ワニ_K

ワニ_K (王仁 慶) 1965年生まれ 訳書 kindle本『ベストマン』 (アビヤシャ作 王仁 慶 訳) https://amzn.to/3OBCBCc

ワニ_K

ワニ_K (王仁 慶) 1965年生まれ 訳書 kindle本『ベストマン』 (アビヤシャ作 王仁 慶 訳) https://amzn.to/3OBCBCc

マガジン

  • 虫にまつわる作品

    虫についての詩・俳句・川柳

  • ワニの詩2

    マガジン『ワニの詩』が50本になったので、51本目からはここに追加します。

  • 企画参加

    企画に参加した記事です

  • 画像を使ってくださった方

    『みんなのフォトギャラリー』の ワニ_Kの画像を使ってくださった方の記事です。 どうもありがとうございます。

  • ワニの詩

    noteで今まで発表した詩です。

最近の記事

  • 固定された記事

【詩】クロデメキン

墨汁のような色の 小さなクロデメキンは 水槽の中で 動き回り 躍動する その姿を 上から見ると 絵になるから 「水墨画のモデルに」と あちこちから ひっぱりだこだ  一方 水槽の底近くで ゆったりと 思索にふける 大きなクロデメキン 群青とチャコールとパールを 混ぜた色の ビロードをまとった 大きなクロデメキンを 水墨画の中で 生かすのは 難しいだろう

    • 【詩】蝶

      クロアゲハは いつも どこからともなく 現れて スターめいた 物腰で 鷹揚に 舞う クロアゲハの 前翅に 浮き出る模様 のような 細工を 手掛ける人と 携えた 手を 何故 昔 放してしまったのだろう 私には 最初で最後の友 だと わかっていたのに 魂は 時に 不可解な 決断を するから 手を 放したくなくても 魂の 命令に 背くことはでき…などと 自己弁護に 満ちた 言い訳に 酔っているうちに 今日も クロアゲハを 見失ってしまった

      • 朗報が届いた話

        入選者には十月下旬に通知が来るはずの文学賞(短歌)に 落選したと思っていました。 まさかの入選(秀逸)に驚きました。 規定通り二首一組で応募して、 パッと思い浮かんで細部を手直しした短歌が入選して 時間をかけて作った方は落選しました。 短歌を学んで発表できる場はnoteだけなので入選は noteに関わる方々のおかげです。ありがとうございました✨

        • 【詩】昔話

          お菓子のパッケージや 文房具に ごく稀に 稚拙な手で描かれた キャラクターの絵を みつけると そのキャラクターが たまらなく いとおしくなって 涙が溢れそうになる その理由が 今になって ようやく 解った まだ若い頃 私は 何の因果か 美しい人ばかりの 集団に 偶然 紛れ込んでしまった その中で 自分一人が 周囲から浮いていることが 苦しくなって そこに い続けることに とても 耐えられなくなって だんだん 動悸が 激しくなって ついには 狂い出し そこから 逃げ出してしま

        • 固定された記事

        【詩】クロデメキン

        マガジン

        • ワニの詩2
          24本
        • 虫にまつわる作品
          19本
        • 企画参加
          18本
        • 画像を使ってくださった方
          11本
        • ワニの詩
          50本
        • 思わず書き写した詩
          1本

        記事

          【短歌】エンマコオロギ

          【短歌】エンマコオロギ

          【おかしな一句】に参加します

          こちらの企画に参加します。 よろしくお願いいたします。 ドトールコーヒーショップで ミルクレープを初めて知って、ミルクレープにハマって いたのは何年前のことか覚えていません✨ そんな昔からのドトールの定番・ミルクレープの 層の断面は、年輪のようで歴史を感じます。 riraさん、お世話になります。 よろしくお願いいたします🍰

          【おかしな一句】に参加します

          【詩】草紅葉

          ある日の午後 視界の端の 彩りを捉えて 横を向くと 「我こそは草紅葉だ」 と言いたげな 丈高い草の 姿があった こんなに 朗らかな草紅葉に 出会ったのは初めてだ まだ暑い秋に 相応しい色の草紅葉 秋にしては眩しい 陽射しに映えている

          【詩】草紅葉

          【詩】つる草

          とあるローカル線の 一両電車に 乗って 動く車窓を 見ていると 線路沿いの フェンスも土手も 名も知らぬ 蔓草に 覆われている フェンスに 巻き付く 鬱蒼とした 蔓草の中の 私 が ガラスに 映ると 片付けていないものや 後回しに していることが 次々に 浮かんできて 絡みつく 蔓草から 逃れたくなって 車窓から 目を伏せて 眠ったふり をした

