フリーランスの母が息子と読むマンガ【保護者的にオススメな10選+α】前編
マンガは好きですか?
我が家は本と同じくらいマンガのある、マンガ大好き一家です。
息子たちが小中学生時代から、マンガ喫茶で3時間パックを楽しむのが家族イベントでした。最近は、ネットでマンガを読む習慣がついたことと、ご時世的に閉鎖空間で不特定多数の人とモノを共有することを避けていたので、マンガ喫茶もご無沙汰ですが、落ち着いてきたので、また利用したいと思っています。
昨今では「クールジャパン」などのフレーズが定着、世界に誇る日本文化として定着したマンガ。私が子どもの頃は、勉強しないからと親に漫画を捨てられそうになり、友達の家に避難させたこともありましたっけ(禁止されたって好きなことは隠れてするのですが)。
私はマンガの良さをよく知っている親なので、息子たちの「教育」にマンガは有効と判断、積極的に活用したクチです。
私の企みは功を奏し、長男(大学生)次男(高校生)ともに、いい感じのオタク男子、、、じゃない知的好奇心の旺盛な青年に成長しております。
そんな親子で楽しみを共有したマンガは数知れず、その中で特に「親的にオススメなマンガ」を取り上げてみようと思います。
親子で読んだ、実践的テニス漫画
まず、我が家でもっとも活躍したマンガはこちら。
長男次男ともに中高とも部活でテニスをしており、繰り返し読んだ『ベイビーステップ』全47巻。
主人公は、オールAの優等生高校生、エーちゃん。いい大学に入っていい会社に勤める人生に向かって歩んでいた彼が、あることをきっかけに、高校からテニスをはじめ、大きな夢に向かって地道に着実に進歩していく様子がいい。
我が家の子どもらは、ガタイがいいわけでも、とびぬけて身体能力がいいわけでもない、フツーの子どもたち。でも、「スポーツが好き」「勝ちたい」という気持ちは持っている。
私は「努力できるのも才能」と思ってまして、そのためには「試行錯誤を楽しむ力」って大事よね、と考えてます。
これは、彼らに身につけさせてあげたい力の一つだよなぁ、と常々思っているのですが、それを実践しながら成長していっているのがエーちゃんなのです。
高校生からテニスをはじめた遅咲きなエーちゃんの武器は、正確な分析力。ノートに記録して課題を見つけ、克服法を試行錯誤しながら見つけていく様子は、問題解決の実践法そのもの。
感動するのは、好きなこと、やりたいことの完遂のため、年齢や体格、環境を理由にせずに、前に進む気持ちと姿勢。
その純度100%の素直さに、私も勇気をもらいました。
もうね、上手くなりたい、勝ちたい、つまりは、
「テニスが、、、したいです」
っていう純粋な気持ちがあふれていて、母さん、何度も泣かされてます(年とともにゆるい涙腺がさらに崩壊)。
あー、書いていて久しぶりに読みたくなった。
受験から投資まで、三田紀房マンガ
三田紀房さんと言えば、最近では『アルキメデスの大戦』など、ヒット作を量産している漫画家さん。
我が家では、息子たちの大学受験と高校受験(二人同時のW受験でした)を控えた高3と中3になる春、息子たちのモチベーションアップに『ドラゴン桜』全巻を大人買いしました。
10年前の作品で絵柄は古いし、絵もコマ割りなどの漫画技術も上手な部類ではない。それでも、ぐいぐい読んでしまうのは、ストーリーの面白さはもちろんのこと、教育への信念とか、社会への懐疑とか、何より人間、特に若い世代への愛があるからじゃないかしら。
今の時代に、特にオススメなのは『インベスターZ』全21巻。
舞台は、北海道にある中高一貫の進学校。東大はもちろん海外の有名大学へも生徒を送り出す由緒ある名門校で学費はすべて学校持ち。なんとその学校の運営資金を支えているのは、歴代の各学年トップの生徒たちで結成された秘密結社的なグループ。彼らが投資によって資金を運用、学園の財産を引き継ぎ殖やしていく、という刺激的な設定です。
漫画ならではの、トンデモ設定ですが、リアルな企業にきちんと取材をしながら構成されています。
母さんも息子たちも、この漫画で、投資とか資本主義経済とか社会のしくみとかお金の役割とかについて、前よりも身近に感じられるようになりました。結果、「自分ゴト」として関わっていく気持ちとか姿勢が着いたような気がします。
