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たった1分間の親子の会話で感動した話

いつも通り、私は夜ご飯を買いにスーパーに行き、いつも通りの道で自宅に向かっていた。

スーバーの買い物を終えて、家に向かっている途中、横断歩道を待っている親子がいた。

男の子は4歳とか5歳ぐらいだろうか、右手でお母さんと手を繋ぎ、最初はしっかりとは見えなかったが、左手で飛行機のようなおもちゃを持ちながら、「ぶーん」とか「ビューンとか」言いながら振り回していた。

どうやら飛行機ごっこしているらしい。


「今でも飛行機で遊ぶ子供なんているんだ」と思ったが、あまりにも笑顔で振り回していたので、思わず見いってしまった。

子供は「ヒューどーん」と言いながら、お母さんと手を繋いでいる右手の方の、お母さんからすると左手に当たり墜落させた。「こーらー」と、その小さな少年はお母さんに怒られていた。

「へへー」と言いながら、その少年は笑っていた。おそらく、お母さんが大好きで、かまいたかっただけなのかもしれない。


そんな小さな少年が、真面目な顔でお母さんに質問をする。

「お母さん、僕も乗れるかな?」

すると、お母さんは深く考え込んだ様子で、こう答える。「うーんと、頑張ったら乗れるかもよ」と。


ここで、「え」っと疑問に思った。飛行機に乗るのに、そんなに悩んで「頑張ったら」と表現する必要があるのかと。たしかに、飛行機に乗るのはお金がかかる。自分で乗ろうと思ったら、がんばって働いてお金を稼ぐ必要もある。


でも、もしかしたらその少年の持っている飛行機が豪華なプライベートジェット機とか、ひょっとしたら戦闘機なのかと思い、その少年の持っている飛行機のようなものをもう一度、注意深く見た。

翼も短くて、白く細長く、後ろの方にたしかにUSと書いてあった。しっかりと見えたわけでは無いが、その横に小さくNAのところだけ見えた。

そこで、「あっ、NASA」だとすぐにわかった。この子はスペースシャトルに乗りたいのだと。宇宙飛行士になりたいのだと。


それから横断歩道の信号が変わり、自分の帰り道とは違う方向に、また少年は小さなスペースシャトルを振り回しながら帰っていった。


私は、おそらく1分にも満たないかもしれない、横断歩道を渡る信号待ちの時間で、感動してしまった。全然知らない、顔も合わせたこともない少年だけど、応援したくなってしまった。

また、お母さんも「そんなの絶対無理だよ」とか言わずに「うーんと頑張ったら」っと否定しないのも、正直に素晴らしい。


もちろん、他にも素晴らしい夢を持った子供はたくさんいると思う。

そのためにもっと応援してあげられるような社会にもなってほしいと願う。たった1分にも満たない親子のやりとりではあったが、自分も応援してあげられる大人の一員でありたいと願わずにいられなかった。


今日、見た名前も知らない少年の夢が叶いますように

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