おるすばん
『主人ない家に響く猫の声 空いた心のさみしさ共有』
私は、一人暮らしのおじ(82歳)のお世話をしている。
そのおじが、先日、緊急入院した。
検査と入院手続きで、朝9時から夜8時まで病院にいた。
「帰るんだー!」
と叫ぶおじを説得して、入院するまで一苦労だった。
翌日、入院に必要な物を用意するために、おじの家へ行った。
主人のいない家は、なぜこんなにも【がらんどう】となるのだろう。
おじの家には猫が2匹いる。
姉と妹。 牧場に捨てられていた保護猫。
いつも、猫のお世話もほとんど私がやっているが、猫たちはおじが大好きで、
特に妹猫はおじ以外の人が触ることが難しいほどの人見知り。
おじが居ない家の中に入ると、姉猫はすり寄ってきた。
妹猫は…遠くからこちらを見ている。
猫たちのご飯をたくさん用意して、トイレもきれいにして、おじの荷物をまとめた頃、
「にゃぉん、にゃぉん、😿」
と、妹猫が鳴き始めた。
おじを探している。
「おじちゃんはね、入院しているんだよ。
2匹で仲良くお留守番してようね。」
諭すように話しかけても、鳴き声が響く。
おじは退院しても、この家で再び暮らすことは難しい。
猫たちは、いとこ夫婦が引き取ってくれることになっているが、
もうしばらく、この家でお留守番してもらう。
毎日、この猫たちのお世話をしていると、こちらもさみしくなる。
おじのお世話も本当に大変で、時々、
「もう、疲れたよ〜。
ご先祖さま、どうにかしてくださいよ〜。」
と一人で愚痴っていたが、
おじのいない部屋を掃除していると、なんだかさみしくなる。
さあ、また明日、来るからね!
しっかり2匹でお留守番しててね。