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ネパール10日目:Farmer's Market、古都

11月16日(土)
おはようございます。
この日の予定は、大きく2つありました。

1. 前回少し触れたDomaさんが出店するLe Sherpa Farmer’s Marketへ伺う。
2. Bhaktapurへ行ってSanjeep教授の教え子さんの展示を鑑賞する。

今朝も行きつけになっているお店で朝食にコーヒーをいただきました。Farmer’s Marketで何か朝食をと考えていたので、コーヒーだけにしておきました。ホテルに戻ってからはnoteをまとめ、アップロード。ネット通信が結構微妙なので、なかなかうまくできないことが多く、いつも予定よりも時間がかかってしまいます。

なんとか切りをつけて、9時頃にはInDriveでバイク配車をして、Domaさんの出店しているLe Sherpa Farmer’s Marketへ。バイクで目的地に降り立ったところからはマーケットらしきものが見えませんでしたが、Google Mapへ見ると確かにかなり近いところには来ていました。いつも通り、料金を払い、運転手さんとセルフィーをして、目的地へ歩いて行くことに。

すごく狭い通路を歩み進めると小さな入口を発見しました。「ここから入れるぞ」という感じで入ってみるとすでに多くの店や来客で賑わっていました。毎週土曜日午前8時からLe Sherpa Restaurantの敷地内で開催されているFarmer’s Marketです。地元の人も海外からの来客もたくさん訪れていました。みんなどうやって知ったんだろうというくらい盛況。さっそく、Domaさんを探して歩いていくと、案外すぐに見つけられました。ただ、10数年ぶりに顔を見るので、私の記憶が少し定かではありません。教えていただいたところにいらっしゃっいましたので、間違いはないと思いました。ただ、お店が結構人気で接客など忙しそうでしたので、落ち着くタイミングを見計らうために、他のお店をさらっと見て回ることにしました。

敷地内を歩きところどころで目を引いたお店に立ち止まり、話を聞いて回ってみました。食べ物、加工品、エコ商品、果物や野菜、トーフ、植物など、どれも地元の高品質な素材を使って作られた商品ばかりのようでした。敷地内には、日本食レストランやショップもあり、Farmer’s Marketが開催されていない日でもかなり楽しめるところだと思います。

さて、一通り、さらっと見て回り、Domaさんのお店に行き、声をかけてみると私のことを認識してもらえました。10数年ぶりの再会で記憶が薄れている中の再会で、少し接客中もあり、途切れ途切れの会話でしたが、早速、Domaさんのお店で販売している自家製オリジナル・ビッグ・モモをご馳走してくださいました。8時からの出店に合わせて、午前2時から作業をしてきたとのこと。このオリジナル・モモは、ネパールで普段食べていた小籠包のような小ぶりのタイプではなく、肉まんのようなタイプのモモで、付け合わせに漬物もくださいました。

Domaさんのお店のビッグ・モモ

まあ、まずは食べてご覧って感じで、モモを手渡してくれ、近くのテーブルでいただくことに。めちゃくちゃ上手い!鶏肉がジューシーにぎっしり詰まっていて、タレや皮との相性も抜群!!!食べ終えてDomaさんのもとへ行き、感想を伝え、私の今回のネパール滞在の経緯や現状やDomaさんの以前運営されていたお店に関する記憶に関する会話を交わしました。でも、やっぱり、絶え間なく来客が来られるので、落ち着いてお話を続けるのが難しかったので、一旦、離れ他の店を見て回ることにしました。

生ハムを扱うお店、お茶を扱うお店、はちみつを扱うお店、スパイスを扱うお店、チョコレートを扱うお店、コーヒー豆やモリンガを扱うお店など、私の興味のあるお店を訪れて色々な質問をしたり、試食させていただいたりして回りました。どれもこれも高品質なものばかりで、買ってみたくなるものばかりでしたが、私の滞在はまだ後3週間くらい続きますので、ここはまだ我慢しておきました!

またFarmer’s marketの出店者以外にも既存のテナント店でネパールで作られた日用品、衣料品、食器、雑貨を売っている店がありました。その中で目を引いたのが、ボードゲームやカードゲーム。特に目を引いたのは、「SLAP THE MONSTER」というカードゲームで、そのキャラクター達の制作過程がとても興味深かったところです。というのもこのカードのキャラクターの原画は8歳前後の子供達でヒマラヤ山脈に潜むモンスターを想像して描かれたもの。それらをプロのアーティストが脚色して精度を高めるというプロセスを通して出来上がったコラボレーション。言い伝えに従って地域に潜むモンスターの存在を感じ取る子供達の想像力が大人の力を使って実際に多くの人たちが楽しめるカードゲームに仕上がり広く普及していくとても素晴らしいプロジェクトだと思いました。

