【屋久島】激闘!風雨、猿、鹿、鼠そして人との出会い(3日目その2)
最近『三体』を読み始めてドハマりしまい、
そのうえ、パソコンを置いてる部屋にエアコンがないために書くことから遠ざかってしまいました。
いま強い気持ちで書いてます。
気持ちが折れたら、なんかダイジェスト的な箇条書きで終わらせよっかな~みたいな弱い気持ちも脳裏にあります。
さりとて書かねば終わらぬ、屋久島探訪三日目の記事の続きをば。
本日の対戦相手は宿命のライバルであるアイツ!!
みんな見てくれよな!!
■小屋での服装四苦八苦
雨の中5時間行軍し、ようやく新高塚小屋に到着した僕。
全ての衣服が濡れている。だけど全て脱いでも代わりに着る服がないのでどうしようもない。
肌着は脱がないとして、何か羽織らなければ寒い。
薄めのフリースがザックの中で比較的マシな状態だったので、上半身は肌着とそのフリースで何とかする。
下半身もサポートタイツの上に寝袋をかぶせてみる。
(ダウンシュラフなので濡れるのは避けたかったが仕方ない)
十分ではないがこれが限界だろう。
降り続く雨の中、冷えた体がなかなかあったまらない。
なんとか温めようと焼酎を少し飲みながら本を読んで過ごす。
疲れたら少し寝て、を繰り返して過ごした。
■悪天候でのリスクヘッジ
明日の行程に関して頭を悩ませる。
相変わらず電波がないので天気予報は観れないのだが、この一日降り続く雨で道はかなり悪くなっているはず。
予定通りなら、縄文杉に行き、白谷雲水峡を経て下山する予定だ。
しかし持参した山と高原地図を観ると、白谷雲水峡を行くルートは雨天時渡渉注意と記載のあるルートで、なかなかに危険な気がする。
別案としては、荒川登山口に降りることで白谷雲水峡のルートを回避して危険を避けるコースがある(縄文杉は観れるし)。
ただ、この登山口のバスは本数が少なく、朝早くに出るか、昼近くに出るかしないとかなりの待ち時間を食らうことになる。
うんうん考えて、メインプランは危険の少ない荒川登山口のルートで
天候含め希望がありそうなら白谷雲水峡のルートも考えようと思った。
■ガイドパーティ襲来と友情の約束
夕方ごろにどかどかと何組かのガイド登山の人々が小屋に入ってきた。
外国人パーティもいる。
昨日の淀川小屋とは打って変わって、小屋内には15人くらい?の人が一夜を過ごすことになった。
少しざわついてきて、居心地が悪くなったので外に出てトイレに行くことに。
トイレから戻ってくると、小屋の前で例の若夫婦の旦那が煙草を吸っていた。
挨拶して、本日の行程を聞いてみる。
彼らは早出した甲斐があって、山頂でも少しは眺望があったようだ。
山頂付近での鹿や猿との遭遇についてもこちらと同じような体験をしたらしく一通り盛り上がった。
明日の行程について聞いてみた。
これも同じように、白谷雲水峡に行くか否かの2択で迷っているとのこと。
(まあそれ以外の選択肢はそうそうないんですが)
これまでの話で気が合いそうだったので、もしよければ登山口でタクシー相乗りしませんか?と提案。
荒川登山口で再会できたら、バスの待ち時間が長ければ、そしてもしそちらがよろしければ、という長ったらしい前提条件を付けていってみると好意的な感触。
大前提、それぞれのペースでやりましょうってことで、同行するような形でも、何時何分にここで落ち合おう、というのでもなく、
あくまで都合が合えば都合よく利用し合いましょうみたいなニュアンスでまとまった。
よい出会いを拾ったなと満足して小屋に戻る。
小屋に入ると、やはり先ほどよりもにぎやかな室内。
僕の隣には、老婦人2名にガイド1名というパーティが腰を落ち着けている。
このガイドのガタイが素晴らしくよく、180近い身長におそらく90キロ以上の体重があるのではないかと思う体格の良さ。
山をやっている人は上級者でもひょろっと細長い方が多い印象で、「リアル三歩さんだ…!」とひとり感動していた。
■急襲!二度目の決戦!
夜にはフリーズドライのスープパスタで体を温めて、寒くなれば焼酎かウイスキーを舐めて過ごした。
人数が増えたことで、夜になってもそこまで冷えてない気がした。
それぞれのパーティでにぎやかな宴が開かれた。
楽しそうな宴ははたから聞いていても楽しい気持ちになる。
やがてぽつぽつと寝る体制に入り、何時か忘れたが、最後の人がライトを消した。
その瞬間!!!!ガサガサガサッ…!!!!
狙ったかのように消灯後の刹那に走る足音…!
硬直する体!冴えわたる聴覚!
奴だ‥‥!
2日連続で遭遇した僕は昨日よりは冷静に事態を把握した。
しかし耐性のない人がそこらじゅうで「ひゃ!」「きゃ!」と小さな悲鳴をあげている。
昨夜学んだことは、アイツに対してやれることは少ない、ということ。
音は有効な威嚇攻撃だが
昨夜のように大イビキをかくのならまだしも、音を意図的に断続的に発するのは単なるマナー違反である。
(イビキもマナー違反じゃないかという議論は差し置く!)
ここは専守防衛し固く目を閉じ、泰然自若の精神で心穏やかにやり過ごすのが吉!
昨日も散々走り回ったが食べ物や他の物に被害はなかった。
今日は特に入念に対策しているし
足音さえ無効化できれば向こうになすすべはないのだ。
ということでアッサリ入眠し、今回も勝利!
たいありでした。
■余談:持って行った本の話
暇つぶし用にもっていった本を紹介。
『暇と退屈の倫理学』(國分功一郎)
かっこいい書き方で種々の哲学者の考えを引きながら論を進めていくのでとても頭がよくなった気がする本。
これは良い本です。
國分さんの別の著書も読んでみたい。
『唯識の思想』(横山紘一)
仏教にも興味があるので読みたいと思って長年積んできた本。
まだ最後までは読み切っていない。
なかなかむつかしい本で、少し著者の願望のようなものも混ざっているので苦労している。
『博士と狂人』(サイモンウィンチェスター)
好きな映画『博士と狂人』の原作本。
これもまだ読み切っていない。
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