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会社を悪化させる経営者にならないために反面教師にしている事【前編】

どんな会社にも経営者と取締役はいる。彼らは会社の中では強い権限を握っているので社員と比較にならないほど自由になんでもできる一方で本来であれば重い責任を負っている。

ただ、責任を負っているとはいえ、責任を誰かに取らせることはできるし嫌な仕事はふることもできるという立場にある。

一見すると最強の存在に思えるが、あまりにだらしがない経営をしていると社員が離脱し、顧客クレームが増えて会社がどんどん毀損していってその帝国が崩壊する。

オーナー企業で自分の会社ならば自己責任だが、上場しているかにかかわらず一般的なサラリーマン社長の組織であればかなり会社の危機的に状況になっても誰かに責任を押し付けてその経営者の政権はながーく続く。

そうしている間にどんどん会社が悪くなっていくので、社長よりも働く期間が長い現場の社員たちがもっともワリを食うことになる。社員は自分たちの未来を担っている会社がどんどん悪くなる中で社長が変わるのを黙って待つしかないというかなり苦しい状況におかれることになる。

そんな会社にしないために経営者が気をつけた方がいいこと、会社が毀損していく兆候として考えられることを10点ほどあげてみたい。

ちなみにこれから反面教師として書く話は実際に経営企画の社外交流で聞いた話など、いずれもすべて今いろいろな会社で起きていること。

ぼくがいつか自分が組織をリードする立場になったときに振り替えられるように、反面教師として絶対そうはならないという思いでメモった内容です。

全部で10コありますが、まずは前編として5点書いています。後半は後編に続きます。

■仲良しクラブを社内で作っていつも同じメンバーでつるまないように

仲が良いメンバーを昇格させて仲良しクラブを作っている経営者。本人は隠れてやっているつもりかもしれないが、社員には全て伝わっていると考えたほうが賢明だ。

具体例としては自分の出身大学の社員の会をやっている。自分が部活でやっていたスポーツをやっていた社員で集まってゴルフコンペなどをやっている。自分の住んでいる沿線のメンバーだけで飲み食いする会を開いている。

他にも、自分をヨイショしてくれるゴマスリ役員をかわいがり、評価を甘くしたり、かばうような発言をしたり、良いポストを与えたりする。特にその人間が社内で全く評価されていない役員の場合。

こういったことをしていると周りはそういう色メガネで社長とその取り巻きを見ている。嫉妬する人もいるだろし、バカな集まりやっているなと心理的な距離をとっている人も多いことを認識したほうがいい。

経営者からすると何が悪いのかと思うかもしれない。普段は孤独だからそいうものが欲しくなる気持ちもわかる。それでも経営者は一般社員ではないというこたを認識して平等、公平性を常に考えたほうが良いし、嫌いな奴がいても飛ばしたりせず、手のひらで転がせる度量はもってほしい。

 
■重要なポストに無能だけど子飼いの忖度キャラを配置しないこと

社長が見えている人というのは昔から付き合いがある人が多く、人の情報がアップデートしないものだ。

社長に人を見る目がないと最悪だ。そんな人をかわいがり、重要なポストに配置すると、社長自身はとても気持ちよくなれるし、愛のあるバカヤローを気軽に言える環境を作ることができる。

そういった形であがった人はだいたい社長との関係を縦に取り、現場に対してガーガーいうだけの人が多い。

俺がどう社長に説明するんだ!俺が社長にだす資料を作れ!社長にこんなことは言えないからなんとかしろ!主語は俺、俺、俺。

いわゆるこんなことを言っている人たちのこと。自分は会社をリードする気概は全くないので、管理ばかりするようになり、現場に押し付けで自分が一緒に寄り添って現場の代表としては働かない。

そんな人を引き揚げて重宝するとビジネスがよくならないということを社長は見えていない場合がある。

人員配置の責任は重く、組織を腐られせるか、イキイキした職場になるかがかわる。

ポストの配置は多面的に考えて配置したい。

■外からのプレッシャーがない独裁体制から生まれると自分を戒める

残念ながら日本の株式市場はチェック機能が十分ではない。会社をよくしようという動機がなく、株価があがるか下がるかにしか興味がない。

そうなると上場していても会社は社長の自由がかなり効いてしまって、業績がいってもいかなくても短期的には全く体制に影響はない。よっぽどの不祥事などがあれば別だがその頃には会社は相当痛んでいる。

外圧がないとどうなるかは説明する必要がないかもしれない。やりたい放題でしてしまうということだ。任期もないし高い給料をもらって何年かやればあとのことは自分には関係ないこととして処理できてしまう。