約2時間くらい過ごし、再びDomaさんのお店に行きましたが、相変わらず盛況でじっくり話す余裕はなさそうでしたので、日本帰国前に再度、訪れますとの挨拶をしてこのFarmer’s marketを立ち去りました。

というのもSanjeep教授からBhaktapurで彼の教え子が展覧会をしているということを聞いていたのと、もしかしたら学生達と一緒に観にいくかもしれないと聞いていたので、タイミングを見計らっていたからでした。最終的にはSanjeep教授は別の用事で行くことができなくなったようでしたが、私自体はこの機会を逃すと他が無さそうでしたので、今回はバスで向かうことにしました。

初めての隣街までのバス移動です。10年前は結構バスなどを利用していましたが、今回は初めてでした。Patanのホテルから徒歩7~8分のところにバスターミナルがあるので、早速、Bhaktapur行きのバスを探してみました。ただ、ネパールの文字は読めないし、ネパール後もわかりませんので、直接、バスの近くで関係者っぽい人に聞いてみると、早速、その人がBhaktapur行きのバスのコンダクターの役割の人でした。

料金は100NPRで10分後には出発するから中に入ってて、大体35分くらいで着くからと言われ乗車しました。満員かと思いきや、3割くらいしか乗っていなかったので、運転席の隣に座ることにしました。乗客でごった返し、どこでどうやって降りるのかよくわからない感じは、インドネシアやフィリピンのバスの経験にも似ていたので、久しぶりに懐かしく感じました。日本ではなかなか味わえないスリルあるバス体験です。

案の定、途中から満車になり、かつ、めちゃくちゃゆっくり、途中でバスが停車し、中の乗車が別のバスに乗り換え、このバスはしばらく停車。何が起きてるかわかりませんでしたが、次のバスが後ろに停車して、バスの乗り換えをしているようでした。要するにバスの乗り換え停車のバス停というものみたいでした。この時点ですでに35分くらい過ぎてました!最終的にはそこからまたしばらくあり、結局全行程で1時間ちょっとはかかったと思います。この感覚久しぶり。乗客の顔を見ても慣れている様子で、ネパールの時間感覚がよく伝わってきました。

さて、Bhaktapurに到着後は目的の展覧会会場まで徒歩移動になります。昔は、ネパールの首都でもあった場所らしく古い建物や伝統工芸が残る街で、日本で言うのであれば京都のような街です。そんな街に歩みを進めていくと早速見覚えのある標識が。外国人観光客の入場には、1,800NPRが必要とのこと。そうか~、想定外だ~。と思いつつ、別の道を歩いていくと、もっとがっつりした受付に到着してしまい。入場料を払って、チケットを購入するように言われました。数時間しか滞在しないんだけど~と伝えてもダメでした...

現金は最小限しか持ってきていなかったので、手持ちのキャッシュがなくなることを心配していましたが、しょうがないですよね。まあ、ATMでキャッシングすれば、解決する話ですから。ということで、支払いをして立派な紙の入場チケットをもらい入っていくと、話に聞いていた通りの伝統建築が綺麗に残る古都。赤れんがの壁と細かな装飾が施されたドアや窓で構成された伝統的な建築物の数々。細い曲がりくねった道が続き、寺院や大小様々なお店を通り過ぎ、行き着いた先で昼食を食べることにしました。いつもカトマンズでご飯を食べていたので、今日はBhaktapurで食べようとランチをこの時まで我慢していたのですが、さすがに空腹でかなりきつい状況になっていました。ただ、道の傍のお店には興味深いものもあり誘惑に誘われるように、あるお店に入ってみました。

すると子供の描いた絵が印刷されたカレンダーに出会いました。話を聞いてみると店主の友達がその販売収益を経済的に恵まれない子供達による色塗り作業の対価として学校の授業料に充てるというものでした。とてもすばらしい経済的なエコ・システムだなと思い早速購入しました。支払いをしながら、このプロジェクトをしている個人や団体の名前を聞いてみましたが、とても曖昧な返答しか出てきません。ちょっと不信感が募りましたが、彼の説明を信じて、足早にお店を退出しました。その後はランチを食べにレストランへ。ここでようやくエネルギー補給と地域のリサーチ。

入場チケットを購入したところで資料ももらっていたので、ゆっくり見てみると「孔雀の窓」、「陶工広場」、「紙工場」などが目に止まりました。来る前から少し聞いていた伝統工芸です。紙工場に関しては、日本の和紙工場のような印象でした。私の住む山口市の徳地でも和紙を作られる方がいて時折伺っていましたので、とても興味を持ちました。

ランチ後に伺ってみましたが、建物を入ると中庭の方につながる通路があり、通っていくとまずはお店。そのお店の店主さんに紙工場があるか聞いてみるともう一つ奥の建物へ行って見学してもいいとのこと。歩みを進めると早速、色とりどりの和紙が少し無造作に山積みされていたり、作業途中のような裁断機があったりと、稼働中の工場の雰囲気がとても心地よい哀愁を漂わせていました。

