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福沢諭吉の教育論考から考える

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大学時代に福沢諭吉の政治思想を学んでいました。それもあって福沢諭吉の教育論に興味がありました。彼が残した教育に関する論説を要約して紹介するとともに、現代の教員の視点からそれを読ん…
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#日本史がすき

福沢諭吉「中津留別の書」前半~個人の自由独立と男女の平等

「中津留別の書」は1870(明治3)年、母と兄の娘を東京に迎えるために中津を訪れた際、故郷の有…

要約 福沢諭吉「教育の目的」ー前半

こんばんはコウちゃんです。 今回紹介する「教育の目的」は1879年に『東京学士会院雑誌』に掲…

福沢諭吉「文明教育論」~智恵の文明時代の教育のあり方

1889年に時事新報に掲載された社説です。 そこそこ長いので忙しい人向けの本当の要約を①で、…

福沢諭吉「教育の力は唯人の天賦を発達せしむるのみ」~教育の役割のとらえ方

こんにちは コウちゃんです 引き続き『福翁百話』から、今度は「教育」が題名のなかに入って…

福沢諭吉「身体の発育こそ大切なれ」

こんにちは  2回に渡って『福翁百話』から実学の必要性を説いたエッセイを紹介しました。やは…

福沢諭吉「人事に学問の思想を要す」~なぜ普通教育が必要か

こんにちは コウちゃんです 前回の記事で福沢は慶應義塾の生徒に対して実学の重要性を語って…

福沢諭吉「子供の教育は余り厳ならずしてよき例を示すは則ちよき教なり」

こんにちは コウちゃんです。  今回は福沢の演説を紹介したいと思います。福沢はスピーチを「演説」と訳し、その重要性を説き、自らも実践しました。彼の演説を集めた慶應義塾大学教授小川原正道氏の『独立のすすめ 福沢諭吉演説集』に所収されている演説から彼の教育論が垣間見えるものをいくつか紹介していきたいと思います。今回紹介するのが、福沢が40歳頃の明治9年の演説である「子供の教育は余り厳ならずしてよき例を示すは則ちよき教なり」です。 現代語要訳 花が開くのに雨露が必要なように、子ど