医療機関の電話応対~処方箋だけ下さい
先日、個人クリニックの事務長が私の電話応対研修を受講してくださった。そのときに質問されたのが、こちら。
この対応でクレームが頻発することはなかったのでこの対応が続いているということだろうから、それで問題ないと言ってしまえばそれまでだが、対応を変えればもう少し印象がよくなるのではないかと思う。
責任感があるか
まず、その言葉から責任感が伝わるだろうか。
口調に工夫すれば「あなたの気持ちや状況は分かる。」という共感の気持ちは伝えることができるかもしれない。しかし、いくら共感しても結果としては「私としては出してあげたいのだが、院長からダメと言われているので私はそれに従うしかない」ということになってしまう。これでは、院長が悪者だ。
クリニックを支える応対を目指すなら、院長を悪者にして自分の身を守る対応をしてはいけない。
患者のことを考えているか
例えば、「医師法20条で決まっていることなので、診察をせずに処方箋をだすことはできません」と言っても、院長のせいになっていない分はましだが「私に責任はありません」と言っていることは変わりない。
どんな状況でも法を犯すわけにはいかないのだから、最終的には法を振りかざすしかないにしても、最初から最終手段を使うことはなかろう。
では、最初はどう言えばよいかと言えば、あなたのために診察が必要なのだということを分かってもらう言葉が望ましい。
対応例
いくつも言い方はあるだろうが、例えば、以下のような案内ではどうだろう。
もちろん言い方も重要だ。
片手間に言っているように感じられては「顔色なんてどうせ見てないよ、おんなじ薬を出すだけじゃないか、誰だってできるよ」と反発を食らう。電話で顔など見えないと思わず、まっすぐに相手の顔を見ているつもりで優しく伝えてみてほしい。
それでは、また。
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