【書評に出た本】2024年9月
9月に書評掲載された本をご紹介します。
■井伊雅子[著]『地域医療の経済学——医療の質・費用・ヘルスリテラシーの効果』
地域住民の安心感をどう高めるか――
世界の最先端を走っているようで実は不備が目立つ日本の医療体制。人々が安心して暮らしていくためにはどんな情報やサービスが必要かを、地域医療の視点から丁寧に解説。診療や医師の「質」の問題、統計・エビデンスの扱いの問題、医療情報の開示、国民の健康に対する理解度など、国際比較を交え斬新な切り口から検討する、新しい医療経済論。
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■鈴木優[著]『フリードリヒ・シラー——自由の美学仮象と遊戯の人間形成論』
美はいかに人を自由にするのか
18世紀ドイツの国民的詩人であると同時に哲学的医師でもあったシラーは、
同時代の唯物論的・機械論的な人間観と対峙しながら、美や芸術による人間性の彫琢を目指した。その思想の全貌に迫るシラー研究の決定版。
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■高橋義彦[著]『ウィーン1938年 最後の日々――オーストリア併合と芸術都市の抵抗』
フロイト、カネッティ、ウィトゲンシュタイン一家に迫る危機
1938年2月、ヒトラーの山荘ではオーストリア首相シュシュニクとの緊迫したやりとりが行われていた。その後の、オーストリア独立を問う国民投票の挫折とナチスによる武力侵攻……。独立を守ろうとする首相たちや、文化人や芸術家の抵抗や亡命を軸に、芸術都市ウィーンの緊迫した日々を描く注目作。
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↓「日本の古本屋」メルマガ(2024.7.25)「大学出版へのいざない20」に高橋義彦先生のエッセイが掲載されました。
■ギャレット・ジョーンズ[著]/飯嶋貴子[訳]『移民は世界をどう変えてきたか——文化移植の経済学』
▶移民と、移民がもたらす文化が与える影響は何か、経済にとって本当にプラスなのか?
▶移民文化の多様性、習慣、政治文化などがもたらす変化とは?
――世界史的なスケールの視野で計量分析された諸研究を整理・紹介
移民への姿勢で大きく二分された世界において、シリア難民をめぐる議論やトランプ政権下の「国境の壁」問題など、緊張感が一層高まっている。本書では、近年著しく発展している計量分析手法を用いて、移民や彼らの文化がもたらす効果・影響を重層的に整理、分析する。マクロ経済学・経済史的な視点から、壮大なタイムスケールで移民が移住先の社会・経済に与えてきた影響を考察する。
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