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新たなタイプの不登校(9)

発達障害と間違われる愛着障害(3)

今日も私のnoteにお越しいただきありがとうございます。

発達障害やグレーゾーンと言われる状態の子ども達と行動は似ているけれども、実は、はっきりとした違いがあるのに、わかってもらえないために、間違った対応をされてしまうことがあり、その結果、不登校になっている子どもに出会ったことをきっかけに、なぜ、不登校になったのかを考えてきました。

それを「新たなタイプの不登校」として、書かせていただいています。

今回は発達障害と間違われる愛着障害の3回目になりますが、もう少しだけ具体的な例で考えてみます。

これは、どのような行動をとっているか、その背景には何があるか、そして、どのような対応をすればよいかを知っていただきたいからです。

今回は、周りの人たちが何か行動をするときに、「動かない」というようなことがあった場合の、それぞれの違いを考えてみたいと思います。

ただし、あくまでこのようなことがこれまで出会った子どもにあったというだけで、すべての発達障害や愛着障害の子どもが、これからあげるような例の通りに行動するということではないことは、予めご理解ください。

ASDの子どもが、皆で何か行動をしようとしているときに、「動かない」ことがあります。

これは、今、自分が行動しないといけないということが、あらかじめ理解できていないと行動できないからです。

ですから、皆で行動をしようとしているときに、たとえば、本を読んでいるのを放っておくと、ずっと本を読んでいます。

途中で行動するように伝えても、突然言われたのでは、行動できず、下手をするとパニックを起こしてしまうこともあります。

行動してもらうためには、「〇時△分から移動します」とあらかじめ伝えて、それを、目の前に見えるように置いておくことで、しっかりと伝わっていれば、行動を始めてくれます。

ADHDの子どもの場合、皆が行動するときに、本を読んでいると、放っておくと気づかず本を読んでいますが、声をかけると慌てて、行動をしてくれます。

ただ、事前に伝えておいても「なんで事前に教えてくれなかったのか」と怒り出すことがあります。

忘れているだけなのですが、怒り出しても、事前に伝えておいたことだけを言って、放っておくと、しばらくぶつぶつ言っていても、そのうちおさまります。

愛着障害の子どもの場合は、皆で行動しようとしているときに、本を読んでいて、放っておくと、同じように本を読んだままになります。

ところが、事前に伝えておいたとしても、声をかけても動かないことがあります。

何度も声をかけてやっと行動を起こしたとしても、今度は「もっと早くに声をかけてくれればいいのに」とか、「なんで今行動しないといけないのか」とか「声をかけるタイミングが悪い」などと、ずっと文句を言っています。

これは、もっとかまってほしい、自分をもっと大事にしてほしい、大切にしてほしいことをわかって欲しいという感情面からくるものです。


ASDやADHDの子ども達と一番、大きな違いは、放っておかれることに対して、ずっと文句を言い続けることで、その根幹には、感情面から「もっとわかって欲しい」というところがあるからなのです。

この違いから、一見、似たような行動をしていても、実は、対応の仕方は大きく異なります。


それぞれの子どもの状況を十分に理解して、どうすれば行動できるか、こちらの言っていることを理解できるかを考えなければなりません。

特に愛着障害の場合は、感情面を理解して対応しない限り、感情を逆なでするようなことになり、かえって、こちらが望む行動を取らなくなってしまいます。


学校の教室に入りにくいというときに、学校の先生との関係がとても良好であったとしても、クラスの他の子どもがたくさんいる前では、先生との関係を意識しづらくなり、愛着障害としての行動、たとえば、他の子どもが先生と話しているところに割って入ったり、邪魔をしたりするようなことが起こります。

ところが、先生と1対1で話しているときには、自分への注意をしっかりと向けることができるので、落ち着いて話をすることができるのです。

こういうことがあるために、教室に入りにくい、不登校になってしまうことがあります。


こういう子どもが増えてしまうと、学校の教室では、自分へ注意を向けたい行動をする子どもが増えるということになり、「学級崩壊」ということにもつながると思っています。


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Keisuke Tani
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