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癌告知|妊娠中、夫が癌になりました。【5】全文無料
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今回は、ついに癌告知についてです。
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癌告知
土曜日の午後。
外来は終わっていて、待合室には誰もいません。受付の方に声を掛け、夫のいる部屋へ案内してもらいました。
夫の顔は生気がないように感じられました。
私はなんと声を掛けたらよいか分かりませんでした。
どうして?
どうしたらいいの?
という気持ちが頭の中を駆け巡ります。
本当は夫を抱き締めて、声を上げて思いっきり泣いてしまいたい。
感情が溢れ出しそうになるのをぐっと堪え、夫に今日の診察と検査、結果までの話を尋ねました。
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しばらくして診察室へ。
大腸内視鏡検査とCTの画像を見せてもらいながら、先生から説明を受けました。
画像には、大腸の左、左結腸・下行結腸にある肥大化した腫瘍が腸の経路を狭めているのが写っていました。
それによって腹痛が起こったり、下痢や便秘を繰り返したりしていたようです。腸閉塞の一歩前の状態です。
(後から聞いた話ですが、夫は便秘も繰り返していたそうです。便が細かった、とも。)
「ポリープとは違うんですよね?」
私は恐る恐る聞きました。
まったくの素人が、医者に向かって、それも大ベテランの先生に向かって、悪性の腫瘍を
「先生~これポリープの間違いじゃないんですかね~?」
なんて聞くだなんて、失礼も甚だしいことは百も承知です。
でも、少しでも、これがちょっと大きいだけのただのポリープである可能性に縋りたかったのです。
案の定、私の期待した答えは返ってきませんでした。
「この腫瘍はいつからのものですか?」
もしかしたら、自分との結婚生活がストレスで癌になったのかもしれない…そんな不安がありました。
先生の回答は「ここ一年でできた腫瘍ではない」でした。
原因は?
夫が知る限り親族に癌罹患者はいません。
遺伝でないとしたら…。
思い当たる原因は多少あります。
飲酒に喫煙、ストレスだって関係しているかもしれません。
ですが先生は、特定はできない、とおっしゃいました。
総合病院を受診するよう言われ、私達の住む地域の県立病院(県病)への紹介状を書いていただきました。
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