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『ウマ娘が好きだ 競馬が好きだ』
みなさんこんにちは!
暑い夏がすぐそこまで来ていますね🥵
今年も夏競馬が盛り上がりを見せていますが、出走する人馬・現地観戦されるファンの方々にはくれぐれも熱中症に気を付けていただきたいものです🙏
さてさて、時間が空いてしまいましたが競馬ブックの新人によるnote「私と競馬」、今回は中津川航平さんに書いてもらいました!!
共感される方も多い内容かと思いますので、ぜひお読みください✨
「自分と競馬」をテーマにしたnoteを書くことが決まったとき、テーマは一つしかないだろうと思いました。
「ウマ娘」です!
何を隠そう私は「ウマ娘」から競馬に入り、競馬ブックに入社しました。
競馬歴はこのnoteを書いた時点で3年もありません。
同期たちと比べてもぶっちぎりで浅いです。(笑)
それ故に軽い会話の中でも置いていかれていると感じることもしばしば...
逆に伸びしろは一番あると思って日々勉強中でございます。
このnoteでは、一人の人間が「ウマ娘」を通じ、どのように競馬に出会い、ハマったかをお話します。
ゲームに触れる
最初に「ウマ娘プリティーダービー」のご紹介を簡単にさせていただきますと、実在の競走馬をモデルにその名と魂を持つ「ウマ娘」を中心としたゲーム・音楽・ライブ・漫画・アニメ・映画など様々なメディアを横断するいわゆるクロスメディアコンテンツになります。
そのキャラクターやストーリーは史実に沿って丁寧に作られ、騎手や馬主さんなど関係者のエピソードが元ネタとなっているものも多数あり、それを見つけていくのも一つの楽しみとなっています。
「ウマ娘」に触れたきっかけはアプリゲームでした。
2021年の4月頃です。
特にモチーフの競馬やキャラクターに興味があったというわけではなく、純粋なゲーム性に興味を持ったのが始まりです。
(当時やっていた某野球ゲームにシステムが似てたので笑)
やってみると案の定ドはまり。
プレイヤーはトレーナーとして、担当するウマ娘をジュニア級、クラシック級、シニア級の3年間にわたり育成します。
それぞれ育成ターンでは練習・レース・休憩などのコマンドを選択し、行動するたび減っていく体力と相談しながら育成を進めていきます。
体力が低いと、トレーニングを失敗する確率が高まり、怪我をさせてしまうことも。
「ステータスを伸ばすためにはトレーニングしたいけど、失敗すればステータスを逆に下げることになる」という駆け引きが育成の面白さの一つです。
「失敗率が一桁だから大丈夫だろう」と安易にトレーニングをして失敗したときの萎えは、すでにプレイされているトレーナーの皆さんは共感してくれることでしょう。(一桁%でトレーニングを失敗し、ベッドやクッションにスマホを叩きつけた回数は私も数知れず)
ゲームをプレイする中で私の目はキャラクターたちにも向けられるようになっていきました。
アニメと無敗三冠
次にアニメにハマります。
特にアニメ2期!!
ここで心を一気に掴まれましたね。
2期の主人公はトウカイテイオー。
ライバルとしてメジロマックイーンやナイスネイチャ、他にもミホノブルボンやライスシャワー、ツインターボなど90年代前半に活躍した馬たちにスポットライトがあてられています。
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トウカイテイオーが尊敬するシンボリルドルフと同じく無敗二冠を達成するところから、けがによる挫折、敗北。
また、ミホノブルボンの無敗三冠やメジロマックイーンの天皇賞3連覇の記録達成を阻止し、ヒールとして扱われてしまうライスシャワーの苦悩と覚悟など、華やかなだけでない勝負事における厳しさが展開されていったのが印象的です。
トウカイテイオー、ミホノブルボンと2年連続で無敗二冠馬が誕生しながら、達成はならずだったわけで、当時私はその記録にかかる期待や重さを知りました。
そこで無敗三冠という記録について調べてみたんですね。
最初に達成したのが、1984年の”皇帝”シンボリルドルフ。
JRAのCMにて「競馬に絶対はないが、その馬には絶対がある」
「勝利よりたった3度の敗北を語りたくなる馬」といったキャッチコピーが使われるなど、今なお最強馬候補に名前が上がる、名馬のなかの名馬です。
次に達成するのはディープインパクト。
ルドルフの記録から約20年後の2005年に達成しました。
のちに失格となった凱旋門賞を含めても、14戦の競走生活のなかで敗戦はたったの2回のみ!
