不登校は問題なのか(16)
不登校を問題にしているのは大人
子どもが不登校になったときに、お母様がすごく不安になることは、すごくよくわかりますし、当たり前のことです。
お母様の頭の中には、いろいろなことが巡ります。
何か学校でトラブルがあったのではないか。
学校でいじめられたのか
勉強がわからなくなっているのか
先生に厳しく注意されたからなのか
先生と相性が悪いのか
体調が悪いだけなのか
どこか体に悪いところがあるのか
どうしてもゲームをしたくて行きたくないのか
などと考え、最後には、自分の育て方が悪かったのかとまで考えてしまうかもしれません。
でも、少し考えてみてください。
確かに、学校にほとんどの子どもが通っています。
これは、社会で生きていくための基本的なことを学ぶために、通っているのです。
しかし、そこに行かない、行けないというだけなのです。
子どもが、学校に行きたいのに行けない場合もあれば、行きたくなくて行かない場合もあるでしょう。
どちらにしても、「学校に行っていないだけ」のことなのです。
病気でもう寝たきりで、命の危険があるということではありません。
もちろん、事故や病気でそういう子どももいます。
その子のことを「不登校だ!」と問題にしますか?
しませんよね?
理由が違うと思われるかもしれませんが、学校に行っていないことは同じなのです。
「体も悪くないのに、学校に行かないことは問題だ!」と言っているのは大人なのです。
その前に、学校に行けるか行けないかの前に、子どもが心身ともに元気であるかどうか、と言う議論はなぜないのですか?
学校に通っていれば、心身ともに必ず元気なのですか?
そのことを、なぜ、先に問題だと考えないのでしょうか?
元気でなければ、学校には行けないのです。
心でも体でもです。
元気でも行きたくないかもしれません。
しかし、「学校に行けない、行かない」ことを問題にする前に、まず、心も体も元気なのかどうか、ということをご家族や周りの大人が考えてあげることが、先ではありませんか?
そう考えたときに、「行けるか、行けないか」という囚われから離れることができて、子ども達を少し落ち着いて見守っていけるようになります。
ご家族、特にお母様が、まず、「学校に行けるか、行けないか」という囚われから抜け出し、子どもをあたたかく見守り、心と体の健康を取り戻すことができれば、それだけでも、かなり子どもの状態は変わります。
お母様が悩んで心配するお気持ちはわかりますが、子どもが元気になっていくためにも、お母様が考え方を変え、子どもが学校に行けるかどうかよりも、心身ともに元気でいることを、まず、お考えください。
結果的に、その方が早く子ども達が動き出せます。
大人が不登校を問題にしてしまい、子どもを余計に追い込んでいることがあるのです。