コールセンターにおけるおもてなしの心、しつらい
「“よそおい” “しつらい” “ふるまい”」の三つをキーワードに、おもてなしについて考える、その2回目。今回は「しつらい」です。
前回の”よそおい”については以下をご覧ください。
しつらいの意味
「しつらい(設い)」を大辞林で調べると、以下の意味が出てきます。
“よそおい”が自分の身なりを整えることだとしたら、
”しつらい”はお客様を迎え入れる場所を整えることであると解釈をしてみましょう。
電話を取っているのはどこか
電話で接客をする際、今、自分がいる場所をどのようにイメージさせようとしているかを意識している人はどのくらいいるでしょうか。ととのえ準備することが室内を飾るということなのであれば、視覚を遮られた電話のトークでは関係ないと思いますか?
そんなことはありません。
声と言葉が全てですから、電話で受け答えをしているその場所がどんな場所なのか、声と言葉から人はイメージするのです。そしてあなたが受け答えしている場所をどのようにイメージしてもらうか、それはとても重要なことです。
例えば応対ひとつで、書類が乱雑に散らばった慌ただしく人が行き交う事務所を演出することもできるし、もちろん机がきちんと整理され、最新の設備が整ったコールセンターを演出することもできます。
調べるときの話し方で、机の上をイメージする
第一声(最初の名乗り部分)は明るく元気に言いましょうと教えるコールセンターは多いと思いますが、もちろん大事なのは第一声だけではありません。
例えば情報の探し方で、かなり場所のイメージができると思います。では以下の2パターンを読み比べてください。
実際はどうであれ、Bの応対なら資料が整っている印象を受けると思います。
Aの応対では、資料が整理されておらず、どこに何があるのかわからないような乱雑な机がイメージされかねません。このように案内されたら、人によっては回答の内容まで信用できなくなるかもしれません。
これでは一体、いつの資料を見ているのか、必要な資料全てを見てくれたのかも分かりません。
困ったときの対応で事務所の雰囲気をイメージする
次の例を挙げてみましょう。
もし私がAの対応をされたら、電話を取った人の机の上には慌てて閉じた漫画でも乗っていて、後ろの席に座っている上司は電話を気にすることもなく爪でも切っているように感じるでしょう。一方Bの対応なら、応接室に通され、隣に上司も居る状態で話をされているように感じるでしょう。
今回は、“その場のイメージ”をどう作り上げるかということを、“しつらい”になぞらえて考えてみました。
“しつらい”がおもてなしにとって大切な要素であるということが伝わったでしょうか。
それでは、また。
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