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不登校からの卒業(25)

学校でなくてもいいのだが・・・
~不登校を見つめる(8)~

学校にこだわる必要などないと、前回、お伝えしました。

これまではそうでした。

その考えは、今も変わりません。

ところが、学校の代替施設というものが、大きくは成長しているとは言いかねると私は考えています。

オルタナティブスクールがどういうものかという明確な定義を、私は聞いたことがありません。

本来は、フリースクールやホームスクールなども含めた総称であるはずですが、今は、どちらかというと、「もう一つの学校」のようなものだという認識になっているように思います。

オルタナティブスクールは、理念や教育法が、日本の学校のものとは全く異なります。

日本の学校教育があわないからと、途中で通っている学校から、オルタナティブスクールに変わる子どもいます。

フリースクールにしても、ホームスクールであっても、あるいは、オルタナティブスクールにしても、どれも、それほど大きく成長しているものは、数が少ないと思います。

それは、なぜなら、「就職」という大きな壁があるからではないかと、私は考えています。

近年、就職活動において、学歴に対しては、以前のように厳しくはなくなっているように、子ども達の就活の様子を聞いていても思っています。

以前は、大学受験のための浪人でもないのに、履歴書に空白の数年があると、面接では確実にそのことを問われ、結果的に、就職できないこともありました。

しかし、最近では、他の子ども達と違う経験をしていることを、良しとしてくださる企業が増えて、不登校や高校中退をしていても、あまり、そのことにより、不利になることは減ってきているように感じています。

ところが、そうは言うものの、フリースクールやホームスクール、オルタナティブスクールは、現実的には、学校教育法第一条にある文部科学省の認可の学校ではないことがほとんどのために、そこに在籍していても、大学や専門学校には進学できず、高校卒業か高卒認定試験の合格が必要になります。

また、企業の人事担当者の方の中で、オルタナティブスクールについて、どのような教育をしているのかということを、理解している方は少ないと思います。

まして、そこを卒業してきた子ども達が、自分達の企業にとって、必要な人材と言えるのかということについては、わからないと言うのが本当のところではないかと思うのです。

要するに、日本の中で働くにあたって、オルタナティブスクールから、直接、企業への就職が難しいこと、日本の高校か専門学校、大学を経由しなければ就職しにくいことがあるのです。

だからこそ、学校の代替施設というものが、その良さを生かして成長して大きくなっていくこともなければ、学校にとって代わることもないのです。

学校にとって代わることが簡単に起こるのであれば、それは、国の根幹が崩れるのですから、そんなことにはならないのです。

だから、学校でなくてもいい、と前回お伝えしたのですが、あくまで、それは、学校に行けなけないという場合にのみ使える方法なのかもしれません。

これだけ不登校が増えてきても、学校という枠組みの中で考えなければならないことは、まぎれもない事実なのです。



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Keisuke Tani
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