ずっと昔、意味もなく好きだったことは、どれだけ時が経ったとしてもやっぱり好きなのだ。
人生を振り返ると、誰にでも大なり小なりあるのではないだろうか?
役に立つか、立たないかは別として、
上手か、下手かは別として、
-ついつい時間を忘れて没頭してしまうこと-
昨年、日本に一時帰国した時に、実家を大掃除。出てくる出てくる、わたくしの若かりし頃の暇つぶしの数々。
まだ私が可愛らしかった中学生時代。いかに授業を聞いていない生徒だったのかを今更ながら思い知る。
授業中に没頭した”切り絵”。
[授業中に生み出された作品たち]
これ、全て “あぶらとり紙”をカッターで切ったもの。
私が通っていたのは女子校だったこともあり、中学生にして早々とお化粧なんかに興味を持ち始めた。そんなアタシタチの必需品、あぶらとり紙。いつだってポーチの中にスタンバイしていた。
とにかく授業がつまらなかったので、世界史やら化学などの分厚い教科書たちは、この薄いあぶらとり紙を切り刻むのに最適な下敷きと化した。
教科書はもちろんカッターによりズッタズタとなり見る影もありませんでしたが、作品はなかなか美しくできています。
不思議なことに、授業中にしか制作意欲がわかなかったので、制作は学校のみ。
全く授業は聞いてなかったんだろうな。(そのあたりは、どうだったのか全く覚えていませんが、無理だろうと想像できる)
よく卒業できたな。
今なら、いろんな意味で怖くてできません。
でも、いつも皆から褒められたので、嬉しかった良い思い出。
更に、高校生、大学生の頃になると、テストの裏にはお花畑やら、模様のオンパレード。
テストの表に書かなかっだけ、偉い。
[テスト中に描いた模様。後でつなげたら、素敵な壁紙のような模様となりました]
こんな具合だったので、大学卒業後は、カーテンや壁紙の会社への就職も思いつかなくはなかった。
が、、社会は甘くない。
希望した会社は筆記試験で全て落ちてしまった。
合格したのは、漢方系の製薬会社。
はて。人生は思いもよらないところへゆくものだ。
[落書きの数々]
勤務先は関西。一人暮らしとなった。
実家でぬくぬくと生きてきた私に、いきなり一人暮らしに会社勤め。営業まわりの日々。
なかなかのストレス。
そんなストレスを発散するために、”落書き”が再発。
しかし、書き出したら時間を忘れて没頭するので、気がついたら朝になっていたりする。余計に疲れる悪循環となってしまった。
[サボテンからイメージした落書き]
ストレス発散になっているのかいないのか、よく分からないのに加えて、気まぐれすぎる私の脳内。
時間がかかりすぎると飽きてしまうので、一つの作品として完成しているものが少ない。
その後、2度の転職、タンゴを踊り始めると、みるみるタンゴに溺れ、仕事以外はタンゴ一色の生活。
落書きは再び忘却の淵へと沈んでいった。
そして、現在。
アルゼンチンはロックダウン。
ロックダウン前までは、それこそ24時間、平和にタンゴに没頭。
落書きが大好きだった過去など、無かったかのよう。
しかし、
タンゴがほとんど踊れない、友人ともほとんど会うことができないこの状況の中、
ついに、思い出してしまいました。
あ、落書き、好きだった…
[頭の中のイメージを ざっと書き出す]
書き出してみたら、やっぱり止まらなくなった。
ブエノスは真冬。
ドアや窓の隙間は当たり前、床や壁も断熱効果の全くない南米のアパートは、じっとしていると、体の芯から冷える。
[身体が凍えてきてるのはわかっていても、手が止まらない]
寒すぎて指が動かなくなったら、終了の合図。
熱いシャワーを浴びて、寝ます。
ずっと長いこと忘れていたなあ。
きっと誰にでもある、
小さな頃から、意味もなく好きで没頭できちゃう些細なこと。
特にこれと言って役に立ったことはないけれど、
ずっと私の人生の隙間にいた ”落書き”
タンゴとはまた違った、
純粋に楽しい時間。
こんな時期だからこそ、
いや、こんな時期でなくても、
たのしい!って思えることは、大切な心の栄養だ。
この記事が参加している募集
読んで下さり、ありがとうございます。 サポート、とても嬉しいです。ありがとうございます。