「一着至上主義。」と題されたポスターが作られるほどの圧倒的な強さをもって、すべてのレースに騎乗した武豊ジョッキーとともに、日本競馬の代名詞的存在となっています。
にわか知識の当時の私ですら名前を知っていたので「やっぱりすごい馬だったんだな」と思ったのも束の間、その下にもう1頭いるではありませんか。
しかも「現役」の表示で、父親はそのディープインパクト!
その馬の名はコントレイル。
私が競馬にハマるきっかけをくれ、その走りからありあまる感動と勇気をもらった馬です。
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コントレイルは、父ディープインパクトと母ロードクロサイトの間に生まれ、2020年に無敗でクラシック三冠を達成!
同年に牝馬路線で無敗三冠を達成したデアリングタクト、JRA平地G1最多勝記録更新した先輩三冠牝馬アーモンドアイとの”三冠馬対決”となったジャパンカップは歴史的名レースとなりました。
あと1年早く競馬にハマっていれば...と今でも思います。
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さて、スプリンターズステークスで馬券デビューを果たした私に、コントレイルの走りを見届ける機会、天皇賞(秋)がやってきます。
三強激突
2021年の天皇賞(秋)は三頭による三つ巴の様相でした。
1番人気は、無敗三冠を達成したものの、その後ジャパンカップ、大阪杯と目下2連敗中のコントレイル。
2番人気は、既にGⅠを5勝しており、スプリント・マイル・中距離とGⅠ三階級制覇を狙う牝馬グランアレグリア。
そして、3番人気は、その年の無敗皐月賞馬で、若武者横山武騎手とともに古馬に挑むエフフォーリア。
オッズも三つ巴対決を反映しており、コントレイル2.5倍、グランアレグリア2.8倍、エフフォーリア3.4倍と拮抗するなか、
次点4番人気のカレンブーケドールが19.6倍!
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この3頭による決着への期待が表れていますね。
レースはスローペース。
最終直線は2番手で先行するグランアレグリアを、中位で脚をためたコントレイルと、好位で完璧に折り合うエフフォーリアが捕まえに行く形に。
キレイに三強が抜け出してのデッドヒート!
思わず家でテレビを見ながら「うわ!!!」という声が漏れ出てしまったのを覚えています。
そしてゴール板を誰より速く駆け抜けたのはエフフォーリア。
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横山武騎手は前週行われた菊花賞のタイトルホルダーに続き、2週連続でのG1制覇。
そして親子三代で天皇賞制覇という偉業を達成。
「あれだけ強かった馬も無敗三冠という大偉業を達成した馬でさえ届かないのか。」
今考えれば成長度や展開など、いろいろなことを考えたのでしょうが、当時の僕には目に映っている走りこそすべて。
前週のタイトルホルダーも長距離逃げ切りという鮮烈な勝ちっぷりだっただけに、皐月賞でそれを一切寄せつけなかった、そしてこのレースで当時の現役最強格2頭を直接下したエフフォーリアの強さに戦慄しました。
コントレイルの勝つ姿が見たい!