          【詩】つる草

          【詩】豆電球

          まだ小学生の兄が 教材の豆電球で 遊んでいる 私は 「それなぁに?」と訊きながら 近づいて 薬指の爪くらいの 小さすぎる電球を 見ている シャボン玉のような 薄いうすい ガラスに 守られた ひかりは 乾電池の 両極に 反応して 生き物のように 明滅し ひかりは ちいさな ホタル になって 目の前の 世界が 白日夢に なっていく それから 少し経って 私は 高熱を出して 救急車で 運ばれ 入学前の 長い休みに 紛れて 遠くの病院に 入院して 生死を 彷徨い シャボン玉のような

          【詩】豆電球

          まだ暑い 駅のホームで バティック柄の 扇子を 使うと 空気が 動いて ジャワの風が 吹く バティックの扇子 に 描かれたライオン に忍ばせた 『メモアール』 の 香りが 若い人には 物珍しいのか すぐ前に 並んでいた 長い髪の子が 振り返った ような気がした

          まだ暑い 駅のホームで バティック柄の 扇子を 使うと 空気が 動いて ジャワの風が 吹く バティックの扇子 に 描かれたライオン に忍ばせた 『メモアール』 の 香りが 若い人には 物珍しいのか すぐ前に 並んでいた 長い髪の子が 振り返った ような気がした

          【詩】クレヨン

          子供の頃 使っていたクレヨンに 「はいあかむらさき」という色の クレヨンがあった その 何にも 譬えようのない色と 無機質なネーミングが 頭から離れない と思ううちに 内なる はいあかむらさきは くっきりと 黒 白 赤 青 に分かれて それぞれ 回転し始めて それから 混ざり合い ゆっくりと 回転しながら はいあかむらさきに 近づいて 塗る 爪越しの 血の色と 融け合って はいあかむらさきは 私の色 になった ================================

          【詩】クレヨン

          【詩】能舞台

          若い頃 初めて観た 能の演目を どうしても 思い出せない その粗筋も 主役の衣装や面も 思い出せないのに お亀の面をつけて 終始正座していた 能楽師の姿だけを 今も 鮮明に 覚えている 何故 端役のように 動かずにいる人が お亀の面を つけていたのだろう  能面をつけるのは シテと相手役だけ の筈なのに でも  確かに 記憶に残る お亀の面の人は あの能を観た頃の 私だったのかもしれない あの頃の私は 人に話したら 笑われるような 朽ちた栄光…とも言えない 幽光に しがみ

          【詩】能舞台

          【詩】コスモス

          オレンジ色の コスモスは 黒に映える 花だから 見掛けると 一瞬 辺りが 暗く見える 叢に 咲く オレンジの コスモスは 流れ者で 何処からか 渡来した花と 間違えられて 駆除されることを 怖れて ふるえて 咲いている コスモスに 一瞬 オレンジ色の タテハチョウが とまって 網膜の シャッターチャンス 蝶と花 が 黒に 映えて たしかに 焼き付いた

          【詩】コスモス

          【短歌】スズムシ

          【短歌】スズムシ

          【詩】アサガオ奇譚2

          去年の夏 踏切の近くに アサガオやヒルガオが たくさん咲いていた 今年も 賑やかに 咲いているだろうと 思っていたら その踏切の近くに 咲いているのは 孤高の アサガオだけだ いや 花や蕾は アサガオなのに 葉のかたちや厚みが アサガオではないような そのアサガオモドキは 無謀にも 踏切の鉄塔に絡んで 上へ上っていきながら 「ここに 毎年同じ花が 咲くと思ったら 大間違いだよ」と呟いた 

          【詩】アサガオ奇譚2

          昔のムック本『朝日 旅の百科』

          1980年代の初め、書店に並んでいた大型ムック本『朝日 旅の百科』 当時好きだった中近東の国々が載っている二冊が今も手許にある。 『旅の百科』には、 一味違うインパクトがあって強く惹きつけられる写真が多かった。 私が持っている『旅の百科』は四十年以上前のもので かなり傷んでいるので、特に好きな写真をここに残しておきたい。 (写真は1981年発行『朝日 旅の百科』20号,21号から撮影したもの) ↑この写真が好きすぎて当時訳のわからないものを作った

          昔のムック本『朝日 旅の百科』