不登校は問題なのか（10）
お父様との激しい口論？
不登校になり、自宅の自室にいることが多いKくんとしっかりと向き合うことをお母様が覚悟し、Kくんもお母様とお話しするようになり、少しずつ変わってきたKくんは、あることをきっかけに再び自室にひきこもることが多くなります。
お母様は本当にゆっくり時間をかけて、Kくんとしっかり向き合い、Kくんといろんなお話をされるようになっていました。
Kくんも少しずつエネルギーが溜まり、動き出そうとしていました。そのことをお母様も感じて、お父様にもお話をされていました。
それで、ある夜にお父様がKくんと話そうとKくんの部屋に行って、話そうとした時、Kくんから今は話したくないと言われました。
お母様からは動き出そうとしていることを聞いていたお父様は、「そろそろ学校に行くか、フリースクールに行くかしてみるか？一緒に行ってもいいよ。いつまでに家にじっといたら良くないよ。」（お父様・お母様・Kくんからの聞き取りの結果、おっしゃった言葉のまま）とドアの外から声をかけました。
これに対して、Kくんは「うるさい！」と声を荒げてしまい、お父様とドア越しに口論になってしまいました。
この時にお父様からは
いつまでもそんなことをしていてはいけない
どんどん勉強も遅れていく
いろんな人と話をしないと社会に出て困る
しんどいことは誰にでもある
辛いことも乗り越えないといけない
がんばらないといけない時がある
などをおっしゃったようです。
それに対して、Kくんは「うるさい！」と言いながら壁を殴ったり、蹴飛ばしたり、物をドアに投げつけたりと大暴れしたのです。
なぜこのようなことになってしまったのか、ということを考えていただきたいと思うのです。
お母様が向き合うことで、Kくんも気持ちも明るく、動こうと思い始めていたのです。
そこまで来ていたのに、なぜ、こんなことになってしまったのかなのです。
実はこのことをきっかけにKくんは、さらに2年間、自宅に引きこもってしまうのです。
この2年間、お母様は１ヶ月に1度の割合でご相談に来られていたのですが、このことがあった当初のお母様の混乱と悲しみようは、見ていても辛くなるくらいでした。
お父様はなぜ、このようなことをしたのか、どうしてこうなってしまったのか、ここをお考えいただきたいのです。
最近では、同じようなことがお母様でも起こってしまうことが多くなってきています。それはどうしてなのでしょうか。
なぜ、お父様はKくんに対してこのように話をして、Kくんはなぜ暴れるまでのことをしてしまったのでしょうか。
これは良くあることなのです。
特に男の子が不登校になっているときに、お父様との間でよく起こることなのです。
これは本当に大切なことなので、ゆっくりと考えてみてください。
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