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ラッセルのパラドクスに関して:「二階の述語論理」の問題点

新しいレポート書きました! PDFファイルです。

ラッセルのパラドクスに関して:「二階の述語論理」の問題点

http://miya.aki.gs/miya/miya_report34.pdf

野矢氏『論理学』のラッセルのパラドクスの説明について、とりあえず私の見解をまとめておきました。

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 本稿は野矢茂樹著『論理学』(東京大学出版会、1994年)におけるラッセルのパラドクスに関連する論理の問題点を指摘するものである。
 二階の述語論理というものを構築するにあたって、「述語」あるいは「集合」という”言葉”を実体化させ、別の意味を与えて要素化するという、余計なプロセスが入り込んでいるためにパラドクスが生じてしまっている面があるのではなかろうか。
 犬の集合は犬である。犬が集合したからといって犬とは別のもの(「述語」や「集合」といった”概念”)に変化するわけではない。
 そして論理と現実とを突き合わせて齟齬が生じたのならば、変更を加えるべきは論理の方である。論理はあくまで現実世界の在り方、そしてそれに対する人々の一般的認識に根拠づけられているのだから。

<目次>
1.命題関数(述語)のパラドクスの議論における問題点:「述語」という言葉の実体化(2ページ)
2.ω(x)が成立するとは?(3ページ)
3.ω(x)のxにωを代入することはできない(4ページ)
4.集合のパラドクスの議論における問題点:「集合」という言葉の実体化(5ページ)
5.二階の述語論理ではなく、言葉が示す具体的対象による検証(6ページ)
6.主語であろうと述語であろうと、それぞれ具体的対象を持つ言葉であることに変わりはない(8ページ)

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