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新たなタイプの不登校(10)

愛着障害だから不登校になるのか?

今日も私のnoteにお越しいただきありがとうございます。

新たなタイプの不登校として、愛着障害について、これまでお話してきました。


愛着障害については、不登校の原因になるかどうかという議論がこれまでにもありました。


これについては、私も様々な文献も読ませていただき、理解をしていました。

ただ、そもそも、不登校の原因を一つに特定することに、あまり意味を感じられず、

「愛着障害だから不登校になる」

ということにも、

「愛着障害が原因で不登校にはならない」

ということのどちらにも、関心を持たなかったのです。


ですから、基本的には、私はどちらも肯定も否定もする立場にはありません。


ただ、新たなタイプの不登校として、愛着障害を取り上げたのは、発達障害ではないかと考えられてしまい、異なる対応をされている子どもが、確実に増えているという実感があり、そのことに大きな疑問を感じていました。


これまでにも、愛着障害だと診断名がついていなくても、愛着障害だろうと考えられる子ども達はいましたし、不登校になっている子どももいれば、そうでない子どももいました。


発達障害のことが広く知られるようになったこの20年間の間に、社会も大きく変化してきました。

バブル崩壊以降、経済成長もなく、平均所得は下がる一方、インターネットの普及で、様々なことを瞬時に調べることができるようになりました。

また、この10年はスマートフォンの普及で、さらにインターネットを利用することが増え、もう、インターネットとスマートフォンがなくてはならないものになっています。

コロナ禍で人と人の距離が拡大し、人はインターネットに依存するかのように、スマートフォンの中に様々なものを求めています。


この数年は、平均賃金はそれでも上がらない中で、物価が急激に上昇し、困窮家庭は増えていっています。

「株価が4万円を超えた」とまるで景気が良くなったかのようにマスコミは報じますが、景気の良さを実感できている人が少ないのは、良くお分かりだと思います。


こういう大きな社会の変化の中で、子どもへの愛情が向きにくくなり、愛着形成がうまくいかない中で、愛着障害の子ども達が増えている可能性はないのか、その疑問は大きくなるばかりです。

急激に進む少子化の中で、子ども達がさらに厳しい状況に追い込まれていないかということを危惧せずにはいられません。


もちろん、悪いことばかりではないでしょうし、どういう影響が子ども達にあるのかは、これからの研究をまたなければならないでしょう。


子ども達の変化は、大人の変化であることは間違いありません。

大人の変化は社会の変化です。

そのことが、子ども達に大きな影響を与えることは、今も昔も同じです。


大人が社会に不安を感じるからこそ、大都市圏では少しでも子ども達が将来、安定した生活ができるように、早くから良い教育を受けさせていきたいと、中学受験にやっきになることは、その証と言えるかもしれません。

どのように社会が変化していっても、子ども達が笑顔で伸び伸びとできるような家庭であり、そういう子育てを応援できる社会にしていく必要があると、強く感じます。


そのために、目の前の子ども達、ご家族をこれからも応援していきたいと思います。


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Keisuke Tani
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