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人でなしな対応をするオペレーターはなぜ人でなしな対応をするのか
本当なら人にサービスを提供するはずの場で、また一人傷ついた人がいました。
NNさまは音声ガイダンスに翻弄され、AIによる尋問に耐えたあげく、20分かかってようやく人間につながることができたにもかかわらず、その人間から”人でなし”な対応をされてみじな気持ちに打ちひしがれました。
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最後に対応してくれた人が良い人だったことが救いでしたが、なぜNNさまをして「人でなし」と言わせしめるようなことが起こるのでしょう。
客より自分らが偉い
お役所仕事といわれるように、融通が利かず、相手を下に見るような対応ができるのは、他に代わりがないからです。住民票を変更したいと思ったら、役所に行くしかありません。競合他社がおらず、しかも絶対に必要なものであれば、サービスレベルがどれだけ悪かろうと客は来ます。であれば、苦労してサービスレベルを上げる理由はありません。
本当の客は別にいる
NNさまは自分が客だと思っています。いや、ほとんどの人がそう思っていることでしょう。
しかし、もしかするとそうではないこともあります。
NNさまは記事の最後にこう書いています。
東電のこの業務は、東電本体でなく、専用の子会社?が担当しています。
私は東電もこの子会社の内情も知りませんので、想像でものを言いますが、NNさまが払った(これまで払っていた)電気料金は、この子会社に入るのでしょうか。東電に入るのではありませんか?
この子会社の収入はどこから来るかといえば、もしかしたら東電からかもしれません。すると、この子会社にとっての本当のお客さまは、NNさまではなく、東電です。
孤立無援のオペレータ
この子会社っぽい感じの立ち位置のコールセンターで働いたことがあります。親会社が気にするのは呼損率(電話を取る前に諦めてしまった人の割合)。したがって呼損率が悪いのもいけませんが、良ければいいというものでもありません。今後の目標を高くされかねないからです。そこで、呼損率が適度な範囲に収まるように調整するということもあります。ありていに言えば、電話が取れる状態でも取らないよう指示が出ることがあるということです。
そのほか、コールセンターとしてもっと困るのは、親会社から渡されたマニュアルを許可なく変更してはいけないという取り決めでした。
・こんなマニュアルじゃ分からない
・現実に即してない
・実際は変更されているのに、マニュアル変更の許可がまだ下りないから修正できない
etc.
こんな理不尽なことがまかり通ってしまうのです。
そこで「これはマニュアルではありません、ただの覚書です」というようなものを配布してその場をしのぐような運用をしていました。
そんな中でも「私は客だぞ」という自己認識を持った電話が毎日かかってきます。
直属の上司がなんとかできる問題ではないということが分かるオペレーターは、この理不尽と「お客さま」の間で押しつぶされながら働きます。
だんだん心は摩耗し、見ても見ず、聞いても聞かないロボットのような心を持つことで、自分の本心をガードします。
オペレーターも人間です。人間扱いされないオペレーターがどうやって人を人間扱いできるでしょう。
サービスの有償化
サービスは本当に「ただ」なのでしょうか。これからも、無条件に提供され続けるべきものなのでしょうか。
「サービスの有償化」。これは、NNさまからの質問を受けてふっと思いついたことなのですが、サービスに価値があるということを客も企業も認め、サービスが欲しい人は正当な対価を払う社会にならなければいけないのかもしれません。
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日本人口は減少します。
円安と低成長のせいで外国人労働者も減るでしょう。特に優秀な人ほど日本以外の国を選ぶかもしれません。
そんな中でAIは急速に発達し、人に取って代わります。
それでも、人に聞いてもらいたい、人に対応してもらいたいというニーズはあると思います。
それは、もう当たり前ではなく、特別なサービスになっていくのかもしれません。そうなったとき、本来の「おもてなしの心」が見直され守られるのではないかと、せめてもの希望を込めて願います。
それでは、また。
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