【書評に出た本】2023年1月
1月に書評掲載された本を紹介します。
■シーラ・ジェフリーズ【著】/GCジャパン翻訳グループ 【訳】『美とミソジニー――美容行為の政治学』
化粧、美容整形、脱毛、ハイヒール……
美しくなろうとするのは「個人の選択」なのか?
美容行為(産業から日常的なものまで)を、男性支配と女性の従属を促進させる「有害な文化習慣」としてとらえ、西洋中心的・男性中心的価値観を痛烈に批判する。
韓国・脱コルセット運動の原点にもなった、ラディカルフェミニズムの名著。
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■河野龍太郎【著】『成長の臨界——「飽和資本主義」はどこへ向かうのか』
ローマクラブの『成長の限界』から50年、世界経済は新たな局面に突入している。地球風船は永遠の繁栄が続くという幻想を極限まで膨らませ、いつ破裂してもおかしくない緊張の中を漂っている。現状はもはや維持できないのか? 新しい秩序はどう形成されるのか? 著名エコノミストが経済・金融の視点からのみならず、政治学・歴史学・心理学などの知見も交えて現況を怜悧に分析し、迫り来る次の世界を展望する、読み応え十分の一書!
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■ナヒド・アスランベイグイ、ガイ・オークス【著】/安達貴教【訳】『ジョーン・ロビンソンとケインズ――最強の女性経済学者はいかにして生まれたか』
20世紀最大の女性経済学者であるジョーン・ロビンソン。
彼女がいかにしてケインズをとりまく学者たちの頂点に登りつめたか。その秘密が初めて明らかになる。
20世紀を代表する女性経済学者、ジョーン・ロビンソンは、男性社会であるケンブリッジ大学の知識人のなかで、いかにして自らの地位を確立し、研究成果を認められたのか。ケインズをめぐる人間模様を、膨大な書簡から詳細に描き出す。ケインズ『一般理論』の形成、そして「ケインズ革命」を知る上で重要な一冊。
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■ウンベルト・エーコ【著】/和田忠彦【監訳】/石田隆太・石井沙和【訳】/山本芳久【解説】『中世の美学——トマス・アクィナスの美の思想』
エーコの原点、待望の翻訳。
「暗黒の中世」像を打ち崩す、「美」にあふれた世界――。
1956年当時、ベネデット・クローチェら美学の大家らによって「中世に美学はない、一貫した美への関心はない」と言われていた。
そんななかウンベルト・エーコは研究者としてとりわけ思い入れの深い中世の思想家トマス・アクィナスの著作に向き合い、トマスのみならず中世思想の根柢には、一貫した「美の思想」が流れていることを明らかにする。
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■リチャード・J・キング【著】/坪子理美【訳】『クジラの海をゆく探究者たち 上・下——『白鯨』でひもとく海の自然史』
世界十大小説『白鯨』を通じて知るクジラと海の神秘!
「海」をめぐる文学的想像力と自然科学の交差点。
白いクジラを追って捕鯨船が世界の海を冒険する物語『白鯨』、その豊かな内容を現代の自然科学の水準で検証し、読み解きながら、人間とクジラの長い営みから得た知恵を現代に蘇らせる!
↓著者のキング氏に、本書執筆の経緯や背景についてご寄稿頂きました。
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