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競馬ブックの仕事 ~トラックマン編~

こんにちは🙌
突然ですが、みなさんは競馬ブックではトラックマン以外にどんな仕事があって、どんな人が働いているのかご存じでしょうか?
おそらく全く知られていないかと思います。
そこで、競馬ブックをもっと知っていただくために「競馬ブックの仕事」をnoteにて紹介していくこととなりました!

第一弾の今回は、栗東調教班の丹羽さんに登場していただいてます✨
これからどんどん更新していきますので、競馬業界に興味を持っている就活生の方、競馬ファンの方に読んでいただけたら嬉しいです😊

それではどうぞ😆


こんにちは、競馬ブック栗東所属のトラックマン、丹羽崇彰(にわたかあき)です。

noteで競馬ブックの仕事紹介をしたいとのことでこの原稿を書いています。

以前競馬ブックのサイトに載っている「週刊トレセン通信」のコーナーで自己紹介をしまして、その記事と内容が被っているところがあるかもしれませんが、ご了承ください。

まず軽く自己紹介させていただきます。

名前は丹羽崇彰と申します。顔は老けて体形も緩んでいますが、一応平成元年生まれの元気な男の子。

記者席での1ショット👀

岐阜県出身で高校まで過ごしました。
名古屋での1年の浪人を経て、大学進学のため関東へ。在学中のアルバイト先に競馬好きが多く、ヴィクトワールピサが勝った2010年の有馬記念で初めて馬券を買って3連複万馬券を的中、ここが人生の分かれ道でした。
年が明けて11年、きさらぎ賞で見たオルフェーヴル(3着でしたが)が衝撃的で自身初めての“推し馬”となります。オルフェーヴルの活躍と比例するように私の競馬熱も高まっていくことになり、競馬の教科書みたいな本を買ったり、過去の映像を見ながら勉強しました。

【週の仕事スケジュール】📅

月曜日
休み。3カ月に1回くらいの割合でトレセンに週刊誌を配りに行きます。入社して10年、なかなかこの仕事から下りられません。

火曜日
休み。先週の復習、今週の予習をやったりする。

水曜日
季節によって馬場の開場時間が違うが、それに合わせてトレセンで調教取材。調教時間は約4時間、めちゃ忙しい。

坂路スタンドで追切をチェック

トレセンから車で約10分のところにある会社に帰り、休む間もなく調教の情報を処理。これが2時間ちょっと。
遅い昼食をとり、あとは調教の短評入力や調教解説の執筆などなど。夜遅くまでやってます。

木曜日
この日も調教取材に出動。ただ、追い切り量が少ないので、この間にいろんな作業をする。個人的に一番集中できる時間。

帰社後、長い予想に備えて長めの休憩に。

14時くらい、できるレースから予想を始めていく。こっからは黙々とやるだけ。週によって出走頭数が違うので、終わる時間もまちまち。
予想の間に調教解説等の間違いがないか、校正作業もあります。

金曜日
土曜日の新聞に載る「直前情報」の取材のためこの日も坂路に。調教を見ながら原稿書いたり予想したり。
ただ、トラックマンは基本的に木曜日の夜にエネルギーの大半を使っているので、金曜日の朝はみんなしんどうそうです。

帰社後は休憩ののち、また予想の続き。

土曜日にラジオNIKKEI第2放送の解説(たくさんしゃべるので結構大変。でも面白い)がある場合は、金曜の夜に準備します。小倉競馬場へ行く場合は、金曜午後に新幹線で移動です。

土曜日・日曜日
基本的には競馬場に出勤。朝会社に集まり、社用車に分乗して向かいます。
前述したように、「次走へのメモ」やメディア出演の仕事をして1週間が終わります。

こんな感じですかね。
おおまかに私の仕事を分ければ、調教・予想・開催日業務の3つです。
若手トラックマンの場合は競馬場に行かず、栗東の会社に残って内勤作業をすることも多いです。

競馬ブックに入社した理由👂

就職活動がとにかく面倒くさくてアルバイトに明け暮れた学生生活でしたが、なんとなく「競馬 仕事」みたいな感じで検索をかけてヒットしたのが、競馬ブックの求人だったと思います。
当時は今のように就活サイトに登録がなく、競馬ブックのサイトにその募集が載っていました。関東では縦書きの新聞が主流で、横書きの競馬ブックは正直に申し上げまして買ったこともなかったのですが、まぁとりあえず気軽に受験して合格してしまったという感じです。(面接の直前に新聞と週刊誌を初めて購入しましたが、見づらいなと思った記憶しかありません)

2013年、キズナダービーを勝った年に入社して、もうトラックマン歴は丸10年を迎えようとしています。本当に早い。

志望動機を書いてくれとリクエストがあったのですが、トラックマンに応募してくる人は「競馬が好きだから」以外ないと思うんですよね。競馬歴が浅く素人同然の私がこの職に就けたことは、ある意味幸運でした。
入社当初は先輩トラックマンとの知識の差に愕然としましたが、必死に仕事をこなしていくうちになんとかついていけるようになりました。入社時点でガチガチに凝り固まった競馬観を持っているより、知らないことがたくさんあるくらいの方が成長の余地はあるかもしれません。

