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問題解決において、必ず複数の解決案を作成すべき理由。

経営者JPが運営する志高き経営者・経営幹部・次世代リーダーが集う会員制プラットフォームKEIEISHA TERRACEスペシャルコラムドラッカー再論では、ドラッカーは何を見、何を伝えたのか、私たち、実務経営者にとっての「実践的ドラッカー論」について、再考・熟考・使い熟しをしています。


問題解決においては、まずは幾つかの解決策の代案を作成することが肝要(ドラッカーは「不変の原則」と言っている)だ。さもなければ間違った一択、二択の罠にはまるに違いない。

「<この世には緑か赤しかない>といえば、誰でもおかしいと思う。しかしあまりに多くの人が、毎日のようにこれとさして変わらないばかげた考えを受け入れ、それに基づいて行動している。あらゆるものが緑か赤であるという考えと、あらゆるものが緑か非緑であるという考えとの近藤がよく見られる。後者は全てをと取り上げているのに対し、前者はあらゆる色のうち二つを取り上げているにすぎない。」(『現代の経営』、1954年)

ドラッカーはこうした検討の際に危険なのは、極端なものを強調しがちであるところだと指摘する。
「白か黒か」というと、この中にあらゆる色が含まれていると想定してしまう。我々は「白か黒か」というときに、単に両極端について言っただけであるにもかかわらず、あらゆる色について言及したつもりになりがちだ。

内製生産品の販売が不調であるときに、頑張って売るのか、生産を中止するのかの二択に陥りがちだが、生産を外部委託する、販売時に製品ミックスを行う・変えるなどの打ち手で局面打開できるかもしれない。

「複数の解決案を考えることこそ、それまで当然のこととしてきた前提に光を当て、調べ、その有効性を調べざるを得なくするための唯一の方法である。もちろん解決案を作成するたけで賢明になり、正しい決定を行えるようになるわけではない。しかし、もし問題を徹底的に検討していたならば気づいたであろう意思決定の誤りは防止してくれる。」(『現代の経営』)

複数の解決案を作成することこそ、我々の想像力を動員し訓練するための唯一の方法だとドラッカーは言う。
これが科学的方法なるものの真髄であり、いかに慣れ親しんだ一般的な現象に対しても常に別の説明を考えようとすることが一流の科学者の証明だ、と。

「もちろん、複数の解決案を見つけようとしても、もともと欠けている想像力を新たに生み出すことはできない。しかしわれわれのほとんどは、実際に使っているものよりもはるかに大きな想像力を持っている。盲目では見ることはできない。しかし正常な視力を持っている人間がいかにものを見ていないかは驚くほどである。体系的な訓練によって、いかによく見えるようになるかも驚くほどである。」(『現代の経営』)

ドラッカーは、心の目も訓練し、鍛錬し、発達させることができると述べている。
そのための方法が、複数の解決案を求め作り上げることなのだと...

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