お客さまこそ最良の先生
受電応対における話の流れの中で、今どのような目的のために、どのスキルを使って話を聴くべきなのか。
それを意識して対応するということは、その目的が達せられたかどうか、つまりお客さまの反応はどうなのか、ということを常に意識することになります。
お客さまの反応から自分の応対を振り返る
お客さまに落ち着いていただこうと思って丁寧に復唱したのに、更に感情的にさせてしまったとしたら、とりあえず復唱はやめて相槌のみにするべきです。
原因は通話が終わった後でゆっくり考えればよいのです。通話中はとにかく、失敗しても次、次、と意識を切り替えてお客さまに一生懸命ついて行きます。
スキルを意識して分析する
重要なことは、その一つ一つを意識していれば、通話が終わった後に録音を聞いたり、指導者から説明を聞かなくても、自分で振り返りができるということです。
復唱、相槌、というスキルを知らなければ振り返りができません。言葉だけ知っていても、スキルを使っている自覚がなければ、やはり振り返りはできません。
自分が目指した目的と違う方向に話が流れるなら、スキルの選択が間違っていたか、選択は合っていたが下手だったか、お客さまに合っていなかったかです。
それを自分なりに分析して、次の通話ではやり方を変えてみるのです。
もし原因がわからなくても、とりあえず変えてみる。変えてみた結果はどうだったのか、変える前と比べるとどうだったのか。
データの量が増える分、分析もしやすくなります。
この場合にも、様々なスキルを選択肢として持っていないと、違うやり方を試す、ということができなくなります。
自分の考え方と違うことでも、試してみる
例えば自分の話し方が普通だ、と思っている人は、話し方を直せません。
一方で、「誰でも電話代はもったいないと思っているのだから、できるだけ早口で話した方がいいに決まっている。ゆっくり話すように指導はされたけれど、そんなのお客さまが望んでいるわけない。だから自分はお客さまのために早口で話すんだ。」と自分が思っていることに気付くことができれば、次の段階に一歩近づきます。
「自分はどうしても早口になってしまう、のではなくて、早口のほうがいいと思っていたのか」と気付けるからです。このように客観視できれば、「じゃあ、ゆっくり話すことでお客さまの反応がどう変わるのか、一度試してみよう」と考えることもできます。
自分の想像ではなく、お客さまの反応から、本当にそうなのか試してほしいのです。
手持ちのカードを増やす
逆に、社内の指導者に「ゆっくりと話していて丁寧に聞こえる。とても良い。」といつも評価されていたとしても、お客さまがイライラしている様子が伺えたり、はっきりと「急いでるんだけど!」などと言われたことがあるとしたなら、自分の話し方を変えてみる必要があります。
良い対応は、正確な情報を伝えるだけでなく、人や状況に合わせて臨機応変に変化します。
スピードもスキルの一つですが、早口にもゆっくりにも話せてはじめてスピードを使いこなしていると言えます。早口がいいのか、それともゆっくり話すべき相手・状態なのかを見極めて、意識的にスピードをコントロールできれば、あなたはスピードというカードを1枚手に入れたのです。
例えばこんなふうに分析してみる
最初の例(お客さまに落ち着いていただこうと思って丁寧に復唱したのに、更に感情的にさせてしまった)では、どんな原因が考えられるでしょうか。振り返りの例を挙げてみましょう。
復唱ひとつ、自分のスキルが低かったという可能性のみに絞っても、いくつもの原因が考えられます。
自分なりに改善してみる
自分なりに原因を洗い出せたら、次にどうすればよいかを考えます。
自分の改善策が合っているかどうかは、お客さまが教えてくれます。
やるべきことは、勇気をもって試してみること。
うまくいかなければ、また振り返ればいいのです。
地道な努力の積み重ねがトーク向上の近道
そのように一つ一つのスキルをいつも意識し、通話後には振り返るということを繰り返せば、半年もしないうちに傍目にもわかるくらいトークに変化が表れるでしょう。
お客さまこそが最良の先生だと思って、お客さまの反応に耳を澄ませてみましょう。
では、また。
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