【書評に出た本】2022年8月
8月に書評掲載された本を紹介します。
■太田奈名子【著】『占領期ラジオ放送と「マイクの開放」——支配を生む声、人間を生む肉声』
「人間宣言」をしたのは誰だったのか?
GHQの指導のもと制作されたラジオ番組『真相はこうだ』『真相箱』『質問箱』『街頭録音』を分析し、アメリカの占領政策と「ウォー・ギルト」、そして戦後日本の民主化の内実を問いなおす。
↓本書に登場するラジオ番組の音声および動画をデジタルアーカイブとして紹介しています。
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■河野 龍太郎【著】『成長の臨界——「飽和資本主義」はどこへ向かうのか』
ローマクラブの『成長の限界』から50年、世界経済は新たな局面に突入している。地球風船は永遠の繁栄が続くという幻想を極限まで膨らませ、いつ破裂してもおかしくない緊張の中を漂っている。現状はもはや維持できないのか? 新しい秩序はどう形成されるのか? 著名エコノミストが経済・金融の視点からのみならず、政治学・歴史学・心理学などの知見も交えて現況を怜悧に分析し、迫り来る次の世界を展望する、読み応え十分の一書!
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■高槻 泰郎【編著】『豪商の金融史——廣岡家文書から解き明かす金融イノベーション』
「あさが来た」のモデルになった豪商廣岡家。彼らが活躍した江戸時代から昭和までの波乱の歴史をたどる。
現代金融取引の先駆でもあった大坂豪商の様々な役割を現代的な視点と一次史料の精査によって明らかにする!
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■安達 貴教【著】『データとモデルの実践ミクロ経済学——ジェンダー・プラットフォーム・自民党』
昨年のノーベル経済学賞授賞対象となった「因果推論」。そうした学問的進展を踏まえながらも、経済学の伝統である理論分析をどういかすか。「ジェンダー」「プラットフォーム」「自民党」といった現代日本における喫緊のテーマを対象にして著者自身が携わった研究成果をまとめる。ミクロ経済学の「実践」の新たなる可能性を示す。
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■佐藤 文香【著】『女性兵士という難問——ジェンダーから問う戦争・軍隊の社会学』
女性兵士は男女平等の象徴か?
戦争や軍隊は、どのような男性や女性によって担われ、
いかなる加害/被害関係を生起させているのか。
既存のジェンダー秩序を自明のものとすることなく、批判的に検証する。
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■マーシ・ショア【著】池田 年穂【訳】岡部 芳彦【解説】『ウクライナの夜——革命と侵攻の現代史』
ウクライナとEUとの連合協定への署名を拒んだヤヌコーヴィチ政権を倒したマイダン革命、そこにつけこんだロシアによるクリミア併合、ロシアを後ろ盾とする反政府の分離主義武装勢力とウクライナ政府軍とのドンバス紛争へと続く事態を、大文字の歴史に、多様なウクライナ社会の証言者たちの声を
織り交ぜながら立体的に描き出す。“生の声” によるウクライナ現代史。
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■谷原 吏【著】『〈サラリーマン〉のメディア史』
「サラリーマン」という戦後の成人男性の典型的な表象が揺らぎつつある昨今。
昭和・平成の映画、雑誌、ドラマ、漫画など…サラリーマンがサラリーマンをまなざすメディアの分析を通じ、大衆化と差異化という視点から、日本社会を支える〈普通の人々〉の通史を描く。
我らしがない「サラリーマン」なのか?
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■渡辺 林治【編著】/篠原 欣貴・薩佐 恭平【著】『小売業の実践SDGs経営』
企業と地域・社会が共に長く発展するための「SDGs 経営」について、独自に収集した企業データを基に、小売業でのSDGs の取り組みが企業の競争力にどう結び付くかを分析!
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■大尾 侑子【著】『地下出版のメディア史——エロ・グロ、珍書屋、教養主義』
近代日本の誇る教養主義の「裏通り」を一望する!
軟派出版の世界で、道楽知識人たちは国家権力と戯れ、一大文化空間を築いた――
「低俗」出版文化の歴史と「書物」「エロ」への欲望を可視化する意欲作。
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