都農町に移住してまる4年、やりたかったことは実現してるのか?
4年前の今日、都農駅に降り立ち、その足で都農町役場へ。そして転入届。
20年近く経営してきた東京のUDSを後継者に託し、単身で宮崎県都農町に移住してまる4年が経ちました。
53歳での単身移住&起業。
それなりの覚悟とやりたいことはありました。
と問われれば、
と即答できます。
では、なにもしてないかというと、自分でも驚くほど多くのことを実現させてもらってて。
そうなるとは4年前、
です。
「実現できなかったこと」「想像できてなかったこと」を振り返りながら、激動の5年目のキックオフに備えます。
この先、地方でまちづくりしてみたい!と考えてる人には、「しくじり記録」として参考にしてもらえると嬉しいです。
1.実現できなかったこと
4年間、ほぼ毎日聞かれてることで、いろいろ答えてるうちに自分でもわかんなくなっちゃいがちですが。
実務的には、前職UDSでもっとも経験してきた不動産・建築のスキルを、都農町(当時)で予定されていた複数の利活用案件で活かせると思ったからです。
①道の駅増床
1つめが、「道の駅つの」の増床。
現状店舗の隣接に新たに店舗を増築し、飲食を充実させる企画。
「くだもののまち」という割にスイーツやギフトがないのが従前から課題視されていたため、増床にあわせて商品開発もしていこうと。
滋賀県のアンテナショップ「ここ滋賀」をやってたので、これは面白い!と思って企画設計を受託。現場スタッフのみなさんと話し合いを重ねながら進めてました。
背景には新型コロナウイルスの影響も大きかったのか。
運営会社が物販中心で飲食に消極的だったのか。
ふるさと納税停止のトラブルもあってのことか。
いずれにしても1つめのお蔵入り
②都農ワイナリーホテル
2つめは都農町が誇る「都農ワイナリー」でホテル建設。
これも何年も言われ続けていた件。
前職でホテル案件も多数携わっていたため、具体的に企画して、ボリューム設計、東京の運営会社にお声がけして事業化を推進。
運営会社さんから諸条件整えば運営します!と言っていただき、あとは前町長と一緒に投資家営業をはじめようかという矢先のふるさと納税停止トラブル。
ただし、この件は、他の2つと違い、ぼくらだけでも動けるので、引き続き都農ワインさんの協力を得ながら投資家営業を行い、突破口を見つけていきたいと思ってます。
興味ある人のご連絡、お待ちしてます!
③都農高校活用
3つめは、2021年に廃校になった都農高校の活用。
ぼくらにとっては、社運をかけた大プロジェクト。
移住前から関わってたのでまる4年を超えた歳月をかけ、10棟ある巨大な廃校集積の企画をし続けてきました。
学校法人に一括貸しとか、役場移転とか、もう廃校3個分の企画&設計は経験できたと自負してます 笑
最終的に「地域共生社会の実現」をコンセプトに基本計画が議会承認。いざ進めようとしたら建設課が人手不足でチェックできないとか言い出してお蔵入り寸前。
あわてて、事業スキームを再構築、PFIアドバイザーの方にお入りいただき、ぼくらも出資して民間主導の開発まで漕ぎ着けたら。。
2.想像できてなかったこと
①デジタル・フレンドリー
新型コロナウイルスのせいで、場づくり系は一斉ストップ。
移住&起業早々、失業状態。
暇だったことが幸いして、連休返上でデジタル推進の政策づくり。
4つの政策提言したら1ヶ月で議会が1.7億の予算を可決、トントン拍子で。
その後も、町の公式ホームページ運用や、町の公式YouTube「つのTV」立ち上げ・運用などのチャンスに恵まれよい経験に。
②こども参画まちづくり
2つめは、都農中学校の総合学習「つの未来学」
2年目から各学年で15時間担当させてもらえているのは、都農町にきて一番よかったと思えてる仕事です。
そんな活動が、地味ながら「日本まちづくり大賞」も受賞
これはまったく想像できてなかった流れでした。
③HOSTEL ALA
3つめは自社で経営するHOSTEL ALA。
まちづくりを学びたい学生や若い人の合宿所兼自宅をつくりたいと構想していたんですが、移住時には具体的な物件が見つけられず断念。
移住して一年ほどたって、町の人から5,000㎡の耕作放棄地にある2件の空き家の購入依頼が。空き家再生でお世話になってた秀建設さんにお願いしたところご購入いただき、ぼくらが借りてホステル経営と自宅に。
3.大きな影響要因とこれから
4年間で実現できなかったこと、想像できてなかったことを振り返るにつけ、まちづくりにおいては、外部要因の影響は避けられない、ということが身に染みてよーーーくわかりました。
具体的な外部要因・環境変化とは、
1年目は新型コロナウイルスで会社の事業領域を大きくデジタルにシフト
3年目はふるさと納税停止のあおりで予算縮小。会社の資金繰りピンチ
4年目は町長交代による方針変更で、売上の8割を失う
経営の本質は環境変化への対応なので、最初からわかっていたこととはいえ、自分のポンコツさをかみしめるしかありません。
ただし、
をスローガンにするイツノマでは、頼もしい20代メンバーと一緒に、前向き営業中。この荒波を乗り越える新年度にしていきます!
この4年間の経験は、リアルなまちづくりをしていくうえではかなり貴重だったのでは?と自覚。
地方創生やまちづくりに興味をもってる学生や若い人たちには、生々しくお伝えできたらいいなぁと思ってます。
「しくじり講演会」企画していただきましたらいつでも駆けつけます。