見出し画像

私を映画館に連れ出した、映画『おいハンサム‼︎』

10歳下の夫とは、世代はもちろん、趣味も、育った環境も、休日の過ごし方や交友関係などもずいぶんと違うのに、なぜだか初めて会った時から、「美味しい!」と「面白い!」がとても似ていて、日常生活に最も重要な感性を共有することで、楽しく幸せな毎日を送っています。

趣味が合わないのだけれど、私の方が好奇心が強く、人に合わせる能力も若干長けているので、夫が家の大画面で観る、車関連のYouTubeや、戦う映画などは、ちょっとだけつまらなそうな顔をして隣で見ることになるのですけれど、たまに、二人ともにピタっとハマるドラマが見つかったりして、それはもう、どちらからともなく、「見ちゃう?」と誘い合って、夜な夜な鑑賞会を開くことになります。

『おいハンサム‼︎』は、まさにそんなドラマ。

確か、夫が何を見ようかと、Netflixの目次を送っていたときに、三女美香が獣のようなベストに、長くて綺麗な脚を見せて、出かけていくところを、ハンサム父に咎められるシーンがちらりと映り、何、これ?と見始めてしまったのが最初だったのではなかったかと思います。


このドラマは、ひっそりと深夜枠で放映されていたらしく、いきなりゴールデンタイムに出てしまったら、変な方向に持っていかれてしまったのではないかと思うくらい、ゆるくてほんわかしています。

ひとりひとりの個性的なキャラも、やり過ぎなはずなのに、深夜だから許せてしまうギリギリのライン。


個人的に三姉妹の中では、佐久間由衣さん演じる次女里香が一番好きなのだけれど、姉妹の掛け合いがもう、それだけで面白いし、その三姉妹に人生の教訓めいた『いいこと』を『ハンサム』な顔して言ってしまう父源太郎は愛おしいことこの上なく、その時々で、父の言葉が響く娘、聞く耳持たない娘と、言われた方も三者三様。

そんな家族にいつも冷静に寄り添い、まとめあげる母千鶴は、MEGUMIさんならではの演技力で、私もあれぐらいどっしり構えていたいなぁと、憧れる存在に仕上がっています。

長女由香の元カレ大森を演じる浜野謙太さんや、三女美香の職場の先輩シイナさん役の野波麻帆さんなどは、もう、キャラが好き過ぎて、他の作品ではどんな演技をしているのかしら??と興味が広がります。


ああ、私の言葉では、この魅力を伝えきれない!


今思えば、Netflixでオススメにあがってきていたのは、映画化が決定していたからだとわかるのですが、シーズン2を見終わったタイミングで、映画の公開情報を知ったので、これはもう、余韻が冷めないうちに観に行こう!と夫を誘ったわけです。

今回、夜の回に行った映画館は、我が家から3km余りの場所にあります。
猛暑の今でなければ、映画の感想でも語り合いながら、プラプラ散歩して帰りたい距離。

車が大好き(歩くのが嫌い)な夫は、絶対車で行きますけれど。

この距離感が、『おいハンサム‼︎』を観るにはちょうど良かったのです。

昼の上映でもない、電車に乗って帰るでもない、リビングの延長上で観るゆるいホームドラマ。

最高じゃないですか。

だから、一応、映画なので、由香は間違い電話を待ち続けてみたり、里香は恋愛逃亡で京都に行ってみたり、美香は婚約者じゃない人に猛アタックされてしまったり、いろいろ事件は起きるのですけれど、じゃあ、映画どんな話だった?と聞かれると、そこまでドラマと変わらず、面白かったー!となるわけです。

ドラマより尺が長い分、この面白いがまだまだ続くー!お得ー!という感じ。

ずっと見ていられる家族とその周りの人たち。

結局、日常が一番ドラマチックで面白いんじゃないか?と思わせてくれます。


それで、この映画が、逆に映画館を日常に引き寄せてくれて、映画館のメンバーズクラブに入会し、それから映画三昧な夏を送ることになったのです。


シーズン3、やらないかなぁ。

家族ってやっぱり、面白いよね。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集