さらに進んでいくと立派な彫刻の数々が並んでいます。紙工場の中にこんな彫刻があるとは思ってもいなかったので驚きましたが、迷宮のような建物からはさらに好奇心をそそられ、行けそうなところまで入って行きました。私の他には誰もいませんでしたので、どの部屋もどの階もとてもひっそりしていました。商品が保管してある部屋、シルクスクリーンの保管してある部屋、印刷機が置いてある部屋、さらには入っていいのかわからないまま興味本位で細い階段を数回上がると屋上に到着し、木彫の仏陀が設置されていました。本当に迷宮という感じで探索して行き、最後には再度印刷機のところに戻ってきました。綺麗に製本された本を見ていると店主さんが私を探しにきたようでしたので、声をかけ私の方に来てもらいました。

するとこの本は息子さんが17歳の時に手がけた本で、ヒュンドゥー教や仏教の神様やシンボルを紹介する入門書だと教えてくれました。文章やイラストは全て店主さんの息子さんが17歳の時に手がけたと誇らしげに教えてくれましたが、挨拶文には今、私が客員アーティストとして伺っているカトマンズ大学の芸術学部の創始者が書かれたとのこと。内容も事細かに英語で書かれ、紙もネパールの上質な紙を使用しているとのこと。息子さんは34歳で3つの修士号を持ち、現在はアメリカの大学院で博士課程に在学中とのこと。すごい人がいるもんですね。勉強になりました。

そうこうしていると結構時間が過ぎてきていたので、本来の目的の展覧会を探しにいくことにしました。いただいていた情報をGoogle Mapに入れて歩いて行きましたが、典型的な古い街で道は細く、時にはGoolge Mapに明確に記載されていないので、とにかく行ってみるしかありませんでした。行ってみるとそれっぽい寺院に到着しましたが、展覧会をやっている様子もありませんでしたし、質問してみても誰も知りません。そのあたりを少し歩き回って、お店の人にも訊いてみましたが、入り組んだ道には分岐がいくつもあったりするので、初めての私にとって言葉での説明だけでは結局到達できず。別の人に聞いたら、元の場所を方だと言われてしまいました。

それで、最終的に先ほど尋ねたお店に行き、休憩することに。「まあ、ズーズーダウでも食べなよ。」と言われ、休憩することに。Bhaktapurの街を歩いている時に何度も目にしていたズーズーダウ。実はこの街が発祥の地とのことでした。食べてみると本当に美味しい。しかもカトマンズよりも少し安い!本場の実力という感じでした。

落ち着いたところで、店主さんと話していると「それで実際には何を探してるの?」と言われたので「展覧会です。昨日から始まった展覧会がこのあたりでやっていると聞いたので。」と伝えると、思い当たったようで写真をいくつか見せてくれました。実は昨日は満月のお祭りがあり、いろいろな出し物があって、その中の一つが現代美術の展示だったと教えてくれました。たぶん、1日だけのイベントでもう展示してないかもと言われましたが、その場所まで案内してくれました。

店主さんについて行ってみると、なんとやっていました!しっかり展示がされていて、何人かの人が鑑賞中でした。声をかけてみると、展覧会企画を担当したキュレーター(Pooja Duwalさん)もアーティスト(Hitesh Vaidyaさん)もいました!Sanjeep教授の教え子たちです。早速、自己紹介をして話を聞いてみると、街の変貌を描いた絵画のシリーズで、いろいろな世代の人たちの思い出を組み合わせた絵画になっているとのこと。伝統が残る古都ではあるけれど、この20年ほどの間には政治の混乱もあり、2015年には大きな地震で建物が損壊し、修復を終えた建物もあるけれど、開発や海外文化の流入も進み、街並みや生活スタイルも大きく変って、個人主義の傾向も強くなり地域の人々のつながりが薄れ、そういった状況を危惧していると話してくれました。そういった状況を建物の解体などで残った木の板に描いた今回の絵画シリーズやこの展覧会企画を通して、地域の人達と対話を深めて行きたいと熱く明確に語ってくれました。将来有望な人材が育っているようでした。
最後に実は、道案内をしてくれた店主さんは、今日はたまたま休みでお店にいたそうですが、本職は行政の委託を受けて建築物の保全活動をしているとのことで、大きな事業者にはない地域の生活者の視線を大事にして活動している方でした。先ほどのアーティストもこの店主さんもお互いに街の保全に尽力している存在ながら、お互いの存在を知らなかったとのことで、私を通してご縁ができたようでした。今後の展開が楽しみです。

かなり長くなりましたので、今日はここまで!お疲れ様でした!

今回も写真掲載がうまく行っておりません… また後日、写真掲載したいと思います〜

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