仕事内容🖋


さて、次はトラックマンという仕事についてです。JRAのサイトにある競馬用語辞典には

「美浦・栗東の両トレーニング・センターで取材している競馬新聞の記者のこと。調教スタンドから調教内容を確認し、計測した調教タイムや厩舎関係者を取材したコメントなどのデータをまとめ、二重丸(◎)、丸(〇)といった予想印を付けて勝馬予想を提供している。競馬中継や競馬番組に出演して、解説や予想、パドック診断などを担当するトラックマンもいる。」

とあります。トレセンや競馬場のトラックがあるところで仕事しているからトラックマンなんでしょうね。競馬専門紙記者のことをトラックマンと呼び、スポーツ紙など日刊紙の記者さんは、単に記者と言われることが多い気がします。一般的な言葉ではないので、自分の職業を説明するときは「競馬新聞の記者」と言っていますが。

トラックマンには調教担当の「調教班」、厩舎取材担当の「取材班」の2種類があり、調教班は時計班、取材班は厩舎回りなどと言ったりします。

私は入社以来ずっと調教班の所属。調教班のなかでも「コース担当」と「坂路担当」の2つに分かれていて、私は後者「坂路担当」で普段は栗東の坂路で黙々と仕事をしています。

栗東の坂路は地下道を通らないと行けない“僻地”にあるので人の出入りが少なく、ダービーや有馬記念など芸能人やテレビクルーが多くトレセンに来る華やかな週でも雰囲気は変わらず、他社のトラックマン含め皆粛々と仕事をしています。
水曜日(強い調教で時計を出す馬が最も多く、我々トラックマンが最も緊張する日)の追い切り頭数もコースの倍ほどなので、しゃべっている暇がないというのもあります。

トレセンで追い切った馬の情報を会社に帰ってからまとめて、それから調教短評を入力したり、調教解説を執筆したりします。

これが調教班としてのおおまかな仕事です。


木曜日の午前中までに調教関係の仕事をほぼ終わらせ、木曜16時にその週の出走馬が確定してからは調教の原稿や短評に間違いがないかをチェックしつつ、予想に没頭します。
予想の仕方は人によってさまざまですが、私は過去の映像を見たり調教過程を精査しながら、消去法で本命馬を絞り込んでいきます。1頭1頭やっていくと、時間がいくらあっても足りないんですよねぇ。
競馬ブック社としての予想=本紙予想の担当レースだと、下手したら数時間かかることもあります。だから外れると猛烈にむかつくわけです、自分に。

そんなこんなで予想を済ませて、土日は競馬場に向かいます。
競馬場では週刊誌の仕事がメインで、私はレースを見て「次走へのメモ」の執筆を担当しています。
パドック、返し馬を観察し、レース後は複数の視点から撮影されたパトロール映像を見ながら、出遅れや道中の不利の有無などをチェックしていきます。

週刊誌の「次走へのメモ」では1~5着馬、本紙本命馬の原稿がマストで必要ですが、それ以外にも、着順は悪くても不利があって力を発揮できなかった馬、展開的に苦しかった馬など、読者の方の参考になりそうな馬を取り上げて書くようにしています。
「次走へのメモ」は忙しい時期で1日4R、そうでない時は1日3Rを担当することが多いですかね。ラジオやパドック解説にも出演することがあるので、それと平行しながら仕事をしています。

大事なことを忘れていました。夏の北海道です。

私は6~9月の函館・札幌開催中、現地の競馬場へ長期出張して仕事をしています。馬が滞在するので、トラックマンも滞在するというわけです。
現在、東西両トレセンでは使用頻度の高いコースにタイムの自動計測が導入されていますが、函館・札幌競馬場にそんな便利なものはありません。昔と同じく、東西各専門紙のトラックマンが協力して手動で計測しています。
週のスケジュールは栗東にいるときと似たようなものですが、現地にいるトラックマンの絶対数が少ないので仕事内容が多岐にわたり、特に開催日は忙しく動いています。

北海道ではほぼ毎日馬を見て、その馬たちがレースに出走するので、調教班としても予想家としても腕の見せどころというわけです。いい調教解説、いい予想ができれば素直に嬉しいですね。自分の馬券が外れても、紙面上の成績が良ければいい気分です。できれば自分の馬券も当たってほしいんですが、とりあえず紙面が良ければ満足というのは紛れもない本音です。信じてください。
やっぱり北海道が大好きです。


競馬ブック、調教班の紹介は大体こんな感じでしょうか。

聞かれれば何でも答えるのですが、文章を書く仕事をしておきながら、文章に書き表すのはとても難しいですね。これを読んで、いろいろ興味を持ってもらえたら幸いです。

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