「多様性」と「料理」を学ぶ、よしながふみ本
近年は、少女漫画とか青年漫画とかいったジャンルのスケールを超えて活躍される漫画家さんが多くて、マンガ作品そのものもフィールドにとらわれない面白さが増したようで嬉しい限り。よしながふみさんもそんな漫画家さんの一人。よしなが作品は実写版で映画化もされた『大奥』(「右衛門佐・綱吉編」で菅野美穂・堺雅人が共演)でご存知の方も多いと思います。
青年誌では初連載なのがこちらの『きのう何食べた?』(最新刊19巻)。シロさん(弁護士)とケンジ(美容師)のゲイカップルとその周辺の日常を、食卓のメニュー(主にシロさん作)とともに描いた作品です。
西島秀俊さんと内野聖陽さん共演のドラマ『きのう何食べた?』も好評でしたね。もちろん我が家も親子で観てました(内野さんのケンジが愛らしかった♥)。
倹約家で健康志向、手間いらず料理が上手なシロさんのレシピの実用性たるやなかなかで、「いちごジャム」(1巻)をはじめ、我が家で殿堂入りしたものは数知れず。
乙女ちっくでやきもち焼のケンジと見栄っ張りシロさんの同棲生活模様とか、自慢の一人息子(シロさん)が女性を愛せないと知って宗教に走っちゃった老親とのつき合い方とか、お仕事がらみのアレコレなど、レシピの数だけ、エピソードもいろいろ。
リアルライフのハードな現実をしっかり描きながら(裁判案件がたくさんでてきます)、ほっこりもさせてくれる、、、甘辛酸っぱいのバランスを考えて毎食出してくれるシロさんの献立のようで、がっつり胃袋ならぬハートをつかまれてます。
ケンカやすれちがい、厳しい現実に凹む日もあるけれど、誰かと一緒に食事ができる瞬間があるだけで救われたりもする。
食卓の時間って、人生のいちばん美味しいところ、かも。
息子たちとの食事もあらためて愛おしいものになります。
そんな時間を、彼らがこの先の人生で、たくさん持てるといいなぁ、と母は思うのです。
古文ギライの男子に『うた恋い。』を与えてみた
我が家には、文系(長男)と理系(次男)の男子がいるのですが、どちらも古文が苦手だという。
私自身は文系(日文)でして、高校時代は学校のテストでは、古文は比較的点を稼げる科目でしたが、当初はさほど得意ではなかった。
古語なんて英単語並に異国語で暗記が必要だし、時代背景が違って常識も違うし。
私が古文嫌いにならなかったのは、『なんて素敵にジャパネスク』シリーズ(氷室冴子・著 コバルト文庫 イラストは峯村良子さん)のおかげです。
平安時代を舞台に、名門右大臣家の瑠璃姫が、姫とは思えない行動力で壮大な野望渦巻く政界で大活躍する名著!(またも再読したくなる)
つまり、古文に慣れるには、その時代を面白く読んじゃえばいい。
ということで、ジャパネスクは当然勧めたのですが、一冊は読んだものの、その後は続かず、彼らを平安ワールドへ引きずり込むまでにはいたりませんでした。やはり、コバルト文庫は女子度高めだったか。
ならば、『うた恋。』シリーズはどうよ? とマンガで再チャレンジ。
『うた恋。』1~4巻は、藤原定家が選者である「小倉百人一首」の恋の歌を、史実に基づきつつオリジナルの脚色を添えながら漫画化したものです。女性向きな絵柄かしらん、、、でも、コミカルな読みやすさと適度な下ネタは男子ウケもするはず、という母の読みは当たったようで、兄弟とも手に取って読んでました。
どの巻が面白かったかと聞くと、
「『うた変。』かな」
との答え。
『超訳百人一首「うた恋。」異聞』と肩書のつくこちらは、
番外編的な扱いですが、こちらは作者ならではの妄想、、、もとい解釈を深めたオリジナル具合がはっちゃけており、面白さに拍車がかかっています。
清少納言の感性のはじけっぷりも、身も蓋もない表現で綴られています(個人的には大好物)。
好き嫌いはあるかと思いますが、『うた恋。』本編がお気に召した方であれば、オススメです(※保護者的視点でいうと、、、高校生以上ならいいかしらん。。。)
(続く)
*表紙画像は、『きのう何食べた?』よしながふみ 19巻 より
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