しかし、そのチャンスはあと一度。
ラストラン、ジャパンカップがやってきます。
空の彼方に最後の軌跡
レースは海外勢のほかにも、アルゼンチン共和国杯を連覇したコントレイルの同期オーソリティや、当時エフフォーリアを唯一破ったダービー馬シャフリヤール、先輩ダービー馬のマカヒキやワグネリアンなど史上初となる4世代のダービー馬が出走する豪華な顔ぶれに。
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古馬戦線で3連敗中のコントレイルに対し、その当時ネットで見かけた言説の中には「最弱の三冠馬」というものもありました。
古馬戦線で勝てていないこと、宝塚記念を回避したことなど、理由はいろいろ考えられますが、無敗三冠馬として父ディープインパクトやシンボリルドルフが比較対象だったことも大きいでしょう。
三冠馬には、圧倒的着差や勝利数、一気の末脚など鮮烈に残る記録や記憶がついて回る中で、コントレイルには理想とする三冠馬像を見いだせなかった人が多かったという事ですかね。
それでも、リアルタイムで勝つところが見たい。
彼らしい走りで誰より速くゴールしてほしい。
そんな願いをかけて応援しました。
レースはスローペースでしたが、途中向正面でキセキがマクッていったことで大きく乱れます。前で運ぶ後輩ダービー馬シャフリヤールを見ながら、焦らず中団で足をためていたコントレイル。
直線に向くとただ一頭33秒台の上がりを繰り出し、粘る2着オーソリティに2馬身差をつけ、完勝!
見事有終の美を飾りました!
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出先で友達と一緒にラジオでレースを聞いていた私は、ゴールの瞬間に人目もはばからず渾身のガッツポーズ。(笑)
馬券も的中しましたが、そんなことはどうでもよかった。
純粋に勝ってほしい馬が勝ってくれた。
それだけでこんなにも心が震えるなんて自分でも驚きでした。
偉大な父を持ち、その道のりは完璧と言えるものではなかったかもしれないけれど、だからこそ、重圧を背にひたむきに走る姿に勇気をもらいました。
そして、相棒の福永騎手(現調教師)のゴール後の叫び、インタビューで涙ぐむ姿に、こちらももらい泣き。
コントレイル自身が福永騎手(現調教師)の人生と重なるところがあるのも、またうるっときてしまいますね。
先日顕彰馬に選定されたといううれしい発表がありました。
産駒たちのデビューも来年に控え、これからどんな”軌跡”を競馬界に残してくれるのかますます楽しみです。
熱く、長く
さて、「ウマ娘」で描かれていたような名馬の復活劇をリアルタイムで体感できた私は、競馬を続けて、かつ深掘って見ていく面白さに気づきます。
純粋に「あのレースを勝ったあの馬と、このレースを勝ったこの馬。戦ったらどっちが強いのか?」という馬たちによる強さ比べにワクワクできますし、なにより騎手や馬が織りなすドラマに日々を頑張る力をもらえるんですよね。
それが今の仕事を選ぶきっかけにもなり、今の僕の競馬への熱量の土台となっています。
これからも熱く、長く向き合っていきたいです!
「ウマ娘」に関してアツい話題といえば、5/24から劇場公開中の「ウマ娘プリティーダービー 新時代の扉」!(公開日の仕事終わりに同期3人で鑑賞、4DX版、新宿で行われた応援上映付き舞台挨拶も参加済み)
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こちらはジャングルポケットを主人公に展開されていくのですが、同期の一人の五十嵐くんとは「この仕事につきたいと思ったすべてが詰まっている」という感想を共有するくらい素晴らしい出来の映画でした!
今まで「ウマ娘」に触れたことがない人にも入りやすい作品ですので、大画面・大音響で鑑賞できるうちに観に行くことをおすすめします。
とにかくいい環境で全身でレースを感じてください!
文・中津川航平
中津川航平
2000年6月30日生。新潟県出身。
学生時代は東京の八王子に住んでいました。東京競馬場まで30分弱で行ける環境だったので、昨年はNHKマイルC以外の東京GⅠは全制覇!
センセーショナルな瞬間に何度も立ち会えたことはホントに幸福でした。
昔から欲しいものや行きたいところ、やりたいことは尽きないタイプですが、結局言うだけで達成したことの方が少ないくらいです。手が出せなかった高額ホビーに手を出したり、アニメの聖地巡礼や地方競馬場巡り、格闘ゲームが趣味なので行く先々のゲームセンターで猛者と手合わせするのも面白そう。学生時代よりお金には多少余裕ができるはずなので、うまく欲と時間とお金の折り合いをつけたいところですね。