のロシア皇帝ニコライ二世の日記」(保田孝一、講談社学術文庫)を読み、色々考えさせれるものがありました。   ニコライ2世はロシア帝国の最後の皇帝であり、最後は家族とともに射殺された悲劇の皇帝でした。 そこに至った要因は複数あると思いますが、その一つに「近づけるべき人を遠ざけ」、「遠ざけるべき人を近づけた」ことがあったのでは、と感じるのです。   「近づけるべき人を遠ざけ」は大蔵大臣などをつとめたウィッテであり、「遠ざけるべき人を近づけた」は怪僧として有名なラスプー

          人材活用に私的な感情が強すぎると

          挑戦ないところに新しい成果は

          新しいことに挑戦し、成果を出したとき、幸運と思えることもあります。その幸運がなければ、成果がでなかった、といえます。 しかし、挑戦する、というアクションがなければ、幸運を呼び込むことも「絶対に」なかったのです。   今週、ある企業様の社長さんから、これまでお客様が長年固定されていたため、新規のお客様開拓に挑戦してきた結果、想定以上の成果がではじめていることをお聞きし、感じたことでした。 それは社長も認められたように、偶然な出会いによることもありました。   もちろん、ターゲッ

          信長の手紙から感じるリーダー像

          細川家の文化財を所蔵する永青文庫にて開催中の「信長の手紙」に昨日行ってきました。 織田信長から、当時の細川家の当主、細川藤孝(幽斎)宛に送られた手紙が主に展示されていました。   感想として、「信長は部下に頻繁に指示を出す人だったのだな~」ということでした。決して細かく指示をだす、ということではないのですが、家臣が取り組むべきことの指示を常に出し続けていました。有名な印「天下布武」も、情報共有などの時は黒、命令の時には赤で押されていたのは思わず笑ってしまいました。   ただ、

          信長の手紙から感じるリーダー像

          スピード感をもって実行したことを賞賛すべき

          経営計画を立て、スピード感をもって実行した結果として、成果が出ることもあれば、出ないこともあります。   この時、もし成果が出なかったとしても、スピード感をもって実行したのであれば、賞賛すべきだと考えるのです。なぜなら、早めに成果が出ないことが分かったのですから、方向転換や、やり方を見直すのも早めにできるからです。   この時に注意しないといけないのは、成果が出なかったことにフォーカスして責めてはいけないのです。そのような責めに終始しては、スピード感をもって実行する人がいなく

          スピード感をもって実行したことを賞賛すべき