誰かに監視され目標に向かって働く同期がないと、現場に足を運ばなくなり、人に仕事をやらせるようになり、ビジネスの選球眼や判断力が落ちる。

いまやらやければならないことを年金問題のように後回しにする。判断をしないようにしたり、たまたま運がなかったと処理したりするようになる。

自ら外圧を求めて発信し、評価を受けて、説明をする気概を持ち続ける経営者になろうと考えよう。常に腰を低く聞く姿勢をもち会社の将来のために働く。基本に忠実に。

■社員のリアルな生活感がわからなくならないように心がける

社長も昔は若手だったし中堅社員だった。しかし社長につくとそんな時代は遠い昔の話でそういうことを忘れてしまう場合も多いようだ。

例えば経営者が付き合わせる飲み会を毎回自腹にさせたり、役職や賃金によって傾斜をつけないということもそうだ。

確かに家のローンや子供の学費などがあって給料が高いからといって楽な生活ではないと嘆きたい気持ちもわかるが部下たちにとっての5千円は非常に重いものであるし、役員である人の誘いであれば体調を無理してでも参加しているということまで頭を回して考えた方が身のためといえる。

レクリエーションを社員のためにやるのであれば飲み会だけが手段ではないはずだ。朝食会でも昼食会でも自分の家に呼んで無料で食事会を開くでも単に喫茶店でお茶するでも何でもいいはずだ。

何のために飲み会を開くのかという目的意識をもって飲み会した結果どういったアウトプットを得たいのかということまで明確にするようにしよう。

こういう話を「おおげさすぎる」という意見も多いかもしれないがこういった点を「めんどくさい」と思うかしっかり考えるかでその上司に対する部下の印象は全く違うものになる。いまは立場が弱いから従わざるを得ないがこの先どうなるかわからない。彼に助けてもらう立場になった時に人望があるかないかはこういった些細なところに現れる。食べ物と自腹の恨みは重いのである。

忘年会には75%の人が出たくないと思っているという統計がある。これは若手だけではなくシニアにもアンケートをとっている結果なので、どちらも実はやりたくない。そんな飲み会には何の価値があるのか。慰労という名のボスの権限を示すだけの話なっていないか、人を率いる立場になった時に気をつけたい。

あとよく聞く話は自腹で社員がカンパした誕生日プレゼントをもらって喜んでいるような場合。ぼくであればそんなことをされたら逆に怒ってしまうが、だいたいは気分がいいものらしくありがたく受け取る。そんな社長はいかに社員がカツカツの生活をしているか想像力が欠如している。

もちろん一部の景気の良い業種や外資系のように上司が絶対であるような会社であれば忖度がすべてという会社も世の中にはあるのでそういった会社であれば良いのかもしれないが、ごく普通の一般的な会社であればこんなことを社員にさせているようではだめである。もしやってもらうのであればやってくれた人全員の誕生日を覚えて倍のお祝いを返すくらいのことはしておくべきと思う。

こういったことにならないように、感覚が庶民とずれないように質素に暮らそう。間違っても高級ワインの話とか、高級車を買ったとか、そういう話は社員に自慢してはいけない。

憧れの存在にならなければならないと思って金持ちを謳歌する社長もいるだろうが、大半の人はそういう人にあこがれを持たないことを肝に銘じなければならない。

社員が日常の中にささやかな喜びを感じながら生活していることにアンテナを張ろう。感謝の気持ちを示し、どういった生活を社員が切り詰めて送っているかを考えられるような人になろう。

■何かつらい意思決定をする場合は自分から身を切ろう

例えば業績が悪かったり、構造改革が必要な場面というのは会社に訪れる。、そんな時にどういう行動をとるかで信頼は地に落ちるということを忘れてはならない。

業績が悪いからという理由で残業禁止を一切に指示する。すると社員は残業代もなくなり会社の行事は避けるし誰とも食事をしたくなくなる。残業は一律に禁止すると、無駄な残業をしている生産性の低い社員のコストは抑制できる。一方で優秀な人は仕事をしなくなる。

したくてもできないし、無償で働くほどバカではない。時間あたりの生産性がそもそも優秀な人は高いが、生産性をあげて新たな課題に取り組むモチベーションが下がる。ただでさえやる気がある人が少ないのにそんな人だだからやる気を奪う。そんな想像力ができない社長も多い。

どうしても人を切らなければならないとき。それは経営者の責任でやる。自分も給料を返上したり、役員全員降格にするなど「上から痛みを感じる」べきものと考えて行う。末端の立場の弱いものから切って、自分たちはいつも通り高級車にのって週末は役員ゴルフに興じる。そんな会社はとても正気の会社とは思えない。もしそういうことをする会社にいるとしたら、その社員たちは即刻その会社を去った方が良い。

そういった文化は決して治ることがない。悪しき習慣はそれに巻かれて昇格していく連中がいて、その甘い汁を吸う文化を維持しようとするもの。残念ながら期待する方が無駄になるので、もしそういった会社にいる社員だったらもっと志のある会社に移った方が良いキャリアを描ける可能性はあると思おう。

自分が経営者でそういったつらい決断をせざるを得ないとき。

そういったときには必ず自分から痛みを感じよう。自分で社員に説明しよう。自分の責任であることを認めて率直に話そう。

長くなってきたので続きは後編で。 →こちら(後編)

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